全国数ヶ所にある 《舌癒着症》 というワードを使用し 「自費診療  (自由診療) 」 で手術を行っている病院では、《舌癒着症》 という名のもと、乳幼児の 「舌」 だけではなく 「顔の筋肉  (表情筋) 」 までをも 《ワンセット》 で切っています。

おそらく今現在も10年前と同じ状況が続いているはずです。この手術の問題点について、事前に知っておくべきことを3つに分けてまとめました。



 <問題点①:説明義務違反>


✅ この耳鼻咽喉科グループは 「舌」 の手術と一緒に 「上唇小帯」 の手術も必要だと診察を受けに来た方々に思い込ませたうえで2種類の手術を 《ワンセット》 で行っていますが、私が最も問題視するべきだと思っている点は、その 「上唇小帯」 の手術が、実際のところは 「顔の筋肉  (表情筋) 」 を切るものであるという事実です。

その事実を医師も看護師も親御さんに伝えることはありません。



✅ 鼻にかかわる複数の筋肉ですので、当然切ってしまった場合と切らずにいる場合とでは、成長とともにお子さんがどのような顔立ちになっていくのかは二手に分かれることになります。

乳幼児の時点でレーザーメスで鼻に関わる筋肉を焼き切ってしまえば、本来の顔立ちとは違う顔に成長していくだろうということについては、「向井診療所」 で 「舌」 の手術をお子さんに受けさせたいと考えていた方  (私の当時の担当矯正歯科医)  とも話し合いました。

結局その方は、「 「舌」 の手術だけを受けさせたい」 との要望を 「向井診療所」 に出向いて直接伝えてみましたが、《乳幼児の場合はどちらの手術も受けることが前提だから、それだったら、なかったことにしてください。》 と言われ、「 「舌」 の手術だけでは受けさせない」 というその病院の不可解な方針に疑問を持ったことで、お子さんに手術を受けさせようという気持ちもご自分も手術を試してみようという気持ちもなくなったようです。










 <問題点②:「症状」 や 「特徴」 とされるものの一覧表>


✅ もう1点、非常に問題があると思っているのは、検索をするとすぐに出てくるはずですが、《舌癒着症》 と一部の界隈が呼んでいるものの 「症状」 や 「特徴」 の一覧表です。

全てが当てはまらなくとも当てはまる項目が多いと、信憑性があるように感じてしまうかと思います。
たとえば、「夜泣き」 「赤ちゃんが寝ない」 「おっぱいが飲めない」 「乳腺炎」 など様々な状況に悩まれている方があの一覧表を見て当てはまっていると感じてしまうことは、少しもおかしいことではないと思っています。

実際、私も 「問診票」 で当てはまる項目が多くあり、悩んでいる症状について説明したところ耳鼻咽喉科医から手術が必要な状態だと言われ、「体調が改善する可能性が少しでもあるなら試してみたい」 「可能性に賭けてみたい」 と思ってしまいました。

あの一覧表は、様々な症状や状況に悩まれている方々の心をつかむ目的で作成されたものと考えています。


✅ 参考のために、こちらは私の訴訟相手であった耳鼻咽喉科医が 「説明会」 で示しているスライドの一部になります。診察を受けに来た方が深刻に悩まれていれば悩まれているほど、当てはまっているのではないか……と感じるように意図的に作られています。

ちなみに私が手渡された成人用の 「問診票」 の内容は以下のようなものでした。1~30の問いのうち、「睡眠時無呼吸はありますか?」 にクエスチョンマークをつけたのを含めて18個に○をつけていました。

この 「問診票」 からも、成人の場合、頭痛などの痛みや疲労感、睡眠に問題を抱えている方々がターゲットとされているとわかります。



私の場合、手術を受けてしまってから10年半程が経過していますが、改善した 「症状」 はこれまでにひとつもありません。

結局、当時特に悩んでいた 「睡眠時無呼吸症候群のような原因不明の症状」 も、私が服用していた睡眠導入剤のせいだとずっとあとになってからわかりました。






加えて、体調が悪く不定愁訴に悩まされているために受けることになったこの手術のせいで鼻に変形が起きるという予想もしなかったことが起き、逆に裁判を起こさざるを得ない状況に追い込まれた心労で老けこみ体調もさらに悪化しましたし、手術によってプラスになったことは何ひとつありませんでした。


✅ お子さんが手術を受けられた場合、「顔の筋肉  (表情筋) 」 を切られたとしても、特にまだ小さな赤ちゃんの場合は鼻の変形に親御さんが気づくこと自体が非常に難しいと思います。「上唇小帯」 を切っただけだと今も信じたままでおられる方がおそらく大半なのではないでしょうか……

親御さんが気づけないことを見越して、赤ちゃんの 「顔の筋肉 (表情筋) 」 を切ると説明せずに 「上唇小帯」 の手術だと思い込ませ、「舌」 とセットで切っているのならば、これほど独善的で悪質な行いはありません。

