通販プロデューサー

通販プロデューサー

売れない商品を売れるヒット商品に変身させる
通信販売に魔法をかける専門家

モールの出店料は、月いくらお支払いでしょうか。
その金額を、年額で書き出したことはありますか。

 



■2027年2月から、約4割の値上げです

2026年9月18日、楽天グループが「楽天市場」の

月額基本出店料を改定すると報じられました。

改定日は2027年2月1日です。

がんばれ!プランは2万5,000円が3万4,000円に。

スタンダードプランは6万5,000円が9万円に。

メガショッププランは13万円が18万1,000円になります。

上げ幅は36%から39%、おおよそ4割です。

出典:ITmedia NEWS「「楽天市場」出店料4割値上げ」(2026年9月18日)

■月額で見るか、年額で見るか

ここを年額に直してみます。
がんばれ!プランは月9,000円の増加ですから、単純計算で年10万8,000円。

スタンダードプランは月2万5,000円の増加ですから、年30万円です。
月額の欄を見ているうちは、この年額は目に入りません。

なお、経過措置もあります。2027年1月31日以前にアカウントを開設した店舗は、

2月1日から5月31日まで差額の70%が割り引かれます。

6月からは満額です。つまり、猶予は4カ月ということになります。

出典:日本ネット経済新聞(2026年9月)

■モールを責める話ではありません

むしろ、同じ時期に出た楽天市場の戦略説明のほうに、私は目を留めました。

楽天カードと楽天モバイルを併用しているお客様の月間購入金額は、

非利用者の1.5〜2.5倍とされています。

さらに定期購入は、流通額が約3.8倍、

新規購入者数が約8.9倍に伸びています(2025年3月と2026年6月の比較)。

出典:ネットショップ担当者フォーラム

「「楽天市場」の2026年下半期戦略の全ぼう」(2026年9月17日)

国内流通総額6.3兆円の会社が、いま何に投資しているか。
単発の売上ではありません。関係が続くことに投資しているのです。

■家賃は上がる。名簿は、自社に置く

ここからは、私の読み方です。
出店料は、売り場の家賃です。家賃は、これからも上がります。

家賃が上がっても困らない会社は、名簿を自社に持っている会社です。
小さな会社が明日からできることを、3つに絞ります。

1つ目は、家賃を年額で書き出すこと。

月額ではなく年額で、増える分を隣に書きます。

2つ目は、同梱物に一言を入れること。

「次は、こちらからどうぞ」という自社の入口を、箱の中に置きます。

3つ目は、二度目の理由を1つ決めること。

割引ではなく、続く理由です。使い方でも、相談窓口でも構いません。

100日ファン化計画でいえば、箱を開けた日が1日目です。

家賃の上がる売り場で集める直線から、

名簿の上で関係が育つ同心円へ。

1人の熱中が、100人の推し活を生む。

今日は、いま払っている出店料を年額で書き出すところから始めてみてください。

今日は、商品ページの「盛らない勇気」の話をいたします。

 



■きれいな動画ほど、売れるのでしょうか

商品ページの動画を、どなたが撮っているでしょうか。
外注したきれいな動画を載せている会社は多いと思います。

ところが先日、その逆で伸びた会社の記事が業界紙に載りました。
「京セラ、キッチン用品のECサイトが売上2倍 商品のファクトを誠実に」

出典:日本ネット経済新聞(2026年9月21日)

■載せたのは、スタッフの手元でした

伸びたのは、京セラのキッチン用品の公式通販です。

売上高は非公表で、前年比2倍とのことです。

記事によると、商品ページには作り込んだ宣伝動画ではなく、

自社スタッフの手元で撮った使用シーンの動画を載せています。

さらに、社内の厳しい審査を通った情報だけを載せ、過度な演出はしないそうです。

■AIで作れる時代だからこそ

今月、全国400名への調査が公開されました。
AIが作ったとわかったら利用をやめると思うものの1位は

「通販サイトのレビュー」で70.7%、「写真」も51.5%でした。

出典:EnglishHub(GRAS Group株式会社)

