電気自動車とリチウムイオン電池のブログ -3ページ目

出展:http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008052801000685.html


三洋電機は28日、ハイブリッド車(HEV)用のリチウムイオン電池の生産に、2015年までの8年間で計約800億円を投資する計画を発表した。09年末から徳島工場で量産を開始し、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループのアウディに供給する。


 HEVなど環境対応車向けの次世代電池として需要拡大が見込まれるリチウム電池に重点投資し、15年に世界シェア4割を目指す。


 徳島工場では年間で車1万5000-2万台相当のリチウム電池を製造。現行のニッケル水素電池と比べ、同じ重量で出力が2・3倍になる。10年には新たな生産拠点を設立する計画で、欧州でも電池システムの組立工場建設を見込む。


 家庭用電源で充電できる次世代HEV向けの大容量リチウム電池は、11年の導入を目指す。


 記者会見した本間充副社長は「(ニッケル水素電池の供給先の)ホンダ、米フォード・モーターも戦略パートナーに違いはない」と述べ、VW以外の日米欧の幅広いメーカーに売り込む考えを示した。



<コメント>リチウムイオン電池の老舗、サンヨーもついに大型セルの生産に本腰を入れてきた。これまでの小型セルの実績があるので、今後の展開が興味深い。





出展:http://www.sharp.co.jp/corporate/news/080526-b.html


シャープとエリーパワー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉田博一、以下エリーパワー)は、太陽光発電システムと連携する大型リチウムイオン電池の共同開発に合意いたしました。蓄電能力に優れたリチウムイオン電池の新規材料開発や、コスト競争力の高い量産技術の確立を目指してまいります。

これに伴い、当社はエリーパワーから第三者割当増資による株式の割当てを引き受けるとともに、エリーパワーに社外取締役を派遣します。今後、将来にわたって需要が見込める「自律度向上型太陽光発電システム」の実用化に向けて、鋭意取り組んでまいります。

1.合意内容

太陽光発電システムと連携する大型リチウムイオン電池、及び量産技術の共同開発

2.第三者割当増資の概要

(1)増資引受総額

6億円

(2)取得株式数

300万株

(3)引受価額

1株あたり200円

(4)増資引受後の出資比率

32.10%

3.派遣役員

常務取締役 研究開発本部長 水嶋繁光

 (6月13日付でエリーパワー株式会社 社外取締役に就任予定)

4.エリーパワー株式会社の概要 (平成20年5月現在)

(1)本社所在地

東京都千代田区有楽町1丁目7番1号有楽町電気ビルディング南館5階

(2)設立

平成18年9月28日

(3)資本の額

18億24百万円(うち資本金924百万円)
(大和ハウス工業グループ 32.1%、大日本印刷 32.1%、 シャープ 32.1% の均等出資)

(4)事業概要

大型リチウムイオン電池の量産と価格低下を目指した電池、周辺機器、システムの開発、製造

(5)URL

http://www.eliiypower.co.jp/

※自律度向上型太陽光発電システム・・・太陽電池で発電した電力をリチウムイオン電池などに蓄え、必要なときに使用できるシステム。天候や日射による太陽電池の出力変動を平滑化し、昼間に発電した電力の夜間利用が可能。



<コメント>リチウムイオン電池というと直ぐに電気自動車と結びつける方が多いと思うが、大型のリチウムイオン電池の用途は多岐にわたる。太陽電池と組み合わせた家庭用蓄電システムは、大きなビジネスになるのではないだろうか?



出展:http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?site=MARKET&genre=c1&id=AS1D220D9%2022052008


ホンダの福井威夫社長は22日、日本経済新聞などのインタビューに応じ、埼玉県寄居町に建設中の四輪車工場は生産効率が高い次世代生産システムを導入し、「為替が1ドル=90円台でも大丈夫な体制を構築する」と強調した。また環境対応の四輪車はハイブリッド車や低公害型ディーゼル車を中心とし、電気自動車は二輪車で開発する方針を明らかにした。


 電気自動車について「四輪車よりも、長距離を走らない小型二輪車での開発が適している」と説明。具体的な発売時期には言及しなかった。


 鋼材価格が高騰しているが、「鉄鋼メーカーは業者を相手にしているが、我々は一般の顧客を相手にしており、生やさしいものではない」と述べ既存車に一律で価格転嫁する可能性を否定した。材料の多様化や軽量化、調達先の分散などでコスト削減を図る方針だ。


