警官の血 | 読書雑記

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警官の血〈上〉 (新潮文庫)/新潮社

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警官の血〈下〉 (新潮文庫)/新潮社

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☆☆☆☆★

恥ずかしながら本書を読むまで佐々木譲の名前もこんなおもしろい警察小説があることも知らなかった。

宝島社の「このミステリーがすごい!」(2008年度)の第1位にも輝いた本作は、文庫本の上下巻合わせて900ページを超える大作でありながら、飽きることなく一気に読める。

親子三代にわたる警官の過酷な人生が描かれる同時に、祖父、子、孫が警官として働いた、戦後の混乱期から、60・70年代の左翼運動全盛期を経て、暴力団が跋扈する現代までの時代史・警察史ともいえる作品である。

父親の背中を見ながら同じ警官の道を歩み、祖父が到達できなかった事件の真相解明を子が引き継ぎ、遂には孫の代で明らかになるという形で、三代の警官の物語が一つにつながっている。

知的にも感情的にも心を揺さぶられる作品だ。