EVANCE-DG 開発日誌

EVANCE-DG 開発日誌

ライノセラス用プラグイン・モジュール「エヴァンス」開発者のワタシが、日々の感想やライノのTips、開発状況を綴っていきます。

まあ、そんなわけで、意外と早くRhino8がリリースになった。

 

Rhino7で新機能を先食いしているせいか、正直あまりこれはという新機能は認められないように思われる。

 

もちろん、人によっては目覚ましい新機能が追加されたと喜ぶ人もいるかもしれないが。…

 

Rhino7の時と同様、以前のバージョンで使っていたプラグインを読み込んで、使えるようにしてくれる。

 

Rhino7の時は、うまく機能しないコマンドも結構あったのだが、今回は大丈夫なようである。

 

なのだが、問題が生じた。

 

Rhino8では、ツールバーとオンライン・ヘルプを新規に作り直したそうで、Rhino7の時にコマンドをかけるとダイアログボックスにそのコマンドのヘルプが表示されたのだが、これが「ヘルプトピックが見当たりません。」と表示されてヘルプが見られなくなってしまった。

 

以前のバージョンで使っていたプラグインを読み込む仕様にするのであれば、ここはなんとかしてほしかった。

 

なんとも中途半端である。

 

エヴァンスでも対応バージョンを作るわけだが、プログラムコード自体はほとんど変わっていないようなので、これさえなければすぐに出せたのに、開発者向けのドキュメントがなにぶん出たばかりなので揃っていないということで、ちょっと困っている今日この頃である。

 

さて、ライノにそれほど目新しい機能がないのであれば、エヴァンスは頑張ろうということで、以前から温めていた新機能を一気に投入しようと思う。

 

これは、Rhino8が出たからということではなく、やっとここにきて手ごろな価格で実用になる3Dスキャナーが出てきたからである。

 

実はこのシステムは一部のトップブランドでは10年近く前から使われていたもので、なにぶん3Dスキャナーが高額すぎてまったく普及してこなかったのをやっと出せるタイミングになったということである。

 

その名も "ALTA MODA"。

 

別の言い方をするとオートクチュール、Maestroがイタリア語なので、それに合わせた次第である。

 

一個石の高額品など、当然完璧な石枠が望まれるわけだが、もともとそれを作るためのプログラムセットであるのだが、アイディア次第でいろいろと面白い使い方もあるだろう。

 

実際使ってみるとわかるがとても高性能で特に普通にやるとぐちゃぐちゃになるサーフェスのオフセットを独創的な方法で完璧に同じ厚みを保ちつつスムーズなオフセットが可能になる。

 

その他、編集機能も充実しているので、伊達に10年も熟成させてきてないというのを実感できると思う。

 

これを使えば、デザインのバリエーションもぐんと広がるはずである。

 

まあ、そんなわけで、Rhino8対応バージョンからこの機能が標準装備となる予定だが、Rhino8にアップグレードする必然性をあまり感じないという人のためにRhino7からアップグレードできるバージョンも用意しようと思う。

 

とにかく一度試してみてほしい。

 

おもしろいから。…

この時期はワタシにとって、スキャナーの季節である。

 

スキャナーといっても、もちろん3Dスキャナーである。

 

一昨年、Amazonで一台目となるSOLというブランドのを買った。

 

92,000円だったが、値段から想像するよりはかなりよかった。

 

…が、ワタシの主たる使用目的である、宝石類をスキャンするという目的においては、十分な性能というには、少し苦しかった。

 

一回スキャンするのに十分以上かかるうえに、なんだか実物より少し、大きいことがある。

 

形もちょっと違ったりする。

 

でもうまくいったときには、石枠にするなら何とか使えるデータが取れた。

 

去年は、CR-Scan Lizard というのを買った。

 

クラウド ファン ディングで買ったので、少し安く買えた。

 

一台目にくらべて、結構よくなっていた。

 

スキャン時間も数分になったし、付属のソフトウェアも、いらない台座の部分などカットしたり、穴埋めしたり、メッシュの編集機能が充実して結構使える感じになってきた。

 