<コメント>バイクはエアコンやヒータ、それにパワーステアリング等もないので電動化に向いていると思います。250CCクラスの大型スクーターとかも面白いかもしれません。






BrightSource社へも出資 (2008/05/19)

 検索エンジン大手の米Google(グーグル)社は、エネルギー事業を手掛けるベンチャー企業への投資を続けている。今回は、手ごろな規模の太陽エネルギ・プロジェクトを推進している米BrightSource Energy社に投資した。BrightSource社は、シリーズCの投資ラウンドにより、新たに1.15億米ドルの資金を獲得し、資本金は1.6億米ドルを超えた。比較的小型で消費者向けの太陽光発電システムの開発を加速させることになるだろう。

 今回の投資チームには、BrightSource社への最初の出資者である米VantagePoint Venture Partners社が主幹事となり、Google.org(Google社のベンチャー投資部門)と英BP Alternative Energy社、ノルウェーStatoilHydro Venture社、米Black River Asset Management社が参加している。また、米Morgan Stanley社、米DBL Investors社(以前は米JP Morgan社の1部門)、米Draper Fisher Jurvetson社、米Chevron Technology Venturesなど、BrightSource社にすでに出資しているすべての会社が加わっている。

 2008年3月、BrightSource社は米PG&E社と、900MWの電力の継続購入に関する契約を結んだ。BrightSource社は現在、米カリフォルニア州南部のモハベ砂漠で複数の太陽エネルギ・プラントを建築中であり、2009年に稼働を始める。

 Google社はそれ以外にも太陽エネルギ分野での活動を活発化している。例えば小型太陽熱プラントのベンチャー企業である米eSolar社は、2008年4月に1.3億米ドルを調達した。その出資者の中にはGoogle社も名を連ねている。Google社が設立したベンチャー企業である米Nanosolar社は、2006年に1億米ドルの資金調達を発表し、米カリフォルニア州に世界最大規模の太陽電池工場を作る計画を明らかにした。



<コメント>太陽電池とネット最大手の関係。一見何の関係も無いように見えるが、情報とエネルギーの分散化という観点から見ると、両者は意外と似ているかもしれない。太陽電池の電気をリチウムイオンバッテリーなどに蓄えれば、エネルギーの分散化は可能と思われるからだ。

出展:http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2008/_STORY/080519-01-j.html


2009年度中の量産開始へ向け120億円を投資


日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン、以下:日産)、日本電気株式会社(本社:東京都港区芝 社長:矢野薫、以下:NEC)、およびNECトーキン株式会社(本店:宮城県仙台市太白区郡山 社長:岡部政和、以下:NECトーキン)は19日、三社間の合弁会社である「オートモーティブエナジーサプライ株式会社(Automotive Energy Supply Corporation、本社:神奈川県相模原市下九沢、社長:大塚政彦、以下:AESC)」による自動車向け高性能リチウムイオン電池の事業化を決定しました。


2007年4月に日産とNECグループの折半出資会社として設立されたAESCは、次世代の電動自動車(ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車など)を対象としたリチウムイオン電池の開発およびマーケティングに取り組んできました。このたびの事業化に際して、NECとNECトーキンが自動車用大容量ラミネート型電池(セル)技術の提供と電極の生産を担当する一方、日産は長年の経験による車両に応用した技術を提供します。


また、AESCの資本金は15億円となり、今後は日産、NECグループ、およびNECトーキンがそれぞれ51%、42%、7%の株式を保有します。

AESCは初期段階として、今後3年間で120億円の投資を行い、日産座間事業所(神奈川県座間市)内に生産ラインを新設します。2009年度までに稼働開始予定である同施設の年間生産能力は、車両にして13,000台分相当からスタートし、将来的には65,000台分となる見込みです。


また、NECトーキンは、今後3年間で110億円を投資してNEC相模原事業場(神奈川県相模原市)内に生産ラインを新設し、AESCの需要に合わせた電極の量産を開始する予定です。

AESCは、世界の自動車業界における潜在的顧客に対してバッテリー商品の販売を行っていきます。AESCは、高性能、信頼性、安全性、用途の広さ、そして価格競争力を提供するバッテリーを生産することにより、バッテリー技術におけるリーダーとなることを目指しています。


同社の高性能リチウムイオン電池は、従来の円筒形ニッケル水素電池と比べて2倍の電力を供給できる小型のラミネート構造を採用しています。AESC製電池を搭載した実車走行試験では、安全性、高性能品質を立証しており、100,000km以上を走行する長寿命も実現しています。


