「仕事中は電話の声を二割増しのトーンにするべし」 と
林真理子がずいぶん昔にエッセイで書いていた。
理由は
電話は姿が見えない分、普段の声の調子のままだとぶっきらぼうで横柄な悪印象を与えてしまうからだそうです。
緊張と相手への敬意があれば自然に声は高くなるものですけど
電話ではぶりっ子するくらいでちょうど良いのよ。
言い換えれば
家で家族と話すまんまの調子で取引先の電話に出るってことは
相手に対しては失礼千万な態度なのであり
学校を出たばかりで営業職にいたわたしは大いに参考にした覚えがあります。
で
なんでそれを今思い出したかと言うと
今朝はばーちゃんが退院するので夫婦そろって迎えに行きましてね
病院から引き払う手続きだけで非常に時間がかかり
タクシーで帰宅後、くたくたに疲れて休んでいる間にその病院からのお電話があったようで折り返しますと
「〇〇病院内科でございます」と出るべきところをなんと
「はい?」 って…。。。
はい?
てなんやねんなめとんのかワレ!!
と申し上げたいくらいの非礼なナースがお出になりましたの。
気をとりなおし
「えり湖と申しますが、先ほどお電話いただきましたのに着信に気付かずすみません…」と電話用の美声で名乗ると電話の向こうの社会人は
「あー…ちょっと待ってもらっていーですかぁ?」と
コタツで寝てんのかっちゅう緊張感のないお声でお返事くださいましてね。
「ただ今呼んでまいりますので少々お待ちください」ぐらい言えや仕事中やろアホンダラ と申し上げたく思いながら
「ハイお願いします
」と電話用の美声でもって
しばらくすると担当の方に代わり用件をお話しになるには
さっきの退院手続き時に薬を渡し忘れたのでもう一回来てほしい、とのこと。
こっちが取りに行くんかい……
遠方でしかも多忙なので郵送していただけませんかと丁重にお願いすると
「あーそれはできないんですよー」とこれまたアホ丸出しの返答をなさるものですのでね
そらおんどれの勝手な判断ちゃうんかい!ヘマしとんはそっちやろ!また着替えてバス代はろて来いゆーとんかいゴラァ!
と申し上げたい気持ちをグッと飲み込み
「それでは仕方ないですね、明日参ります。主人が」
と
またまた美声でお返事したわたしって
大人でしょう。。。?
ちなみに
事情を話し
「明日、お出かけのついでに病院に寄って下さらない?」と美声で頼んだところ
「わかった。そういうことなら今から行ってくるよ。」って実にさわやかに言ってくれた主人ってやっぱりス
テ
キ
「本当?ごめんなさいね、暑いのに…
」と
とびきりの美声で送り出しました。
布団の中から手を振って。
声についての話はまだあって
わたしは仕事柄
日に40~60件の電話応対をしているから
一年だと何件くらいになるんだろ。とにかくけっこうな数になる。
だからこそ自信を持って断言するんだけど
電話口の声でその人の仕事能力の大方の予想がつく(と思ってる)。
どういうことかと言うと
わたしの仕事というのは電話を介して地図を見ながら指定場所にかかる法令の説明をするもので
そのためには当該地の正確な位置を伝えてもらう必要があるんだ。
ここで位置情報をてきぱきと要領よく説明できる人はわたしの話への反応も素早い。だから用件もあっという間に片付いてしまう。まだ業務経験の浅い方でも同様で、その場合は「不勉強で申し訳ありません、その条例はどういう内容でしょうか」とそれはそれは礼儀正しくお尋ねくださり理解もきわめてスムーズだ。アタマ良い人だなって思う。男性が多いですね。
逆に
東西南北すらあやふやで実にまどろっこしい人もいるの。
そういう人に限って
「建設省のショウってどう書くんですか」とか言い出してこっちを絶句させたり
「附属小学校のフってどんな字ですウ?」「附録の附です。こざとへんに付く、と書きます」「こざとへん?それって何ですかァ?」と平然と訊かれるまでに至っては
アンタそりゃあまりにも勉強不足でしょ…
と情けない気持ちにもなり
なによりものすごく疲れる。
申し訳ないけどこういう場合は非常にイライラしたり
この人に専門用語を使っての説明はちょっと無理だろうなあと
失礼ながらそういう判断が頭をかすめることもある。(しょーがないじゃん社会って甘かないわよー!)
それで不思議なことに
その賢さと声の質の良さとは見事に比例しているのよ!これホントの話。頭が切れる人の声ってシビれるほど良い味があるの。
そういうわけで
仕事に対する能力と自信と意欲は声に反映されるという
声フェチのわたしの自説は日々確固なものになっています。
まあ
それって声が良ければすべてを大目に見ちゃうだけの話じゃんと言われれば
ちょっと言い返せないんだけど。。。
そんなわたしが
DAIGOの声を思い出してみる。
良い声だとは思う。
元々はシンガーだしね、今は違うみたいだけど。
でも、わたしが一番素敵だと思ったのは歌声じゃないんだ。
「DAI安」で大先輩の河村隆一氏がゲストだった時。もう何年も前よ。
どっきりで突然目の前に河村氏が現れたものだから狼狽してボケキャラを演じる余裕もなく
思わず素が出たDAIGO。
今までどの番組でも発したことのない
非常に低くて穏やかで緊張感のある礼儀正しい声で
とにかく河村氏への敬意のこもった姿勢でこの方の音楽活動について質問していた。珍しく笑いから離れた真面目な内容だったことを覚えてる。
あの態度はすごく良かったんだよなあ。録画に残してなかったかしら。改めて見たらまたファンに戻ってしまうかも。
まあ見ないんだけどね。
とにかくあの時わたしはホントDAIGOに心底惚れ直したし
あれが彼の本質なら
それこそ一流中の一流の男前だとも思ったのよね。
DAIGO…
やっぱりあなた
バラエティ路線からは方向転換したほうが良いよ。。。。。。