号泣する準備はできていた | 読書雑記

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号泣する準備はできていた (新潮文庫)/江國 香織
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 表題作を含む全12篇の短編集である。この作品は2003年下半期の直木賞を受賞した。


 江國香織をはじめて読んだ。ほかの作品は知らないけれど、もっと暗くてドロドロ、ネチネチした作品が多いのだろうと勝手に想像していたが、思ったよりカラリとした文体でかなり気に入った。


 この短編集は、失われた恋やこわれていく夫婦の愛情、またそうしたものの危うさを描いた作品ばかりだ。しかし、いずれも絶望感は感じない。出てくるどの女性も最後は強く生きていこうとするからだろうか。


 物語の設定が日常的で、どこにでもいそうな人物の内面を描いているので、多くの読者の共感を得るのだろう。