日産の副社長であるカルロス タバレスは、「日産は、持続可能なモビリティの最終的な解決策がゼロ・エミッション車であると確信している。電気自動車は、日産の新中期経営計画である『日産GT 2012』に組み込まれた戦略の1つである。」と述べております。


NECの取締役執行役員専務である鹿島浩之助は、「NECの研究所で誕生した高安全・低コストのマンガン系リチウムイオン電池技術と、NECトーキンの電池製造技術ノウハウおよび最先端の電極材料技術がAESCの競争力を高めるものであると確信している。当社の技術を実用化したAESC製電池の普及を進めることでCO2排出量を削減し、地球環境に貢献したいと思う。」と述べております。


AESC製リチウムイオンバッテリーは、2009年に発売される小規模事業用フォークリフトに最初に採用される予定です。これに続き、米国、および日本において2010年度に投入される日産の電気自動車、および日産独自のハイブリッド車に採用される予定です。日産は、バッテリーの需要を大幅拡大することとなる、電気自動車のグローバル規模での量販を2012年までに行う計画です。


AESCはまた、プロジェクト・ベター・プレイス社が行う試験的取り組みへのリチウムイオンバッテリーのサプライヤーに指名されています。2億ドルの資金を調達した、米カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くプロジェクト・ベター・プレイス社は、消費者にさらにクリーンで持続可能な個人交通代替手段を提供する電気自動車をサポートする市場基盤の交通インフラを形成することによって、世界規模で燃料への依存度を削減することを目標とするベンチャー企業です。プロジェクト・ベター・プレイス社は、ルノー・日産アライアンスと協力し、2011年度にイスラエル、およびデンマークにおいて、世界初のゼロ・エミッション車の投入を計画しています。


なお、AESCは、神奈川県の産業集積促進方策「インベスト神奈川」に基づき、上記120億円の投資に建屋リース料を加えた総額134億円*の投資に対する助成金の認定申請書を提出しています。
また、NECトーキンも同制度に基づき、上記110億円の投資に建屋リース料を加えた総額137億円*の投資に対する助成金の認定申請書を提出しています。


<コメント>前から話はありましたが、とうとう来ましたね。大型リチウムイオンバッテリーの争奪戦が始まるような気がします。他にも挙げておきます。ご参考に。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080519-00000466-reu-bus_all
http://www.elisnet.or.jp/news/news_detail.cfm?select_news_id=15138
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080519AT1D1909W19052008.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080519-00000091-mai-bus_all
http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008051901000320.html
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080519/151934/




出展:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080516/151854/


ジーエス・ユアサ コーポレーションは「AABC 2008」(5月14~16日,米国タンパ)において,電動車両に向けたLiイオン2次電池について「R&D Status of Lithium-ion Batteries for Various Applications in GS Yuasa」と題して講演した。同社では電動車両向けにハイブリッド車向けた高出力型の「EH6」と電気自動車に向けた高容量型の「LEV50」を開発している。安全性や放熱性,製造コストなどの観点からどちらのセルも角型缶を採用している。


 EH6は電流容量6Ahで電圧が3.7V。外形寸法は112mm×21mm×82.6mmで重さが331g。質量当たりのエネルギー密度は67.1Wh/kg,体積当たりのエネルギー密度は114.3Wh/Lである。正極材料にはCoとNiとMnのいわゆる3元系を用いている。低温特性にも優れており,-30℃でも90%の容量維持率があるという。出力特性は,SOC(充電状態)が50%で10秒出力した場合で1200W(3600W/kg)を達成しており,SOCが20~70%の間で1秒出力した場合でも1000W以上を確保している。


 一方,電気自動車向けのLiイオン2次電池については現在,三菱商事と三菱自動車との合弁会社であるリチウムエナジージャパンに40億円を投資して量産ラインを構築し,まずは三菱自動車の電気自動車「i MiEV」向けにLEV50の生産を2009年に年間20万セルの規模で開始するとした。


 LEV50は電流容量50Ahで電圧が3.7V。外形寸法は113.5mm×43.8mm×171mmで重さが1.7kg。質量当たりのエネルギー密度は109Wh/kg,体積当たりのエネルギー密度は218Wh/Lである。300Aと大電流での放電(6C放電)でも88%の容量を確保している。低温特性については,-25℃で86%の容量を維持できるという。


