写し絵 | 詩人:Writer 上杉浩司

写し絵

 

 

 

うつむいた 顔の 目のあたりの

化粧具合が悲しくて

じっと見つめたことで

余計に悲しくなりました

 

要するに

何も残っていないということは

悲しみを通り越して

空虚さを通り越して

今の現実を見るという事なのですね

 

美しいと言って その甘さに 酔う 時間もなくて

悲しいと言って その辛さに 浸る 時間もなくて

大きな斧が振り落とされたみたいに

 

静かに 時間が止まりましたね