誕生日にあたる8月22日に岡田有希子さんの全シングル曲を7インチ・ヴァイナル仕様で収録したボックスセットが発売されることは既に告知されている。
中古でよければ比較的容易にドーナツ盤を手に入れられる現下、それでもこのボックスに価値を見出すのは、38年前の今日・5月14日にリリース予定だった9枚目のシングル『花のイマージュ』が初めて公式にヴァイナル化されるからだ。
当時出される筈だった姿かたちそのままに発売される、その一点に於いてこのボックスには価値がある。
はっきり言って音源自体は昔程に稀少性はない。
解禁されて久しいし、パッケージソフトにも収録されてもいる。
何なら無料で聴くことすら可能だ。
それでも貴重と思わせるのは、あの時世に出る筈だった姿かたちで手に入れられるからで、漸く念願叶った次第である。
だが、同時に虚しさも感じる。
シングル一枚本来のスタイルで商品化するのに要した歳月、実に38年。
その現実にため息を隠せない。
たったひとつの音源ですらこうだから、例の渋公の映像がパッケージ化されるなんて夢のまた夢。
自分が生きてる間は無理だろうな、と最近は正直諦めかけている。