2030年に卒業する予定の主な分野別の人数は下記の通りだ。これらのうち赤字の172,098人は就職できない可能性が極めて大だ。理由は人工知能AGIの普及で事務的定型業務だけでなく会計、司法などの高度な専門知識を必要とする分野では「業務経験のない新人」を必要としなくなるからだ。この「新人採用をしない」という現象は、すでにアメリカのIT産業で起きている。新人を採用しないどころかジュニアレベルのエンジニアを大量に解雇しているので理学、工学、農学分野も楽観はできない。
人文科学 53,132
社会科学 77,291
家政科学 14,746
教育 26,929
合計 172,098
理学 5,768
工学 15,693
農学 9,038
そういう社会情勢になるとするなら、大学で何を専攻すべきか?答えは簡単だ。人工知能や量子コンピューター関連分野で必要とされる人材になるのに必要な分野だ。日本の大学で、それを専攻できない場合はアメリカやカナダの大学で専攻するしかない。
人工知能や量子コンピューター関連分野で必要とされる人材の例
- AI システムアーキテクト
- 量子コンピュータエンジニア
- バイオインフォマティクス専門家
- AGI倫理設計者
- 人間-AI協調インターフェース設計者
以上のような「失礼な」ことを言えば、読者の多くは猛烈な反発を感じると思う。しかし数学、物理、化学を必死で勉強するしかサバイバルする手立てはない。それをしなければ、ベーシック・インカムに依存する人間になってしまう確率が非常に高い。
「取り敢えず名門大学の経済学部、法学部、国際学部」ではダメなのだ。何がなんでも理数系学部に入り、必死で勉強するべきなのだ。日本の大学で、それができないならアメリカ、カナダの大学で、そうすべきなのだ。逡巡している場合ではない。中学から5年も6年も勉強してきたのだから、今更「英語ができないからアメリカ、カナダの大学なんて無理だ」と言い訳をするな。