時計の秤 | 秋色コスモの 機械式時計と趣味のブログ

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人生漫ろ歩き 時を刻む
美しいもの、大切なもの、
ありのままに‥‥

四半世紀以上前のオタ黎明期に、


行きつけのあるショップで


店長にこう言われた。


時計を手放すかどうか迷ったら、

買取金額と時計をアタマの中で並べて

秤に掛けて考えてみな。金額の方が

魅力的に写って欲しいと思ったら、

もうその時計はそこまで。売りな。


SLY爺もそんなとこだろう。




私が見切りを付けるのは、


ロマンや魅力を感じていた部分が


逆にウザ面倒臭いと思えたり、


もう着けてもワクワクしない、


着ける気にもならない、と思った時。


買うまでの高揚感を対比して考えると


悲しい事実ではあるが、仕方ない。




不幸な時に、幸せだった頃を

思うほど惨めなことはない


とはダンテ神曲の一節だが、


処分を考えている時に、購入までの頃を

思うほど惨めなことはない


ということはない


惨めどころか、


だからこそ一刻も早く手放したい、


と冷めて割り切ってしまうのが私。




リセールバリューを知って、


秤にかけて考えることも実はない。


価値換算された金額で処分を決めるほど


愛機に対して失礼なことはないし、


そこまでカネに困っているわけではない。




もっとも、そのカネで次に買う時計を


考えている場合は話は別だが。そう、


つまり、次に買う時計と引き換えに


今あるこの時計より、次の方がいい。


バーター的なバリューまでは行かずとも、


次の時計を買うタシになるのなら‥‥


そう思ったら、もうその時計はそこまで。


売りな、


なんだな、私にとっては。