「売上は出ているんです。
でも、なぜか手応えが残らないんですよね」
D2Cや通販、サービスビジネスに関わる方から、
この言葉を聞く機会は少なくありません。
広告は回っている。
商品への不満も、目立って多いわけではない。
初回の満足度も、決して低くない。
それなのに──
次につながらない。
クチコミが自然に生まれない。
「ファンが増えている」という実感が持てない。
多くの場合、ここで議論されるのは
・施策が弱いのではないか
・CRMの設計が甘いのではないか
・LTVを伸ばす導線が足りないのではないか
といった「打ち手」の話です。
けれど、現場を見続ける中で、
私はまったく別のところに原因があると感じるようになりました。
それは、
購入後・接触後に生まれる感情の“行き場”が、設計されていない
という事実です。
多くのビジネスでは、
売る
追う
次を案内する
この“行動の流れ”は、驚くほど細かく設計されています。
一方で、
お客さまが、そこで何を感じ
どこで安心し
何に納得し
どの瞬間に「応援したい」と思うのか
この感情の流れは、ほとんど言語化されていません。
商品は届いた。
一度は使った。
「悪くない」とは思った。
でも、そのあと、何も起きない。
この「何も起きない時間」に、
お客さまの感情は宙に浮いたままになります。
惚れ通DXが扱っているのは、
売るためのテクニックではありません。
「好きになる」「応援したくなる」までの構造を、
あとから説明できるようにする視点です。
RFMやLTV、CRMが不要だと言っているわけではありません。
むしろ、重要です。
ただし、それらは
感情が着地した“あと”に効いてくる設計です。
感情がどこにも着地していない状態で
施策を足しても、
一時的に数字が動くだけで、
事業の手応えは残りません。
惚れ通DXは、
「何をやるか」を増やすための考え方ではなく、
「余計なことを、どこからやめるか」を見つけるための設計思想です。
だから、最初にやることは
新しい施策を考えることではありません。
・どこで感情が途切れているのか
・その瞬間に、こちらは何をしていないのか
・逆に、やってしまっていることは何か
それを一つひとつ、静かに整理していきます。
不思議なことに、
ここが見え始めると、
「次に何を売るか」よりも前に、
「今、これ以上やらなくていいこと」が
自然と浮かび上がってきます。
売り続けることと、
応援され続けることは、
似ているようで、構造がまったく違います。
惚れ通DXは、
その違いを“感覚論”ではなく、
あとから誰にでも説明できる形にするための考え方です。
もしあなたが今、
「売れているのに、なぜか残らない」
そんな違和感を抱えているなら。
それは、能力や努力の問題ではなく、
感情を扱わないまま進むことが当たり前になっている
ビジネス構造そのものの問題かもしれません。
立ち止まるために、
派手な決断は要りません。
まずは一度、
自分の事業の中にある
“感情の空白”に、目を向けてみてください。
そこから先は、
驚くほど静かに、
でも確実に、設計が変わり始めます。
多くのD2Cや通販、共創型サービスの現場では、
商品は悪くない・価格も適正・初回の満足度もそこそこ高い
にもかかわらず、次につながらないという現象が起きています。

この違和感の正体を解き明かす鍵が、感情設計です。
まず、現場でよく見られる状況から整理します。
購入前は広告や説明によって期待が高まり、
購入直後には「よかったかも」という軽い肯定感が生まれます。
しかし、商品が届き、使い終わった後、顧客の感情はどうなっているでしょうか。
多くの場合、そこには明確な感情の着地点が用意されていません。
企業側は満足しているはず・次はリピートしてくれるだろう
と考えますが、顧客側の感情は宙ぶらりんのままです。
この状態で何が起きるかというと、悪くないけど、忘れられるという問題です。
不満があるわけでも、強い感動があるわけでもない。
だから問い合わせも来ず、クチコミも広がらず、次の接点も生まれません。
つまり、感情が未完了のまま放置されるのです。
これは商品力の問題ではなく、
購入後から次の行動までの感情の導線が設計されていないことが原因です。
この問題を放置すると、どんな影響があるでしょうか。
広告費はかけ続けなければならず、LTVは伸びず、
CRM施策も効いている実感が持てません。
さらに深刻なのは、顧客がこの会社は何も言ってこない・
自分の存在が認識されていないと無意識に感じてしまう点です。
これは信頼の欠如ではなく、関係性の未設計によって生まれる静かな離脱です。