 <問題点③:根拠のない 「診断基準」>


✅ また、「診断基準」 にも問題があります。たとえば、「日本舌癒着症学会」 という内輪のグループが発行している会報誌がありますが、そこでは 《ヒトは程度の差はあれ全員ADEL  (※ 注 :《舌癒着症》 )  の状態である》 との荒唐無稽な主張があります。

医療従事者対象の講演会で、「向井診療所」 の耳鼻咽喉科医  向井将氏が 《哺乳類は皆 《舌癒着症》 》 といった発言をしていることも裁判中に調査をした過程で把握しています。

このような発言がどれだけ異様か、その異様さを解説してくださる専門家の方が現れることを願っています。


✅ こういった発言が意味するのは、このグループに所属している病院を受診し 《舌癒着症》 の診察を受けてしまうと、ほぼ全員が確実に 《重度》  《中等度》 などと自動的に診断を下されてしまうということです。

つまり 「手術ありき」、しかも 「舌」 と 「顔の筋肉  (表情筋) 」 を切る2つの手術がセットであることが前提です。このグループ内では、本当の意味での 「診断基準」 というものは存在しません。

誰でも 《重度》 などと言われれば不安になりますし、《これは苦しいでしょう》 《手術した方がいい》 《苦しいのが取れる》 などと 「医師」 に言われれば、お子さんの健康状態を良くする答えを見つけたという気持ちにもなり、悩んでいればいるほど、その言葉を信じてしまうのはむしろ自然です。




 <《舌癒着症》 という用語が使われ始めた経緯>


 

✅ ここで、《舌癒着症》 と一部の界隈が呼んでいるものが、「舌小帯短縮症」 とは全くの別物であることを再確認しておきたいと思います。

1988年までは、「向井診療所」 の向井医師は 「舌小帯短縮症」 という用語を使って手術を行っていましたが、桶谷式の助産師が 「向井診療所」 に多くの乳幼児を送り込んでいることに対してある小児科医の先生が 「日本小児耳鼻咽喉科学会」 学会誌で苦言を呈されたところ、1989年になってから突如 《舌癒着症》 という用語を使い始め、それ以降、自身の独自の手術法の正当化に固執しエスカレートしていきました。

1994年からは 「乳幼児突然死症候群」 との関連づけ  (無根拠)  もスタートし、これを受けて2001年に 「日本小児科学会」 は注意喚起の報告書を声明として出しています。しかし、その声明の後も継続してこの 《舌癒着症》 グループの動向を監視していく姿勢が足りなかったために、さらなるエスカレートを許してしまったと私は解釈しています。

2004年になると、「舌」 の手術と 《ワンセット》 で以前から密かに行ってきた 「顔の筋肉  (表情筋) 」 を切る手術の術式を初めて内輪の会報誌で明かし、《健康で長生きするには口と鼻孔が大きくて顎が張っていることである》 などと主張し始めました。

2009年には 「睡眠時無呼吸症候群」 との関連づけも内輪のグループ内でスタートさせます。もちろんいずれも根拠はありません。


✅ これらの言いっぱなしの主張を放置せず、きちんとひとつひとつ否定し、この 《舌癒着症》 グループが 「賛否両論」 といった土俵にさえ立てていないことを一般の方にもわかるように説明し、立証してくださる専門家の先生方の存在が必要だと強く思います。 




✅  《先天的な癒着》 《遺伝的なもの》 《呼吸が苦しくてかわいそう》 《乳幼児突然死症候群》 などの言葉で不安を煽り、「手術ありき」 で診察に訪れた人を 《重度》  《中等度》 と自動的に診断し、「舌」 と一緒に 「顔の筋肉  (表情筋) 」 までをもセットで切ってしまう病院が全て淘汰されていくように、被害を受けてしまう方々がいなくなるようにと願ってやみません。







  (※ 追記:2024年8月16日)





#情報のリレー
#舌癒着症と一部の界隈で呼ばれる架空の疾患
#ベビーも成人も鼻中隔下制筋を切ります  (本人尋問)

#向井診療所  (神奈川県大和市)  ※院長 向井將氏  (耳鼻咽喉科)   (→2023年3月閉院)
#山西クリニック  (東京都新宿区)  ※院長 山西敏朗氏  (耳鼻咽喉科)
#丸山歯科医院  (北海道札幌市)  ※院長 丸山弘明氏
#エンゼルクリニック  (北海道札幌市)  ※院長 坂本善哉氏  (形成外科)  (→2017年4月閉院)
#奥山医院  (大阪府門真市→大阪府大阪市)  ※院長 奥山輝実氏  (脳神経外科・心療内科)  (→2022年12月閉院)
#おかざきまりこクリニック  (岐阜県多治見市)  ※院長 岡崎麻理子氏  (泌尿器科・小児科・皮膚科)
#原口クリニック  (長崎県諫早市)  ※院長 原口茂徳氏  (耳鼻咽喉科・消化器内科)

#しらさぎふれあい助産院  (東京都中野区)  ※院長 木村恵子氏
#母乳マッサージ&ヤナギサワ自然育児相談所ビバマンマ  (東京都江東区)  ※院長 柳澤薫氏
#小山自然育児相談所  (栃木県小山市)  ※院長 伊東厚子氏




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