
↓施工部分です。黒い棒状の部品が、新たに入れたサドルです。
「ストリングセイバー」という、新素材でできた製品です。

ついでにブリッジピンに弦が入るところに若干ミゾを入れたことで、弦のブリッジへの密着度を高め音量アップしています。
このギター、もともとプラスチックのサドルが入っていました。
5・6弦にあたる部分がこわれて音程が合わなくなっていました。
新しいサドルを削ってもとのサドルの大きさにあわせました。
弦が乗る部分は、ちょっといい市販ギターサドルの初期状態にならって
1弦 弦長短めになるように
2弦 弦長長めになるように
3~6弦にかけて、だんだん弦長が長くなるように調整しました。
サドルをブリッジにいれ、新品の弦を張りました。
ブリッジピン溝、サドル・ナットの弦が摩擦するとこには潤滑油をちょっとつけて
チューニングの安定を図りました。
(摩擦が大きいとチューニングしているとき「キン!」という。のを、ふせぐ)
また、もとのサドル下に入っていた上げ底のプラスチック片を取り除いたことで
サドルとブリッジの密着が高まり、音量・音質が改善したと感じられます。
できあがりは、とてもいい音。
ビビらないように今回はあえて弦高を高めでセッティングしました。
弦高は6弦12Fで約3mm程度、1弦12fで約2.5mm程度。
オーナーさんのプレイスタイルが、主にローコードでの弾き語りなので
そのほうが音にも張りが出ます。
今回の施工で、サドルは下げればいいってもんじゃないことを学びました。
●今回の料金
工賃 1000円
弦 300円(アリア エクストラライト)
サドル 2000円(グラフテック社ストリングセイバー)
計3300円
イテルギター教室ではギターのメンテナンス・改造も承っております。
音が鳴らなかったり変だったり弾きにくいギターをお持ちの方、
どうぞメッセージにてお問い合わせ下さい。
ちなみに、今回のサドルは冒頭にも書いたように、
グラフテック社のストリングセイバーという製品。
弦の圧力によって微粒子状に混入された潤滑剤のカプセルが破け、
弦との間に薄い膜ができ摩擦抵抗を最小限に留め、その結果弦の寿命を延ばすそうです。
それで「ストリングセイバー」というんですね。
ギターを激しく弾いていると、サドルと弦の接点あたりで弦が切れることがああります。
あれは、弦とサドルの摩擦が強いからなのでしょう。
今回のストリングセイバーなら、そのリスクが軽減できそうです。
そんな優れもののストリングセイバー、
手もとの在庫がなくなったので
アマゾン、サウンドハウス、ヤフオクで探してみましたが
アコースティックギター用サドルは見当たりませんでした。
もしかして生産終了品?!
だとしたらすごくレアな部品だったのかもしれない…
ラッキーなお客さんでした!