では、どうすればよいのでしょうか。
答えはシンプルで、購入後の体験を「情報設計」ではなく
「感情設計」として捉え直すことです。
感情設計とは、
・購入直後に「ここにいていい」という安心を与え
・使用中に「自分は正しい選択をした」と自己肯定を促し
・使用後に「この体験を誰かに伝えたい」という意味づけを行う
この一連の感情の流れを、意図的に設計することです。
重要なのは、売り込まないことです。
感謝、共感、理解、余白。この順番で感情を整えていくことで、
顧客は自ら次の行動を選びます。
また使いたい・続けてもいいかも・人に話してもいい。
この自然な内発的動機こそが、ファン化とLTV向上の起点になります。
感情設計ができているブランドは、顧客の行動を急がせません。
代わりに、「関係が続いてもいい理由」を、静かに手渡します。
その積み重ねが、売上の前に信頼を、施策の前に関係性を育てていくのです。
RFM分析は、通販やD2Cにおける数値管理の王道です。
「いつ買ったか」「何回買ったか」「いくら使ったか」という事実を基に、
顧客を合理的に分類し、売上を最大化するための判断を行ってきました。

これは今後も重要であり、決して捨てるべきものではありません。
しかし惚れ通DXの視点に立つと、RFMはあくまで結果の記録であり、
顧客の気持ちがどこで動き、どこで止まり、どこで冷めたのかまでは見えてきません。
惚れ通DXとは、購入や参加の後に生まれる感情と関係を設計し、
それを次の行動につなげていく仕組み化の考え方です。
そのため、顧客を単にRFMスコアで見るのではなく、
今この人は、関係性としてどの段階にいるのかという
惚れ通ステージで見直す必要があります。
惚れ通ステージは、
観測・着地・共感・関与・循環という段階で構成されます。
最初の「観測」段階では、顧客はまだ様子見の状態です。
この段階でやってはいけないのは、売り込みや行動の強要です。
割引や定期案内を急ぐほど、顧客の警戒心は高まります。
ここでは「安全そうだ」と感じてもらうことが最優先になります。
次の「着地」段階では、不安がひとまず解消されています。
しかし、まだ自分ごとにはなっていません。
この段階でアップセルや成功事例の押し付けを行うと、
顧客は比較や評価の土俵に立たされ、距離を取り始めます。
静かに安心を深めることが重要です。
共感段階に入ると、人としてのつながりが芽生えます。
ここで最も避けるべきなのは、テンプレート対応です。
自動返信や一律施策は、特別ではなかったという失望を生みます。
惚れ通DXでは、この段階こそ個別性が問われます。
関与段階では、顧客は当事者意識を持ち始めます。
このとき管理や統制を強めると、せっかく芽生えた主体性が折れてしまいます。
数値評価や命令型コミュニケーションは、関係を急速に冷やします。
信頼を前提に任せる姿勢が必要です。
最後の「循環」段階は、応援者・語り手のフェーズです。
ここで注意すべきは、特別扱いのしすぎや負荷の集中です。
感謝を言語化せず、当然の存在として扱ってしまうと、
最も静かで深刻な離脱が起こります。
循環は、敬意と余白があってこそ続きます。
惚れ通DXの本質は、正しい施策を選ぶことではありません。
正しいタイミングで、正しい温度感で、正しい距離を保つことにあります。
RFMに惚れ通ステージを重ねた瞬間、CRMは管理ではなく設計に変わります。
これが、惚れ通DXを仕組みとして機能させる第一歩です。
やってはいけない施策としては、
即オファー・即販売
登録直後の割引
いきなり定期・VIP案内
一方的な情報爆撃
長文メルマガ連投
機能・実績・権威の押しつけ
参加前提の呼びかけ
コメントしてください
行動しましょう
などは、ステージ0|観測(Observer)では禁止となります!
ビジネスにとって最も利益につながる行動は、
顧客の生涯価値(LTV)を把握し、
倫理的に許される範囲で関係の設計に活用することです。
ただし惚れ通DXでは、ここで一歩深く捉えます。
LTVとは、単に「買ってくれる金額」ではなく、
購入後の感情が着地し、信頼が積み上がり、
紹介・継続・応援が起きる関係資産の総量です。
なぜ、惚れ通DXでLTVが最重要なのか?
D2C・通販の現場では、こうなりがちです。
・商品は届く
・一度は使う
・「悪くない」と思う
しかしその後、何も起きない(=感情が宙に浮く)
この 感情の空白 があると、顧客は静かに離れます。
だから惚れ通DXでは、LTVを 売上ではなく
購入後に起きる関係の連鎖として設計します。
もしLTVを「惚れ通価値」まで含めて測れたら?