「AIが作ったコンテンツへの受け止め方に関する調査」

お客様は、作られたものより、本当に使った手元を見ています。

■明日からできる、3つのこと

1つ目は、スマホで自分の手元を30秒撮ることです。照明も音楽も要りません。
2つ目は、「誰でも簡単」のような、根拠を示せない言葉を1つ消すことです。
3つ目は、洗い方やしまい方など、買ったあとの手入れを見せることです。

京セラにも、熟練工が1本ずつ手で研ぎ直すサービスがあります。
期待を上げすぎない商品ページは、届いた日のがっかりを防ぎます。

正直な1日目が、100日目の信頼をつくります。

1人の熱中が、100人の推し活を生む。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日は、会員登録をお願いする「順番」の話をいたします。



■名前を入れる画面で、手が止まる

新しいお客様に、最初に何をお願いしているでしょうか。
多くの会社は「まず会員登録を」とお願いします。

名前、メールアドレス、パスワード。
そこで手が止まり、「今日はやめておこう」と閉じる方がいます。

米国のBaymard Instituteの集計では、カゴ落ちの理由として

「アカウント作成を求められた」が18%ありました。

出典:Baymard Institute「Cart Abandonment Rate Statistics」

■2,070万人の会社が、順番を入れ替えました

2026年9月9日、スターバックス コーヒー ジャパンが

公式アプリに「アプリ仮会員」を加えました。

「My Starbucks会員登録をしなくてもスターバックス® リワードに参加できる新しい機能です。」
名前を入れる前に、ポイントがたまり、モバイルオーダーも使えます。

会員数は「2,070万人に達しました。

※2026年8月末時点」と書かれています。

それでも入口の手前には、

「まずは試してみたい」という声が残っていたそうです。

出典:スターバックス コーヒー ジャパン プレスリリース(2026年9月16日)

■名前は、得をする瞬間にいただく

では、名前はいつお願いするのか。
同社の場合は、ためたStarを特典に交換するときや、残高を引き継ぐときです。

仮会員の情報は、使っている端末に紐づきます。


ここからは私の読み方ですが、だからこそ、

機種を変える前にお客様のほうから名乗ってくださるのだと思います。

登録が、会社からのお願いではなく、

お客様の「残りたい」の合図に変わっています。

■明日からできる、3つのこと

1つ目は、登録なしで使える体験を1つ決めることです。
化粧品なら肌の相談、食品なら次回の献立表で構いません。

2つ目は、登録なしでも、たまるものをお渡しすることです。
紙のスタンプカードで十分です。

3つ目は、名前をいただく場面を1つに絞ることです。
「前回と同じものを、すぐに頼める」。

 

この便利さのために、お客様は名乗ってくださいます。

集めてから役に立つのではなく、役に立ってから名前をいただく。
順番を1つ入れ替えるだけで、入口に立つ方の数が変わります。

1人の熱中が、100人の推し活を生む。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日は、お客様同士を会わせる話をいたします。


 

■単品通販は、静かな買い物です

サプリメントでも、化粧品でも、食品でも同じです。
お客様は一人で買って、一人で続けて、一人でやめていきます。

隣で同じ商品を使っている方の顔が、見えないからです。
続ける理由が、ご自分の体感と、月に数通届くメールしかありません。

ここが、単品リピート通販のいちばん弱いところだと考えています。

■キユーピーの通販会社が、場を開きました

2026年9月14日、株式会社トウ・キユーピーが公式の

ファンコミュニティサイトを公開しました。

名前は「キユーピーウエルネス ファンコミュニティ」です。

キユーピー株式会社が開発したサプリメントやスキンケアを扱う、

公式の通販ショップが運営しています。

掲げられた言葉は、商品名ではありませんでした。
「私をいたわる、ていねいな時間。」
リリースには、こう書かれています。

「愛用者同士が日々の習慣や商品体験を分かち合える場」
主語が「当社が伝える」ではなく、「愛用者同士が分かち合う」になっています。
売り手が真ん中から、少し横にずれたのです。