 出力特性は300Aの放電時で500W/kgを,入力については125A時で300W/kgを達成している。寿命については,25℃の環境下でフル充電とフル放電を繰り返すサイクル寿命試験において1000サイクル後でも85%の容量維持率を確保している。


 同社では独自開発したカーボンを担持したリン酸鉄(LiFePO4)を大型セルの正極に適用した結果についても報告した。同社が産業用途向けに販売している外形寸法115mm×47mm×170mmの角型セル「LIM40」を使った試験結果では,400Aの大電流放電でもほとんど容量が低下しないという。これに対して,カーボンを担持していない同社従来品では400Aの放電時の容量は40A放電に比べて半減していたとする。また,今回の試作品は-20℃の低温下でも十分利用が可能という。



出展:http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080514-OYT8T00004.htm


スーパー駐車場など1000か所


 県は、2009年度に市販が始まる予定の電気自動車の普及を促すため、スーパーやレストランなどの駐車場に利用者が無料で充電できるコンセントを設ける方針を決めた。事業者などに協力要請を始めており、14年度までに県内1000か所の“無料充電ネットワーク”構築を目指す。ガソリン価格高騰のなか、燃費負担をより軽くすることで購入を後押しする。


 間もなく市販される電気自動車は、自宅で夜間などにフル充電すれば、80キロ程度走行できるとされる。しかし、ガソリン車の「満タン」と比べ数分の一で、頻繁に補給が必要となる。そこで県は、街の至る所で充電できる態勢を整え、走って消費した分を、すぐに補えるようにする。


 100ボルトのコンセントだと1時間で約10キロ分、充電できるという。この場合の電気代は20円程度で、事業者に負担してもらえると判断した。現行法では、一般の事業者が電気を売ることはできないことも無料化の背景にある。課金が可能になったとしても、県では「数十円を徴収するために課金用の機器を設置するのは割に合わない」とみている。


 商業施設などの駐車場では、100ボルトか200ボルトのコンセントが引かれているケースが多いという。県では、買い物や施設の利用中などの充電を想定。商業施設や飲食店のほか、宿泊施設、病院、有料駐車場などに協力を求める。


 県は、走行時に排ガスの出ない電気自動車を、14年度までに県内で3000台普及させることを目標に掲げている。無料充電網の整備のほか、購入時に国から出る補助金への半額上乗せや、自動車取得税・自動車税の9割減免、県内走行時の高速道路料金の半額キャッシュバックなどのメニューをそろえ、本体価格がガソリン車より割高となる電気自動車の購入を促す。



<コメント>神奈川県知事の電気自動車好きは有名だが、東京都も負けずに頑張って欲しいですね。前にも言いましたが、何とか銀行の投資は痛かったな~、、、、最近は都知事が引きこもりになってしまったとか、、、そんな場合ではないのに。


出展:http://response.jp/issue/2008/0513/article109184_1.html


日産自動車は、新たに策定した5か年計画「日産GT2012」の2つ目のコミットメントとして、ルノーとともに「ゼロ・エミッションの領域で世界のトップに立つ」ことを掲げた。

この実現のため、2010年に米国と日本に電気自動車を投入し、2012年にはグローバルに量販する計画を明らかにした。

ゼロエミッション領域で世界トップに立つのは、世界の環境変化に寄与するのが目的だ。現在、世界では二つの潮流が目を引く。ひとつめが急速に台頭しつつある発展途上国で、もう一つが環境対応だ。これらに対応するため、電気自動車を投入する。

日産では環境行動計画である日産グリーンプログラム2010については引き続き活動を進める。クリーン・ディーゼルは今年の秋に、『エクストレイル』に搭載して国内で発売し、2010年には米国にクリーン・ディーゼルの『マキシマ』を投入する予定。日産独自のハイブリッド車は2010年度に市場投入する。

出展:http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080511AT1D1000110052008.html


独フォルクスワーゲン(VW)と三洋電機は環境対応車の心臓部として使うリチウムイオン電池を共同開発する。VWは2012年をめどに三洋から調達し、ハイブリッド車や電気自動車に組み込む。現行のニッケル水素電池に比べ燃費など環境性能を向上できるリチウム電池を巡っては、日産自動車―NECも量産を決めたばかり。次世代型の環境対応車を巡る開発競争が本格化する。


