読書雑記 -27ページ目

読書雑記

読書日記。

ほとんど自分のためのものです。

64(ロクヨン) 上 (文春文庫)/文藝春秋

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64(ロクヨン) 下 (文春文庫)/文藝春秋

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☆☆☆☆★

文庫化を心待ちにしていた作品。横山秀夫の文章は重みがある。それでいて読み易く、物語の先へ先へと引っ張って行ってくれる。

警察組織における刑事部と警務部の対立、警察とマスコミの関係といったテーマは、読者も一定の予備知識があって、下手をすると陳腐な話になってしまいそうだが、そうならないのはさすがである。

 もちろんミステリーとしての展開や結末も申し分ない。

と言い切りたいところなのだが、如何せん、評価しつくされ大絶賛されている本というのは、期待値が極限まで跳ね上がった状態で読んでしまうため、おもしろさが想定の範囲内に収まってしまう難しさがある。
そこは、素直に作品に向き合えない読み手としての未熟さであろうか。

池上彰のやさしい経済学―1 しくみがわかる/日本経済新聞出版社

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☆☆☆☆★

経済、経済学とは何かからはじまり、アダム・スミス、マルクス、ケインズ、フリードマン、リカードの経済理論について、現在における具体的な例を交えながら、わかりやすく解説してくれる。

『池上彰のやさしい経済学(2)ニュースがわかる』も併せて読んでみたい。
あなたのサッカー「観戦力」がグンと高まる本/東邦出版

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☆☆☆☆★

普段それほど熱心なサッカーファンではないが、ワールドカップであったり、ガンバ大阪の三冠がかかった天皇杯だったりと、世間の注目を集める試合はテレビで観たりする。

今回、アジアカップが開幕するのにあわせて、本書を読み始めた。

豪快なゴールシーン、華麗なドリブル、早いパス回し、捨身のタックル、キーパーのファインセーブなど、誰でもわかりやすいプレイを見るだけでも十分サッカー観戦は楽しめる。でも、やっぱり、チームの戦術であるとか、監督の采配、ボールのないところでの選手の動きなど、そういったこともわかればもっとサッカー観戦を楽しめるんじゃないかと。

アギーレジャパンがアジアカップのグループステージを1戦、2戦、3戦と勝利を収め、準々決勝へと駒を進めるのと並行して、
 第1章 スタイルを見極める7の視点
 第2章 監督を見極める11の視点
 第3章 センターバックを見極める13の視点
 第4章 サイドバックを見極める9の視点
 第5章 ボランチを見極める9の視点
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と本書を読み進め、よし、これで日本が決勝へ行く頃には観戦力もかなり高まっているだろう、と思いきや、準々決勝でUAEに敢えなく敗退。目先の動機がなくなってしまったけれど、おもしろいので最後まで読めた。

ザックジャパン、欧州リーグ、Jリーグ等、実際の選手や試合での例を挙げて説明しているので、わかりやすいし興味が持てる。ただ、読んでいる時はなるほどと思うものの、実戦の早い動きの中で本書に書いてあることが感じ取れるようになるには、もっと真面目に(?)サッカー観戦しないとね。
新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)/文藝春秋

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☆☆☆☆★

 ベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終結した後も、チェチェン紛争、湾岸戦争、旧ユーゴスラビア内戦、アメリカの同時多発テロ、アフガニスタン・イラク両国への米軍の攻撃など、「戦争の世紀」となっている現代をどう読み解くか。

 1832年に刊行されたクラウゼヴィッツの『戦争論』のポイントは「戦争は政治の延長である」というテーゼにあるとのこと。
 佐藤氏いわく「「核兵器がつくられて以来、クラウゼヴィッツは無効になった」「核兵器は人類を滅亡させるところへ行きつくから、もう大国間の戦争はなくなった」というのが、ついこの間までの常識でした。しかし、どうやら人類には、核を封印しながら、適宜、戦争をするという文化が新たに生まれてきているのではないでしょうか。」クラウゼヴィッツのテーゼのとおり、「ベルリンの壁崩壊から四半世紀が経ち、戦争と政治の境界線が再びファジーになってい」るとしている。

 中国・北朝鮮・アメリカ・ロシアと日本との外交、「イスラム国」、欧州の危機等の問題について、池上・佐藤両氏の知識・経験に基づき、わかりやすく解説されている。

 本書により、国際情勢を読み解くには、歴史・民族・宗教についての知識が重要であることも再認識させられる。
紙の月 (ハルキ文庫)/角川春樹事務所

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☆☆☆★★

主人公・梅澤梨花の堕ちていくスピードが恐ろしい。

不満のはけ口や尽きることのない欲望を金でなんとかしようとすると、人は周りが見えなくなってしまうことを改めて実感する。

いま生きる「資本論」/新潮社

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☆☆☆★★

佐藤優氏による新潮講座「一からわかる『資本論』」第1期(2014年1月~3月)の講義が書籍化されたもの。

この講座は、『資本論』(向坂逸郎訳・岩波文庫)のポイントを全6回で読んでいくことを目的としているので、『資本論』を全く読まずに本書に臨んだ私には、当然のことながら理解できない箇所があった。

『資本論』というと過去の遺物のように思う人もいるかもしれないが、「『資本論』をソ連や東ドイツなどの歴史的に存在した社会主義国、現実に存在する中国、北朝鮮、キューバ、ベトナムといった社会主義国の現実と完全に切り離して、「論理の書」として読むこと」、「革命が好きな共産党、新左翼、旧社会党左派の人々のイデオロギー的な『資本論』の読み解きとも一線を画」し、「『資本論』を資本主義社会の内在的論理を解明した書として読むこと」は、資本主義社会に生きる私たちにとって意義のあることだと思う。