特定の既存客、または見込み客の顧客生涯価値は、どのくらいでしょうか?
惚れ通DXにおける顧客生涯価値(LTV)は、
平均的な顧客があなたと取引する期間全体
契約終了後も残る、紹介・再指名・二次購入・法人波及などを含む
で生み出す 利益の総額 から、
・広告・マーケティング
・フルフィルメント
・CS/CRM運用
・返品・対応コスト
そして「感情の空白」が生む機会損失
を差し引いたものです。
例えば、数字は同じでも、惚れ通DXは構造が違います
仮に、一般的な新規顧客が初回取引で平均7,500円の利益をもたらすとします。
1年間に3回リピート購入があり、平均購入額が3万円、粗利益が1万5,000円。
平均的な取引期間が2年なら、
初回取引からの利益=7,500円
初年度リピート(年3回)=45,000円
次年度リピート(年3回)=45,000円
顧客生涯価値=97,500円
ここで惚れ通DXのポイントは、
この年3回という数字が 偶然の結果ではなく、
購入後の感情設計の成果として再現できる状態 にすることです。
次は分解して試算し、惚れ通のボトルネックを特定します
惚れ通DXでは、顧客をひとまとめにしません。
まず、次の 4タイプ別にLTVを控えめに試算 してください。
初回購入者(初回利益+初回後30日で何が起きたか)
特定タイプの商品購入者(カテゴリ別の惚れやすさ)
2回目以降の購入者(関係が育つゾーン)
あなたの業界特有の購入者(紹介が起きる構造を持つ層)
そして惚れ通DXの“核”として、ここを把握します。
本人が何を買うか
どんなタイミングで不安になるか(感情の空白ポイント)
誰を紹介するか(家族・同僚・コミュニティ・部署)
どのチャネルで応援するか(UGC/口コミ/紹介コード/レビュー)
この知識を完全に自分のものにし、控えめに計算します。
控えめに見積もって成立するモデルは、強いですよ。
この7日間の目的は売らないことです。

なぜならこの期間は、顧客がまだ、正しかったかどうか
自分は間違っていないか
判断力は鈍っていないか
を、無意識に確認している時間だからです。
Day0|到着直後
感情テーマ
安心です。
役割は、
何もしない不安を止める
言うことは、
ご購入ありがとうございます
ここから売り込みはありません
今は使いこなせなくて大丈夫です
推奨テンプレは、
ご購入ありがとうございます。
まずお伝えしたいのは、
今すぐ何かをしなくて大丈夫ですということです。
この商品は、わかってから使うものではありません。
絶対NG
効果が出ます
使い方はこちら
今すぐ○○してください
不安な人に説明を与えると、不安は増えます
Day1|1日後
感情テーマは、
共感です。
役割は
あなたのこと、わかっていますよ
言うことは、
選ぶとき、迷いましたよね
それは自然なことです
推奨テンプレは、
この商品を選ぶとき、本当に自分に合うかなと
少し立ち止まったかもしれません。
その迷いがあったこと自体、とても健全だと思っています。
ポイントは
・解決しない
・結論を出さない
・評価しない
Day3|3日後
感情テーマは
自己肯定です。
役割は、
選んだ自分を肯定できる位置まで連れていく
言うことは、
失いたくなかったものを言語化する
判断の背景を代弁する
推奨テンプレは、
この商品を選ばれたあなたは、
○○を失いたくなかった人だと思っています。
その感覚は、流されずに選ぶ力がある証拠です。
※○○=
「時間」
「自尊心」
「無駄な後悔」など
ここが惚れ通の核心です。
顧客が、自分の選択を自分で肯定できる瞬間です。
Day5|5日後
感情テーマは
余白です。
役割は、
続けても、やめてもいい場所をつくる
言うことは、
合わなければ、ここで止めていい
選び直していい
推奨テンプレは、
もし今、
なんとなく違うかもと感じていたら、
それも正しい感覚です。
無理に続けなくて大丈夫です。
なぜ効くのか
縛られていないと感じた瞬間、
人は戻れる場所だと認識します。
Day7|7日後
感情テーマは、
静かな関係性です。
役割は、
あえて、何もしない
やることは、
配信しない
売らない
判断を委ねる
この沈黙が、ここは信用できるという
記憶になります。
この1行が決まると、何が変わるのか
ここから先は、もう何を売るかで迷いません。
初回フォローメッセージ
7日間の言葉
クチコミの起点
CRMのトーン
すべてが、
この1行に沿って整列します。
だから惚れ通DXは、
施策を増やす話ではないのです。

