ご存知の人も多いとは思いますが、私はアメリカ在住です。もう、かれこれ29年になります。でも、国籍は日本です。永住権(グリーンカード)保持としてアメリカにいます。どうして国籍を変えないのか。1番大きな理由は、自分が日本人であることに誇りがあること。また、アメリカにいるのは、日本でレールから外れたキャリア構築をしてしまったため、働く目的という割り切った理由ということです。いずれは日本に帰る。そう思ってきました。
私がアメリカにいる間、日本もかなり様変わりしました。私が日本にいた時はバブルに翳りが出始めそうだった時。なので、バブルが弾けた日本を知りません。そんな中、NHKのクールジャパンとかアメリカで観る機会があり、日本ってなんてすごいんだと番組では締めくくってますよね。私は日本はすごい国、みんなが憧れる国だという先入観が知らず知らずにこういうメディアから植え付けられました。だから、海外から日本に人が押し寄せ、特に中国人の爆買いとかもそのせいだろうなと思ってたんです。でも、最近それは違うのではないかと思うようになりました。
まず、自分が日本に旅行で行ったとき思ったのは、アメリカに比べて物価が安い。それも驚くほど。特に食べ物。日本の給料が安いのは有名ですが、この安さだったら、低給料で生活できるのも納得です。この自分の感覚を踏まえると、海外から日本に行くのは、もしかしたら私が感じたことを他の外国人も感じているのでは…中国人が爆買いするのも、旅費をかけても元が取れ、安く買えるから、そのために日本に行っているのでは…という思いが私の頭によぎりました。それを前提に考えると、日本人も海外に出ないので、海外の現状に疎く、自国のことを勘違いしているのではと思うようになりました。それこそ、海外から来る人は、日本のことがすごいというのではなく、ましてやおもてなしに感動ということもなく(私個人としてはおもてなしは良かれと思ってやっているとは思いますが、うざいと思うことが多い)、物価が安いからというただその理由で行くのでは…そう思うことが自分の会社でも感じました。日本からお土産を持っていっても、ほとんど感動はないです。ただ、台湾人を除いては…親日国ということもあり、日本からのお土産は本当に嬉しそうでした。それだけは例外。あとは、冷めた目でした。
なので、日本という国は日本人が思っているほど自国はすごくない。おもてなしというオブラートを取り外し、それを現実として受け止めた上で今後の対策を考えた方がいいと思います。
いずれ日本に帰る。昔は母国に帰るという思いが強かったのですが、今は違います。誤解のないように言いますが、日本人である誇りはありますよ。それは外せませんが、今の理由は、日本の物価が安く、社会保障もしっかりしてる。なので、アメリカで稼いで、日本で余裕をもって暮らす。それが1番の理由です。私からすると日本はコスパがいいんですよ。でも、日本は私にとって老後生活の1つの選択肢にすぎません。もし、同じ条件で、もっと快適に暮らせる国があるようでしたら、日本というこだわりはありません。
私がこのように考えるということは、他の人、特に日本人以外の人で私と同じ生活水準でしたら、同じことを考えているかもしれません。そのうち日本での外国人の定住者が今以上に増えるかも…