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EVANCE-DG 開発日誌

ライノセラス用プラグイン・モジュール「エヴァンス」開発者のワタシが、日々の感想やライノのTips、開発状況を綴っていきます。

まあ、そんなわけで、

 

前回の記事を読んで、また、N島さんが、同じようなことを飽きもせずやってるな。…(笑)

 

と思ったキミ。

 

ワタシはそんな、わかりきったことを飽きずにやるような忍耐強い人間ではないのである。

 

誰でもジュエリーに携わる者なら、3Dスキャナーで石をスキャンして、そのデータをもとに石枠を作ったら理想的な石枠が作れることは想像できると思う。

 

ただ、問題は、3Dスキャナーだ。

 

兎に角、高い。

 

ジュエリー用として道具屋さんで扱っているものだと200万スタート、ワタシが前にホームページで紹介していた怪しいやつ(ちゃんとテストスキャンしてもらって実用に耐えるのは確認しているのだが)でも五十万。

 

ちょっと買って試してみるかというのには少なからず、ハードルが高い。

 

それは、ワタシも同じである。

 

別にスキャニング・サービスをして稼ぐ気もないし、それでジュエリーを作って売る気もないのだから、オモチャとしては高価すぎるのだ。

 

そんなワタシの目に留まったのは、アマゾンで92,000円で売られているスキャナーだった。

 

当初はワタシも、こんなんで使い物になるのかと訝ったのだが、たまたまYouTubeでそのスキャナーをレビューしている動画を見つけて、これなら、いけるかも、…と思い、清水寺の舞台から飛び降りるつもりで、大枚はたいてダメもとで購入してみた。

 

いろいろと試行錯誤した結果は、前回の記事に書いたとおりである。

 

200万オーバーの高いスキャナーと安いスキャナー、どこが違うのかというと、高いスキャナーはねじりも入って一度のスキャンでいろいろな角度からスキャンできる。

 

それにくらべて、100万円以下で売られているスキャナーは回転台が回るだけなので、ひねりが入らず、一つの軸で回せるところだけしかスキャンできない。

 

もっとも、それを何回も繰り返して、データを合成することもできるのだが、凄く時間がかかるし、合成もうまくいかなかったりするわけである。

 

しかし、である。

 

こと、石枠を作る目的なら、石枠が当たる部分だけスキャンできれば事足りる。

 

そう割り切れば、充分使い物になると考えたのだ。

 

結果は、前回の記事に書いたとおりである。

 

きれいなカット石ではわからないが、デコボコの天然石をスキャンして、同じ厚みになるようにオフセットしてみようとすると、これがいかに難しいかわかるだろう。

 

そのために生まれたのが"EVANCE Grande Maestro"の"RRAP"ツールなのだ。

 

使ってみると、その便利さに度肝を抜かれること、確実である。

 

まあ、特に、おすすめはしないけど。…(笑)

毎日、なんやかんやで忙しいのだが、

その合間を縫って、スキャナー⇒エヴゥンス・グランデマエストロ⇒プリンターで、

 

とりあえず、石枠をテスト的に作ったりしている。

 

技術、テクニックというのは、実際になにか作るために向上させるものであって、やみくもに技術だけ高めても全然意味はないのだが、それをずっとやってきたのがこのワタシである。(笑)

 

まあ、そんなわけで、スキャナーもプリンターも手に入れたし、実際のモノづくりをしてそのへんのノウハウを蓄積しようというわけで、ここしばらくやっているわけだが、やっぱりモノ作りは面白いな。

 

 

スキャンに十分、グランデマエストロでのデータづくり五分、プリントに一時間というところか。

 

まあプリントはまとめていけるので、結構生産性は高い。

 

もっとも、あくせく働く気はないが。…(笑)

 

スキャナーもプリンターも使いこなしのコツがわかってきたので、ほぼ一発でいけるようになった。

 

なかなかぴったりにできるので、たいてい石もパチンと入るから、レジンを足して焼き直しとかほとんどいらない感じにできている今日この頃である。

まあ、そんなわけで、3Dスキャナーも買いました。

 

3Dプリンターもすでに導入済みなので、これで何でも作り放題だ~。(笑)

 

不定形の天然石にぴったりの石枠も、ワタシが自ら開発した"EVANCE GRANDE MAESTRO"(高い方のバージョン)を使えば作り放題、編集し放題である。

 

3Dプリンターもそこそこ使える光造形のがアマゾンで2、3万円で買えるし、そこそこ使える3Dスキャナーもリーズナブルな価格で出てきている。

 

ハードアレルギー(機械モノはいろいろと怖いからね)だった臆病なワタシでも、さすがにこうなってくると手を出さざるを得ない状況である。

 

ライノも、SubDが入ってきたことにより、いままでLightWaveやMayaなどの独壇場だったフィギュア系もすごい猛者が現われてくるかもしれない。

 

まあたぶん、そのためにいつものメジャーアップデートのスパンを大幅に短縮してまでこの時期にメジャーアップグレードしてきたのだと思うし。…

 

 

クリエイターにとっては、いい時代になってきている。

 

貧乏な(失礼だな!笑)手づくりクラフト系のひとでも、これなら気軽に参入できるだろう。

 

あとは、なにを作るか。

 

本当の意味で、ものづくりのセンスと才能が問われるステージになってきていると実感している今日此の頃てある。

 

さて、ワタシはなにを作ろうかな。(笑)