 三洋は繰り返し充電できるニッケル電池を量産し、ホンダや米フォード・モーターのハイブリッド車に供給している。VWとも同電池を共同開発。VWや子会社のアウディは09年にも三洋製の電池を採用し、VWグループとして初のハイブリッド車を発売する。



<コメント>世界的に見て自動車用に使える大型のリチウムイオンバッテリー製造会社が不足傾向にある。水面下では各自動車メーカーはどこのリチウムイオンバッテリー製造会社と組むのが良いのか暗中模索中なのだろう。



出展:http://daily-ondanka.com/thoughts/sueyoshi_01.html


EUは2007年3月、二酸化炭素を2020年までに1990年比20%削減することを公約した。その目標を達成するために、EU全27カ国に個別の目標が設定されている。例えば、再生可能エネルギーの利用拡大においては、2005年度比でスウェーデンに49%、フランスに23%、ドイツに18%、英国に15%を要求している。


EUでは二酸化炭素削減競争が始まっている。ドイツでは2020年40%削減、イギリスは2050年までに80%削減すると公約した。スウェーデンは、2020年に化石燃料依存をゼロにし、これを国家戦略にすると宣言し、ノルウェーは、2050年までに、国全体をカーボン中立化する(海外と排出権取引をすることで、結果的に二酸化炭素を出さない国にする)としている。


2008年1月23日ダボス会議の初日、バローゾ委員長は、EUが各国あるいは各対象企業に配る排出枠を2013~20年に『有償化』すると公表した。現在EUは、『欧州排出権取引制度』のもと、約5,000企業、その傘下にある11,000強の事業所に排出の上限枠(キャップ)を割り当てている。「A会社のB工場は二酸化炭素排出を年間10万トン以内に抑えなければならない」という上限を課したのだ。上限を超えると、1トンあたり100ユーロ(約16,000円)の罰金を払わなくてはならない。さらにEUでは、2013年以降『入札制』を通じて、排出枠獲得を競わせる方針である。様々な拘束を設けて二酸化炭素の排出規制に乗り出しているのだ。


EUは、国連の投票権を27票持ち、人口5億人、全体のGDPはアメリカを抜いて世界最大である。国際的に大きな力を持つこのEUが、世界に『規制の輸出』を始めていると言えないだろうか? 厳しい規制を自らに課すと同時に、競争相手であるアメリカや日本その他の国々にも同じ姿勢を求めているのだ。EU域内で離着陸する航空機会社の年間排出枠の設定や、自動車の排出ガスに含まれる二酸化炭素量の規制などは、その一例である。


一方、アメリカも大きく変わろうとしている。米国大統領候補のヒラリー・クリントン氏は、新規に建造する連邦政府ビルをゼロエミッションにすることを選挙公約の中で宣言した。バラク・オバマ氏も、2050年80%削減を目指すと発表している。さらに、2050年63%削減(2005年比)を目指すリバーマン・ウオナー法案が、連邦上院・委員会で承認されているのである。 こうしたアメリカの変化には、世論が大きく影響していると考える。温暖化を第一の環境問題ととらえる市民が増え、約30州が二酸化炭素排出量規制の方向へ動いている。人口1億人を擁する825市が気候変動連盟への参加を始めた。


これは、アメリカ全人口の3分の1に相当する。 アメリカのビジネスも大きく舵を切り始めた。その現れのひとつが、USCAPという企業の連合体の声明だ。2007年1月、GEやデュポンなど大手30企業が連邦政府に対し、全米で統一した二酸化炭素排出量規制を取り入れた市場をつくるよう要求した。この背景には、規制こそイノベーションを生むのだ、そのイノベーションこそがアメリカの国際競争力を強めるのだ、という思想がある。この分野でも世界のリーダーシップをとるのだという、アメリカの強い意気込みが感じられる。アメリカやEUは、社会の制度のなかで、温暖化問題の解決に向けて動き始めている。


一方、日本は今どのような状況にあるのだろうか? 次に、金融の話をしよう。我々が銀行に預けたお金は何に使われているのか? そのお金が、我々の社会にどのような影響を与えているのか? 近年、市民社会が銀行の投融資に強い関心を持ち始めている。 金融を語る上で外せないのが、年金基金である。日本の公的私的年金は約200兆円。世界主要国では25兆ドル(約3,000兆円)と巨額である。2003年11月、機関投資家を集めた「気候変動リスクに関する国際会議」において、アナン事務総長(当時)が、「地球の将来が投資家の判断に委ねられ、その決定が将来の人々の生活と仕事に大きな影響を与える」と指摘した。


