出展:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080516/151854/


ジーエス・ユアサ コーポレーションは「AABC 2008」(5月14~16日,米国タンパ)において,電動車両に向けたLiイオン2次電池について「R&D Status of Lithium-ion Batteries for Various Applications in GS Yuasa」と題して講演した。同社では電動車両向けにハイブリッド車向けた高出力型の「EH6」と電気自動車に向けた高容量型の「LEV50」を開発している。安全性や放熱性,製造コストなどの観点からどちらのセルも角型缶を採用している。


 EH6は電流容量6Ahで電圧が3.7V。外形寸法は112mm×21mm×82.6mmで重さが331g。質量当たりのエネルギー密度は67.1Wh/kg,体積当たりのエネルギー密度は114.3Wh/Lである。正極材料にはCoとNiとMnのいわゆる3元系を用いている。低温特性にも優れており,-30℃でも90%の容量維持率があるという。出力特性は,SOC(充電状態)が50%で10秒出力した場合で1200W(3600W/kg)を達成しており,SOCが20~70%の間で1秒出力した場合でも1000W以上を確保している。


 一方,電気自動車向けのLiイオン2次電池については現在,三菱商事と三菱自動車との合弁会社であるリチウムエナジージャパンに40億円を投資して量産ラインを構築し,まずは三菱自動車の電気自動車「i MiEV」向けにLEV50の生産を2009年に年間20万セルの規模で開始するとした。


 LEV50は電流容量50Ahで電圧が3.7V。外形寸法は113.5mm×43.8mm×171mmで重さが1.7kg。質量当たりのエネルギー密度は109Wh/kg,体積当たりのエネルギー密度は218Wh/Lである。300Aと大電流での放電(6C放電)でも88%の容量を確保している。低温特性については,-25℃で86%の容量を維持できるという。


 出力特性は300Aの放電時で500W/kgを,入力については125A時で300W/kgを達成している。寿命については,25℃の環境下でフル充電とフル放電を繰り返すサイクル寿命試験において1000サイクル後でも85%の容量維持率を確保している。


 同社では独自開発したカーボンを担持したリン酸鉄(LiFePO4)を大型セルの正極に適用した結果についても報告した。同社が産業用途向けに販売している外形寸法115mm×47mm×170mmの角型セル「LIM40」を使った試験結果では,400Aの大電流放電でもほとんど容量が低下しないという。これに対して,カーボンを担持していない同社従来品では400Aの放電時の容量は40A放電に比べて半減していたとする。また,今回の試作品は-20℃の低温下でも十分利用が可能という。