プリント基板(PCB)ではグランド(GND)部分を広く確保し、基板全体にわたって均一に配線する設計手法が用いられます。
「ベタ塗」「ベタベタ」などの語ベタに由来し、通称ベタグラウンドと呼ばれています。
特に高周波回路や電源回路において重要な役割を果たします。
基板の片面や多層基板の内部層をGND専用のプレーン(層)として設計することで、電気的な安定性を向上させます。
空きスペースが出来たときにGNDベタを配置することが多いです。
〇がべたGND
一見、すごいグラウンドでノイズもまったくなくて、電流が滑らかに伝わり、静かな0Vのような気がしますが、ベタGNDも配線パターンで、チョットだけ太い、広いってだけで、インピーダンスはゼロではありません。
ノイズを対策するのであれば、回路素子としてのグラウンド抵抗やインダクタンス分を考える必要があります。
🌱1.ベタGNDとは?
基板上でGND(グラウンド)=0Vの基準となる導体部分を、
「面(プレーン)」で広く確保したものを ベタGND(またはグラウンドプレーン)と呼びます。
目的は:
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電流が流れる経路を短く・広くして電圧変動を減らす
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ノイズを逃がす(シールド効果)
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電源ラインの安定
⚡2.なぜ「ベタにすれば完璧」ではないのか?
銅でできたGNDパターンも、現実には抵抗とインダクタンスを持ちます。
つまり、電流を流すとわずかに電圧差やノイズが生まれるのです。
🧩3.「インピーダンス」「インダクタンス」とは?
● インピーダンス(impedance)とは
電気信号(特に交流)にとっての流れにくさ(電気的な抵抗)のこと。
抵抗だけでなく、インダクタンスやキャパシタンス(容量)も含めた総合的な“抵抗”を意味します。
👉 式で表すと:
Z=R+jXZ = R + jXZ=R+jX
(R:抵抗、X:リアクタンス=誘導性 or 容量性の抵抗)
つまり、高周波信号では、単なる抵抗だけでなく、配線そのものの形や長さでインピーダンスが変わります。
● インダクタンス(inductance)とは
電線やパターンを流れる電流が磁界を作る性質によって生じる「電流変化に対する抵抗力」です。
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電流が急に変わると、その変化を妨げる方向に電圧が発生します。
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長い配線やループ形状だと、この効果が大きくなります。
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つまり、GNDパターンが長かったり細かったりすると、電流がスムーズに流れず、瞬間的に電位差(ノイズ)が発生します。
👉 簡単にいうと:
インダクタンスがあると、GNDの中でも「時間差のある電圧のズレ」が起きる。
🧲4.ベタGNDにもインピーダンスがある理由
ベタGNDは確かに広いですが、
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銅にもわずかな抵抗値があり、
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配線が長ければインダクタンスも増え、
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高周波になるとこれらが無視できません。
そのため、理想の「完全な0V」ではなく、わずかな電位差やノイズ電圧が発生するのです。
🛠5.設計上のポイント(ノイズ対策)
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