NHK・Eテレにて『響け!ユーフォニアム3』第六回「ゆらぎのディゾナンス」がオンエア。
予告の段階から既に不穏な空気が流れていた。
タイトルからしてディゾナンス(不調和)ですから。
何も起こらない筈がない。
案の定府大会に向けてのオーディション関連で色々と微妙な空気がそこかしこに。
と言っても定員が厳格に決められている以上誰かが選ばれ誰かが落ちる、それ故各人様々に心が揺れる現実は避けられない。
まずは、長く北宇治でやってる子が優先的に選ばれるべきとの考えが拭えない真由に久美子も対応を苦慮する日々が相変わらず続く。
転校生という境遇からくる遠慮の姿勢はそうじゃない者にはなかなか伝わりづらいものだ。
完全実力主義を口にしつつそれだけでは割り切れない感情から彼女との間に久美子はつい壁をつくってしまう。
あすかから譲り受けたあの大事な曲「響け!ユーフォニアム」を個人練で吹いているのを真由に聴かれ、誰の曲なのか等々たずねられるも肝心な情報を一切伝えず誤魔化した。
この対応こそ久美子が真由と繊細な距離を置いている何よりの証拠。
表面的には仲良くしてるつもりでもこうして態度に出てしまう。
結果的にメンバーに、そして第三楽章ソリにも選ばれたことで安堵はするものの真由との問題がそれで解決したことにはならない。
何故なら今年は大会毎にオーディションが行われるから。
この問題は確実に引き摺る。
それと、真由に対する奏の口調も攻撃的要素を隠せなくなってきた。
もう露骨に敵対的というべきか、久美子でさえ呆れる始末。
が、これもある意味仕方がない。
久美子先輩大好きな面からも当然あるが、同じユーフォ奏者である以上音を聴けば真由の実力は嫌でも分かる、即ち自分もメンバー落ちの危険性があるのだ。
今回は3人選ばれたものの、全体の編成を考えるとユーフォが3枠で固定とは限らない。
低音強化を重視するならチューバこそがより重要だから(後藤先輩と梨子先輩が抜けた穴は余りに大きい)。
その低音パート、チューバの選考で注目すべき展開。
葉月が遂にコンクールメンバーに選ばれたのは何より素晴らしい。
アンサンブルコンテストを経て着実に演奏力が向上してたから期待は持てたが、実際名前を呼ばれるまで気が気ではなかったろう。
これはめでたい。
一方、初心者スタートの後輩すずめが選ばれ先輩さっちゃんが落選。
こちらはショックを隠せない(直前のすずめら後輩への的確な指導を含む練習風景の描写は明らかに伏線だった・・・)。
この結果にわだかまりを持つのがさつきと特別仲のいいみっちゃん。
久美子部長に不満をぶつける。
久美子の説明に一応の納得を見せるが「1、2年生は滝先生をそこまで神格化してません」の台詞は突き刺さる。
ダメダメだった北宇治を短期間で全国まで導いた先生を崇拝する3年生。
しかし後輩はダメダメだった当時の吹部を知らないので、その真摯な指導に尊敬はするも上級生程の絶対的信頼はない。
この世代間ギャップも今後尾を引きそうだ。
滝先生のもとへこの件で質問に向かうも、妥当な理由を解説され受け入れざるを得ない久美子。
前回までいろんなゴタゴタがあったがさすがオーディション回、それらを吹き飛ばすレベルの暗黒世界?が始まった。
これぞユーフォの物語の醍醐味で、部長久美子と奏者久美子の両面で解決困難な苦悩がいよいよ本格化する。
第六回の感想は例によって改めて後日。
最後に恒例のエンドカードという名のネタ枠。
こんなにシリアスな放送をした後にこれですか(笑)。