夜汽車という言葉が、視聴率を上げるのだろうか?
「夜汽車の旅」とか「夜汽車紀行」というようなタイトルの番組が多い様な気がする。でも、本当に夜汽車が出る番組ばかりではない。
先日見た番組は、夜行列車は1列車も出ず、全て昼行列車であったにもかかわらず、大胆にも「夜汽車」というタイトルが付いていた。出てきたのは、昼行の通勤列車や快速列車ばかりであった。好意的に解釈すれば、スタッフが夜汽車という言葉を正しく理解していなかったのだろう。
たとえば、山手線が夕方5時半ごろ走っていたとする。冬なら真っ暗になっているだろう。これが夜汽車だろうか?これに旅情を感じるだろうか?勿論、これに旅情を感じる人もいるかもしれないし、決して悪い事ではない。
でも、私はやっぱりこれは夜汽車では無いと思う。
夜汽車とは、夕刻、または夜に始発駅を出て、翌朝、または昼に終着駅に着く。つまり、一夜を走り続ける列車を夜汽車と呼ぶのではないかと思う。朝起きると、見知らぬ土地に着く。これが夜汽車の醍醐味である。山手線は、深夜に走っていても、夜汽車とは言い難い。
私が見た番組は、タイトルは別にして、内容は良かったと思う。ベテランの俳優さんが、一人で旅をしながら、色々な人達と出会っていく。それは、とても良い。タイトルを、「夜汽車」を入れずに、普通に「列車」の旅にして置けばよかったんじゃないか。鉄の人は、ブルートレインや夜行列車が出るのではないかとわくわくしながら見て、がっかりしたかもしれない。
夜汽車とは、趣のある、素敵な、哀愁のこもった言葉だと思う。
だからこそ、厳選して使って欲しいと思う。