グリゴリー・ソコロフ(2016年3月、ドイツ・ハンブルク) | クラシック音楽と食べ物と。。。

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今回は2016年3月のドイツはハンブルクからです。

 

この日は、ライスハレで、グリゴリー・ソコロフのコンサートです。

グリゴリー・ソコロフ。5歳でピアノを始め、レニングラード音楽院に入学。16歳でチャイコフスキー国際コンクールで優勝と素晴らしい経歴の持ち主で、ヨーロッパでは絶大な人気を誇っているピアニストです。でも、ほとんど日本への来ないので意外と日本での知名度は低いのかもしれません。ものすごい数のコンサートをこなす人で、常にピアノ弾いている人と言う印象です。何かのインタビューの時に「ピアノ弾いていないときは何をされているんですか」と聞かれ「ピアノを弾いている」と答えたとか、答えなかったとか。。。

 

今日のプログラムは、前半シューマン、後半ショパンでした。

 

・シューマン: アラベスク ハ長調/Robert Schumann: Arabeske C-Dur op. 18

 シューマンが1838~1839ウィーンに滞在していた時に作曲した曲。シューマンらしい繊細で優雅な曲です。

・シューマン:幻想曲 ハ長調/Robert Schumann: Fantasie C-Dur op. 17

 シューマンが1836年に作曲した曲。ロマンチックで幻想的な曲です。

 

・ショパン:ノクターン ロ長調/Frédéric Chopin: Nocturne H-Dur op. 32/1

・ショパン:ノクターン 変イ長調/Fréd・ric Chopin: Nocturne As-Dur op. 32/2

 この2曲は1837年に書かれた曲で、ショパンが20曲以上作曲したノクターンの9番、10番。

 ショパンのノクターンはどれも美しく哀愁が漂いますが、9番はちょっと変わった曲で面白い曲です。

・ショパン:ピアノソナタ第2番 変ロ短調/Frédéric Chopin: Sonate b-Moll op. 35

 1939年に作曲された曲。葬送の名を持つこの曲は、4つの楽章からなり、すべてが短調で構成されています。

 全体として悲劇的な曲ではありますが、ショパンらしい美しい曲です。

 

ソコロフの演奏は、相変わらず力強い演奏。ホール全体に音が満たされて、あの大きな体から音があふれ出てくる感じがします。一方、少し弱めに早く弾くパッセージなどは絶妙なコントロールで鳥肌が立ちそうな演奏です。

 

今日のアンコールは6曲。聴衆からアンコールの拍手が起きると次から次へと弾いてしまうタイプでしょうか。以前の演奏会でも同じくらいのアンコール曲数だったと思いますし、聞いた話では10曲くらいアンコール弾いたこともあるとか。

 

今回の演奏は、本編の演目は、緻密に計算されつくされた感じで、演奏会の前にどう弾くということが決まっていて、それを完璧にこなしているという印象を受けました。それができる、ソコロフの精神力、力量は誰にもまねできないものだと思います。一方、アンコールは、結構自由に弾いている印象を受けました。何か人間くささのする演奏で、どちらも素晴らしい演奏でした。ソコロフの演奏を堪能でき、最高の演奏会でした。