もう四半世紀ですか。
遅れてファンになったので『花のイマージュ』をしっかり聴いたのはこれが初めて・・・いや、正確に言うとこのCDが出るちょっと前にラジオでオンエアされた時が初めて。
TOKYO−FMの「アフタヌーン・ブリーズ」で高見恭子が担当してた日だから前半パート・午後1時台だったような、とにかくその放送で解禁されたのを耳にしたのが最初で、正直〈古い音だなぁ〉というのが第一印象だった。
曲がどうこうではなく反応したのは音そのもの。
全体に軽く低音が薄い典型的な80年代のサウンドで、90年代の音楽にどっぷり浸かってた最中に聴くと一時代前の音にしか聴こえなかった。
その瞬間に気付かされたのだ。
こんなに長い時間が過ぎてしまったんだな、と。
時代という次元でサウンドの違いを明確に捉える段階にまで時を経なければ再び公の場には姿を現せなかったことに事の重大さを改めて認識されられたのを思い出す。
あの時点でおよそ13年。
今以上に遠い年月に感じられたのが不思議で、いろんな意味で封印され、曲を含む彼女の姿に接する機会が極端に少なかったあの頃だからこそ湧いてきた感情だろう。
ネットで簡単に情報を得られる現在ではまず生じないタイプの心境かもしれない。
もっと音質の向上した音源を今ならいくらでも聴くことが出来るが、あのマスタリングだからこそ喚起される感情というものが少なくとも自分にはあり、それはそれでひとつの思い出となっている。
90年代末にしか抱き得ない大切なユッコの記憶、とまで言ってしまうのはやや大袈裟か。