第十回「つたえるアルペジオ」 | 川瀬有希の独り言

川瀬有希の独り言

田中好子さん、キャンディーズ、岡田有希子さんに捧げるブログ

NHK・Eテレにて『響け!ユーフォニアム3』第十回「つたえるアルペジオ」がオンエア。

オーディション以降最悪な雰囲気にまで陥っていた北宇治吹部が立ち直っていく感動の今回、かなり脚色してきたなという印象。

そもそも話の順番が違っていた。

悩みに悩んだ久美子があすか先輩の助言を求めてマンションを訪れる件(香織先輩とルー厶シェアしていた)。

これは原作では関西大会後に登場するが、今日の放送では大会前の、崩壊寸前になっている部を蘇らせる為の久美子の覚悟を後押しする為のエピソードとして描かれていた。




大胆なこの改変、僕は正解と捉える。

アニメでは原作以上に現在の吹部は不協和音を奏でていて、これを好転させるにはそれ相応の要素を加えないと説得力に欠けると感じていたので、今日の改変込みの放送で解決シーンとして上手くまとめられたのではないかと考える。

あの本番前の久美子の演説、秀一そして麗奈までも頭を下げるというシーンの創設が、再び一体となっていく部の空気を無理なく導いていた。

いくら雰囲気は悪くても昨年より北宇治の演奏技術は向上しているという前提もあり、普段の練習さえ途絶えていなければ気持ちがすっきりした途端心技が整い、一気にクオリティーが高まっても不思議ではない。

本番直前なら尚更プラスに作用しただろう。

ご都合主義と捉える向きもあるかもしれないが、日頃の力が一段上にアップするのにこんなに象徴的な出来事は他にあるまい。

何より、久美子に限らず部員は誰だって全国に進みたいのだから、心動かされ演奏に磨きがかかった筈だ。

見事な演出だったと思う。



その本番の演奏が終わったところで今日は幕引きだったので、次回は審査結果の発表からでしょう、きっと。

念願の全国金の為の出場権獲得成否の大事なシーンは、まさか府大会のような省略進行にはなるまい。

演奏は最後の最後に最高レベルで描いてくれさえすればいいので、その発表の瞬間はカットしないでいただきたい。

アニメの長所は、小説では一字一句丁寧に描写しなければならないところもワンカットやちょっとした表情だけでも多くを伝えることが出来る点にあり、その利点をフルに活かし短くとも感動の場面をしっかり描いてもらいたい。

それがあってこそ、ここまで長い時間をかけて部の危機を描いてきたことの意味が集約されるというものだ。

いつものように今回の細かい感想はまた後日。

そして恒例、エンドカード。

毎度空気を読まないイラストだが、今回は特に際立っている(笑)。