大学進学はTimes Higher Educationの世界大学ランキング200位以内が”限度”だと思う。もっと言えば世界大学ランキング200位に入らない国内の大学は無用である。
日本の大学で200位以内に入る大学は5大学しかないので”限度内の大学”に入れるのは1年あたり63万人の新規入学者のうちで12770人だけである。すなわち、日本では毎年2%しか「限度内」の大学に入れないのが実態なのだ。
29位 The University of Tokyo 3080人
55位 Kyoto University 2800人
130位 Tohoku University 2500人
175位Osaka University 3300人
191位Tokyo Institute of Technology 1090人
この状態が何年も続けば日本は科学大国ではいられなくなる。
この状態を打開する方法が「世界ランキング200位以内のアメリカの大学への進学」だと考える。アメリカには世界ランキング200位以内の大学は56もある。各々の大学に200名が入学できれば11200名となる。63万人の1.7%に相当する。日本全国には高額なアメリカの学費を払うことが可能な家庭が11200世帯程度はいるはずだ。
私が注目するのは世界ランキング114位の University of Maryland, College Park だ。この大学なら毎年成績優秀な高校生200名は合格できるのではないだろうか。
日本でこの大学に注目している人間など存在しないだろうが、今や量子コンピューター分野では最先端を行く大学の一つである。その大学の存在を知らない日本の高校生、高校教員が「時代の潮流」から外れているだけの話だ。
Maryland以外にも200位以内の優良大学はある。少し例を挙げれば:
Notre Dame
Tufts
Virginia
Case Western
Colorado Boulder
Rice
Emory
Vanderbilt
Boston University
Georgia Institute of Technology
Washington University in St Louis
University of North Carolina at Chapel Hill
なお、日本の名門私立大学に関して言えば、データをあげて立証することはできないが、日本の有名私立大学に入れれば著名な日本企業への就職に有利であると言うのは幻想だ。有名私立大学から著名な日本企業へ就職している者の大部分は「コネ入社」の可能性が非常に高い。著名な日本企業には親が元「総理、知事、市長、官僚、大企業社長、経済団体代表」の家庭出身の社員が、それこそゴロゴロ在籍しているのである。彼らコネ入社組のほとんどは「文系社員」だ。
一般サラリーマン家庭の「庶民」の高校生が才覚だけを頼りに豊かな生活を送ろうとするならば「理系学部」に進学するしか方法はないのである。また単なる理系学部に入ればいいというものでもない。「時流に乗る」ことが必要なのだ。
これから2030年に向けて人工知能、量子コンピューター、核融合発電を中心として急速に世の中が変化していくのであり、それらの分野の「高度技能者=「Ph.Dの学位保有者」が大量に必要となる。それを見極めた進学をしなければ時流に乗ることはできない。
今時、東大文系学部に進学するなどというのは愚の骨頂なのである。