出典:コミューン株式会社 プレスリリース(PR TIMES・2026年9月14日)

■12年で14万人という、積立のような数字

同じキユーピーグループには、もっと古い場所もあります。
マヨネーズのファンクラブです。

「リニューアル前の会員数は、14万人を超えていました(2025年7月時点)」
「キユーピー マヨネーズ ファンクラブは今年で開設12年目を迎え」

出典:キユーピー株式会社 ニュースリリース(2025年8月1日)

12年で14万人。
年に直せば、およそ1万人ずつです。

派手ではありません。
けれども、広告を止めても消えない1万人です。

コミュニティは短距離走ではなく、積立だと思っていただくと近いです。

■明日からできる、3つのこと

1つ目は、お客様がその時間を何と呼んでいるかを書き出すことです。
「肌の手入れの時間」でも「朝のひと手間」でも構いません。

商品名ではなく、状態の名前が看板になります。
2つ目は、会わせる場所を1つだけ決めることです。

SNSのグループで十分です。

ただし「同じ商品を使っている方だけ」という前提は守ってください。
誰でも見られる場所は、誰も自分の話をしない場所になります。

3つ目は、最初の90日、社長が一番の投稿者になることです。
開いたばかりの場所は、必ず静かです。

この静けさに耐えられず、

3カ月で畳んでしまう会社をいくつも見てきました。

■成果は、売上ではなく継続率で見てください

当月の売上で測ると、コミュニティは必ず失敗します。
見るべきは、継続率と、1人あたりの年間購入額です。

同じ仕組みを使う他社では、こんな数字が出ています。
「定期便の継続率95%/通常利用者比でLTV1.8倍」

出典:コミューン株式会社 公式サイト 導入事例(ベースフード「BASE FOOD Labo」)

買ったあとの100日を、お客様を一人で過ごさせない。

そのための器が、顧客コミュニティです。
15人でも、場は成立します。

1人の熱中が、100人の推し活を生む。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

お客様は、何秒で御社の商品を決めているでしょうか。

 


マットレス売り場で、数十秒だけ寝転んで

「気持ちいい」で決めてしまう。多くの方に覚えがあるはずです。

■ 店頭の数十秒ではなく、家での120日

睡眠ブランド「NELL」のマットレスは、2020年10月の発売から、

2025年12月時点で累計22万台を販売しています(日本ネット経済新聞 2026年9月19日)。

この会社は、店頭の数十秒の代わりに、

商品が届いた日から120日間のお試し期間を用意しました。

理由は、「春から夏、秋から冬など、2つのシーズンをカバーできるから」と

公式サイトに書かれています。

出典:NELL公式サイト「120日間フリートライアル」

■ 最初の14日は、返品を受け付けない

私がいちばん唸ったのは、返品・全額返金の条件が

「商品到着から14日以上120日以内」となっていることです。

返せる期間を長く取りながら、早すぎる判断は止めている。

お試し期間を「返せる期間」ではなく、「決めるまでの時間」と

して設計しているのだと、私は読みました。

■ 明日からできる3つのこと

1つ目は、お客様が良さに気づくまでの日数を、理由つきで決めることです。

調味料なら、献立が一巡するまで、といった具合です。

2つ目は、初日の違和感で手放されないように、

判断を少しだけ待っていただく日数を置くことです。

3つ目は、お試し期間の途中に連絡を1通だけ置くことです。

お客様を、一人で迷わせないためです。

返せる安心で終わる直線ではなく、慣れるまで伴走する同心円へ。
1人の熱中が、100人の推し活を生む。

今日は、自社商品の良さに気づくまでの日数を、

1つだけ書き出してみてください。