機関投資家の投資判断に、新しい視点を持つよう呼びかけたのだ。 『責任投資』という言葉は、投資判断に環境、社会的責任、ガバナンスを反映させ、包括的な投資判断を求めるものである。2006年4月には、アナン国連事務総長(当時)とUNEP金融イニシアチブ、国連グローバル・コンパクトが責任投資原則を共同で策定した。既に世界の340機関が署名をし、この機関の運用総資産額は13兆ドル(1,430兆円)を超えている。


実際に巨額の資金が動き始めている。世界の持続可能なエネルギー(再生可能エネルギー・新エネルギー)への投資総額は、2004年には275億ドルだったが、2007年には1,100億ドルに達している(new energy finance調べ)。2008年3月、機関投資家約500名(総資産額約20兆ドル)が参加した気候変動サミットでは、向こう2年間気候変動対策に100億ドルを投資すると、約50の機関投資家が行動計画を発表した。


アメリカの大手金融機関シティ・バンク、JPモルガン・チェース、モーガン・スタンリーは、石炭火力発電所への投融資基準を厳しくする『炭素原則』を宣言した。バンク・オブ・アメリカのCEOは、二酸化炭素は「債務」であるという認識で 貸出審査を行うと公言した。二酸化炭素が、融資される側にとっても融資する側にとっても、大きなリスクファクターになってきたのである。 私はこの新しい時代を、『CO2本位制』と名付けている。


金本位制の時代には、国が持っている金保有高が貨幣の通算発行量を決めていた。その貨幣の総体が、結果的に経済活動や社会活動の大きさを規定してきた。今、CO2(二酸化炭素)がさまざまなものを規定するようになりつつあると言えないだろうか?  空気はもう無限の資源ではない。しかも、「タダ」ではない。逆に言えば、空気はお金になる。我々が規制の中で二酸化炭素排出量をいかに有効に使うかが重要になってくる。


企業であれ、組織であれ、個人であれ、自分が使える二酸化炭素量の中で、最も豊かだと感じる生活をいかに築くか、ということでもある。許された二酸化炭素排出量でベネフィットを最大にできる国、地域、企業、組織、人が栄えていくだろう。 『CO2本位制』は、新しい社会規範、価値基準の誕生を意味している。


「二酸化炭素を排出することは悪いことだ、損をする、罰せられる、嫌われる」という点と、「二酸化炭素を削減することは良いことだ、得をする、褒められる、歓迎される」という点を併せ持つものである。ロンドンやストックホルムでは既に、ガソリン車の走行には税金がかかるが、エコカーにはかからない道路も設けられている。インセンティブを与えて二酸化炭素を減らす一方、規制を設け罰金を与えて二酸化炭素を減らすという両方の取り組みが始まっている。


ビジネスモデルも大きな変換が求められている。20世紀型のビジネスモデルが、「お客様が喜ぶモノを大量にすぐに供給すること」を中核としていたならば、21世紀型ビジネスモデルは、「地球環境が許す範囲で優れたものを少量にゆっくり作ること」と言えよう。 金融とビジネスは、「持続可能な金融」+「持続可能なビジネス」の組み合わせでしか生き残れないだろう。


いくら企業が環境に配慮しても、取引先の銀行がその価値を認めないとしたら、企業はその銀行と取り引きを続けるだろうか? 逆も然りである。欧米の国々では既に、社会の厳しい目が、ビジネスや金融のあり方を大きく変えているのである。 日本も世界の流れの先を見据えて、目先の問題ではなく、ビジネスはどこに行こうとしているのか、金融機関は何を考えるべきかを考えていただきたい。


今の時代は、将来の方向性を決める時代だ。この変化を求める時代において、過去や現在の実績を述べても世界に訴える力はない。 現在どこにいようとも、どこを向いて何を目指しているのか、ビジョンや方向感を持つことが重要である。我々が生きる経済や社会や環境の中で、一市民、一消費者、一投資家、一預金者として、何を考えていかなければならないのか? いろいろな立場で考えていただきたい。 最後に、私の好きな19世紀・米先住民の言葉を引用する。「最後の木が死に、最後の川が毒され、最後の魚を採ったとき、ひとはお金は食べられないと気付くのだ」



<コメント>このような流れは電気自動車の普及に追い風だと思います。国や自治体の補助金以外でも電気自動車の導入が現金に直結する事がわかれば企業や社会の見方も変わるのではないでしょうか?