文科省のデータによれば日本にある4年制大学の教員のPh.Dの学位を保有している者の割合はアメリカと比べるととんでもなく低い。低いどころの騒ぎではない異常なのだ。
学部のみ 40.8%
大学院のみ 55.5%
大学全体 43.9%
驚くのはまだ早い。Ph.Dの学位を持っている者の割合のはずが、実際には「単位取得満期退学を含む」データなのだ。大学院博士課程を修了したもののPh.Dの学位を取らずじまいの者もPh.Dの学位を持っている者と看做しているのである。こんなことは他の先進国ではあり得ないことである。文科省は個別大学の実態を把握しているはずだが、個別大学のデータを開示しようとしない。残念ながら現在の人工知能の力量では個別大学の割合を探索する能力はない。しかし、人工知能の進化によって探索能力が向上したなら「誰それは60%の大学の卒業生だ」ということが世界中に知れ渡るようになる。
人工知能で調べなくても、いずれTimes Higher Educationがやってしまうだろう。そしてそのデータを世界大学ランキングに反映させるはずだ。今は、反映されていないので何とか600位〜800位あたりにランクされているが、1501位にも満たない「Reporter」に転落するのは確実だ。Reporterに格付けされた大学とは「ランキングに入れてくれと依頼した」もののランキングに入れてもらえるだけの資格がないと見なされた大学だ。
問題は、この記事を読んでいる高校生のあなたは上記のような日本の特殊性を是とするか否とするか?だ。もし否とするなら日本の大学に進学すべきではない。
蛇足だが、アメリカのトップ大学のLiberal Arts Collegeは大学院がないのでランキング入りしていない(極く一部のBryn Mawr, Wesleyan UniversityなどはGraduate Programがある)。
G7各国の大学教員PhD保有率(推計)(生成AIClaudeによる)
- アメリカ: 90-95%
- カナダ: 85-90%
- イギリス: 85-90%
- ドイツ: 85-90%
- フランス: 80-85%
- イタリア: 75-80%
- 日本: 文科省発表では43.9%(実際はもっと低い)