夜から夜へと | 詩人:Writer 上杉浩司

初めから夜の日と言うよりも

闇と同等の夜があって

その中であなたは時々

私に姿を見せた

 

ただ私があなたの中で

どうなっていたのか

私は知らない

 

突然夜が開けて

昼を見せたのかと

思ってはいたが

それは昼ではなく

夜だった

 

私の言葉は

あなたに届いているとは

思うけれども

 

いつも私の言葉は

夜に生まれ

あなたの明るい日常に届くのではなく

あなたの夜の中に届くのだ

 

私の言葉は決して枯れた

落ち葉ではない

決して朽ちた体から発せられた

朽ちた言葉でもない

 

それなのに私の言葉が

いつも私の夜から

あなたの夜に届いてしまうのは

私の言葉たちが

決して

あえて言うのであれば

血と肉とを持ってはいけない

言葉なのだろう

 

むしろ簡単に

愛していると言った方が

気が済むのだろうか?

 

ただそんなセリフは

決してあなたのもとには届かないだろうから

 

だから言い訳のように

こんなにも沢山の言葉が

あなたの前では必要なのです

 

ただ言い訳を好む人など

あなたを含めて

世には居ません