データでわかる2030年の日本 | 読書雑記

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データでわかる2030年の日本/洋泉社

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人口の減少、少子化、高齢化、世帯構成の変化、晩婚化、貧困の拡大等々を傾向としては理解していても、具体的な数字は知らないことが多い。これらの基本的なデータを知れば、今の日本が直面している問題がより鮮明になる。ビジネスパーソンにとっては知っておくべきあるいはすぐに参照できるようにしておくべきデータばかりだ。

国勢調査や国立社会保障・人口問題研究所の統計資料等に基づき、日本の過去・現在・未来を表す主要なデータについて、「人口」「高齢化」「結婚・家族・世帯」「教育・所得・福祉・住宅」の4章に分け、グラフも交えて大変わかりやすく説明されている。

本書に載っている統計データのいくつかを紹介してみよう。

(人口)
・2010年の日本の人口は、1億2,806万人。1900年はまだ4,385万人だった。2110年には再び4,286万人まで減少すると予測されている。20世紀に100年かけて3倍に増えた人口が、21世紀の100年をかけてまた3分の1近くに減るということだ。

(高齢化)
・65歳以上の高齢者の割合が総人口の7%以上14%未満の社会を「高齢化社会」、14%以上21%未満を「高齢社会」、21%以上を「超高齢社会」と言うそうだ。1970年には高齢化率7.1%で高齢化社会だった日本は、1995年には14.6%で高齢社会、2010年には23%で超高齢社会と、ものすごい勢いで高齢化が進んでいる。これが、2030年には31.6%、2060年には39.9%と予測されている。

・人口が減り、さらには高齢化が進むと、当然ながら働く人の数も減っていく。15歳から64歳までの生産年齢人口は、明治以降1995年まで増え続けていたのが、2000年には減少に転じたということだ。1995年には8,622万人いた生産年齢人口は、2015年には7,682万人、2035年には6,343万人、2055年には4,706万人になるという。さらに、生産年齢人口に対する年少人口(0~14歳)+老年人口(65歳以上)の割合を見ると、1965年から2000年までは47~48%くらい、つまり、生産年齢人口10人でその他の5人を支える社会だった。それが、2025年を過ぎると70%を超え、2075年には100%を超える。つまりは、10人で10人を支える大変厳しい社会になる。

(結婚・家族・世帯)
・1947年から49年まで毎年約270万人が生まれ、3年間の出生者数は800万人を超えた。第1次ベビーブーム、いわゆる団塊の世代だ。団塊の世代が生まれた後に出生者数が急激に減っていくのは、1948年に優生保護法が施行され、妊娠中絶が合法化されたからだという。その後、団塊世代の女性が結婚・出産するようになり、1971年から1974年には毎年約200万人以上の子どもが生まれる(第2次ベビーブーム。団塊ジュニアの世代)。1974年以降、再び出生者数が減り始めた背景には、団塊世代の女性の出産期が過ぎたのと、1973年の第1次オイルショックによる高度経済成長の終わりが影響しているようだ。近年、出生者数は100万人台で推移しているが、あと数年で100万人を切り、2030年には75万人、2060年には48万人まで減少すると予測されている。

・出生者数が減ったのは、そもそも結婚する人が減ったからだという。加えて、結婚しても晩婚化が進んでいるということもあるだろう。25~29歳の女性のうち未婚の女性の割合は、1950年に15%だったのが、2010年には60%になっている。2010年の未婚率をさらに詳しく見ると、第2次ベビーブーム(団塊ジュニア)の世代である35~39歳の未婚率は、女性で23%、男性で36%となっている。団塊ジュニアは人口は多いが、未婚率が高く、子供をあまり産まなかったということだそうだ。

・2010年の家族構成別の世帯数は、一人暮らし世帯は1,678万世帯、夫婦と子供からなる世帯は1,447万世帯、夫婦のみの世帯は1,027万世帯、ひとり親と子供の世帯は454万世帯、その他が578万世帯となっている。

・一人暮らしというと従来は若者がするイメージで、事実、1985年の一人暮らし790万世帯のうち、20~24歳は180万世帯、25~29歳は107万世帯と、20歳台が多くを占め、85歳以上は5万世帯、65歳以上でも120万世帯程度に過ぎなかった。それが2010年には、20~24歳は166万世帯、25~29歳は168万世帯と依然として多いが、ほぼ全年齢区分で100万台を超えており、85歳以上だけでも66万世帯に増えている。さらに2035年になると、85歳以上が最も多く、211万世帯となる。今後、高齢者の一人暮らしがどんどん増えてくるということだ。

(教育・所得・福祉・住宅)
・1976年から92年までは、(毎年の19年前の)出生者数と短大・大学の学生数は比例して増えている。ところが、1993年以降、(19年前の)出生者数が減っていくにもかかわらず、学生数は増えている。しかも、短大生の数は減って、4年制大学の学生数が増えている。しかし、大学進学率が上昇したことをもって、社会の高学歴化が進み、日本の知的レベルが向上していると、単純には言えないようだ。というのも、1973年生まれを境に人口が減っていく中、進学率を一定にしていては学生数が減るばかりで大学経営が立ち行かなくなるため、あまり難しい試験はせずにどんどん学生を入学させよう、短大は4年制大学に替えて、4年間学費をもらおう、という大学側の思惑があるらしいからだ。それで、学生の質がどうなったかは目に見えている。

・1984年には8%ほどだった男性の非正規雇用の割合が、2012年には20%に、女性は29%から55%に上昇している。問題なのは、結婚する時期にある25~34歳の男性の非正規雇用の割合が15%もあり、晩婚化・少子化の一因になっているということだ。

・所得も長い間減り続けている。1996年には1世帯あたり平均661万円あった所得が、2010年には538万円まで下がっている。アベノミクスによる賃金上昇は期待できるのだろうか。

・1ヶ月平均の生活保護受給世帯は、1952年度以来、ずっと70万世帯前後で推移し、1992年度には59万世帯まで減少していたのが、バブル崩壊と高齢者の増加によって2005年度には100万世帯を超え、2010年度には141万世帯まで増加している。

・かつて、年間200万戸近くあった住宅の着工戸数は、現在は80万戸ほどであり、2030年頃には40万戸ほどに減るという予測もあるそうだ。また、1978年に268万戸だった空家の数は、2008年には757万戸になり、国土交通省の予測では、2030年には1133万戸、2050年には1549万戸と、現在の2倍以上に増える。

・「道路も橋も要介護になる」。橋は、日本中に15万7,000あるが、できてから50年以上のものの割合は2011年で9%である。これが、2031年には53%になる。1960年代、1970年代にたくさんつくられた橋が50年以上経過するからだ。


本書のデータを見れば、「2030年までの間に、われわれ日本人は、社会のさまざまな仕組み、制度を根本から変えていき、2040年からの社会に備えなければならない」ことがよくわかる。