巷の噂では、今年の流行語大賞は、「やられたらやり返す。倍返しだ。」ではないかという。
TVドラマ、「半沢直樹」の決め台詞である。
私は、第1回が始まる前から、楽しみにしていた。それは、堺雅人という類まれなる個性と才能を持つ、俳優が演じるという期待からである。果たして、期待通りであった。いや、期待以上であったと言っていい。
堺雅人という人のすごさにひたすら脱帽である。原作や脚本も良い。次はどうなるのだろうかと、視聴者を釘付けにする。私としては、今年のドラマの中でトップクラスであると思う。
しかし、世間の評判は意外であった。視聴率が高いのも意外であった。
このような社会派ドラマとも取れるものを、これほど多くの人が見ているとは・・・。
恋愛もないし、不倫もないし、グルメもないし、風光明媚な観光地も出てこない。ひたすら、貸した金を取り返すための努力の描写である。
以前、「官僚達の夏」というドラマがあった。典型的な社会派ドラマである。このドラマにも、堺雅人は出演していた。今回のような主役ではないが、この頃からとてもいい味を出していた。完成度からすると、このドラマの方が上だったかもしれない。でも、視聴者は「半沢直樹」の方が好きなのか。
色々なところで、人気の理由を分析している。また、街頭での調査では、半沢の言動に「気分がすっきりする」とか「自分の代わりに言ってくれている」という様な回答が多い。
ちょっと、待て。みな、そんなところに注目しているのか?このドラマは、そんなところが見所ではないはずだ。半沢直樹が命がけで貸し倒れを回収しようと努力する、銀行員としての熱意、そして時折見せる人間的な優しさ、そこに感動するんじゃないか。
私は、このドラマを見ても別に気分はすっきりしたりしない。むしろ、こんなやつ結構いるよなと、ストレスがたまる事さえある。でも、難問を上手く処理して、妻を大事にしつつ、改心した相手には思いやりをかけ、反省しないやつは徹底的に叩く。この、スーパーサラリーマンにエールを送りたくなる。自分も、もっともっと、努力しなければと毎回反省する。それが、良いのではないかと思う。
私は思う。
決め台詞なんてどうでもいい。