でも、10MMより小さなものは、かなり厳しい。

 

もうひと頑張りといったところである。

 

で、今年である。

 

今年は奮発して、2台買った。

 

どちらも同じメーカーでRevopoint miniという小さいもの専用のやつと、同じくRANGEという大きいもの専用のやつだ。

 

このRevopointというブランドだが、初代があまりに精度がひどかったので、ずっとスルーしていた。

 

二代目のPOP2というのになってだいぶ良くなっていたようで、満を持しての今年の新機種である。

 

RANGEは、クラウド ファン ディングで少し安く買えたのだが、そんなわけでノーチェクだった肝心のRevopoint miniは見逃してしまったから仕方なく、Amazonで言い値で買った。150,000円近くした。

 

だが、こいつの肝はセット内容である。もっと安いセットもあるが、この150,000円近いセットについてくる、2軸ターンテーブル(別売り価格16,200円)これが、エグい。(笑)

 

何度も角度を変えてスキャンしなおさなくても、途中でターンテーブルの角度を変えて(傾けて)ワンアクションで、多方向からのスキャンができるというものだ。

 

これは便利である。あと精度も以前のものに比べて格段に上がっているし、何といっても内蔵カメラと対象物の距離の設定が以前のものは20㎝以上離さなければならなかったのだが、これは10cm程度である。

 

もうスキャンしてるところを見てるだけで、精度が出てそうだ。(笑)

 

いよいよ、だれでも3Dスキャナーを使ってモノづくりができる時代がやってきた。

 

ワタシは10年も前、3Dスキャナーが5,000,000円した時代から、ずっとこの時を待っていたのだ。

 

なんのために?…

 

それはこのブログを読んでいる人ならおおよその察しが付くことだろう。

 

そして、そのために私は決断を迫られている。

 

だれでも3Dスキャナーが買える時代に、ソフトの値段がバカ高くては、どうにもバランスが悪いではないか。…(笑)

 

まあそんなわけで、特段のはなしもなかったので、すっかりご無沙汰だったが、先日二台目の3Dスキャナーが届いたのでちょっとそのことを書いてみようと思う。

 

前にも書いたと思うが一台目の3Dスキャナーは"SOL"というデンマークに拠点を置くメーカーのものがアマゾンで売っていたので買ってみた。

 

ちょっとスキャンに時間はかかるが、十万円で買える3Dスキャナーとしては、プログラムもよくできていて失敗のしようがないようになっているし、精度もまあそこそこな感じで、"EVANCE GRANDE MAESTRO"を使って石枠を作るくらいならなんとか実用になるレベルに達してはいた。

 

こいつを入手して一年と一か月、おかげでいろいろな3Dスキャンのノウハウを得ることができたので9万2千円の投資は無駄ではなかったとおもう。

 

欲を言えばきりがないがでも、もう一息精度が欲しいという感じがあったので、そこで二台目という次第である。

 

たまたま、Creality 『CR_Scan_Lizard』がKICKSTARTERに登場!という記事を見つけてとりあえず、買ってみることにした。

 

丸損する覚悟でまずは自分が人柱になってみないと、新しいことなど一歩も前に進まないノダ。(笑)

 

 

結果から言うと、スキャン時間も短くて済み、"SOL"より精度は出ている感じだが、付属のソフトウェアが、機能的に優れているところもあるのだが、いまいち安定感にかける。

 

と思っていたら、ソフトウェアのアップグレードのお知らせがあったので、欠点が修正されているのを期待して早速アップデートしてみた。

 

…ところ、たしかに安定感は増していて、前よりもスキャンに成功する確率は増えたようだ。

 

それはいいのだが、前のほうが機能的に多機能な部分があったり、多少の不具合も見受けられる。

 

致命的なのがスキャンしたデータをエクスポートしようとすると、確実に落ちることである。

 

これがなおらないことには当面使い物にならないが、また不安定な前バージョンに戻すのもいやである。

 

暫くおとなしく次のアップデートを待つことにする。