孫崎先生の講義を聞いて生徒としてこの問いに答えるなら…
・安倍元首相の国葬を正当化できるか➡︎(NO❗️)
・バイデン大統領のサウジ訪問で、サウジを反中、反露に組み込めたか➡︎(NO❗️)
孫崎先生は、キッシンジャーが重視する”the art of compromise(妥協の技術)” の考えに非常に共鳴されているようだ。
外交官として、異なる言葉、異なる宗教、異なる文化の人々と国の利害が絡む交流交渉してきた長いキャリアの中で醸成された深い共感なのだろうと思う。
知性ある指導者であるならば、「敵であても、敵に対し妥協しなければならない」のである。
巨視的な視野で、妥協せず突き進んだ場合の国民の不幸を招くマイナスを合理的に測れば、妥協して折り合いをつけるべきなのである。
https://www.washingtonpost.com/opinions/henry-kissinger-to-settle-the-ukraine-crisis-start-at-the-end/2014/03/05/46dad868-a496-11e3-8466-d34c451760b9_story.html
”Ukraine has been independent for only 23 years; it had previously been under some kind of foreign rule since the 14th century. Not surprisingly, its leaders have not learned the art of compromise, even less of historical perspective. ”
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安倍元首相の国葬を正当化できるか
バイデン大統領のサウジ訪問で、サウジを反中、反露に組み込めたか
https://live.nicovideo.jp/watch/lv337822277
●政府は9月27日武道館で安倍元首相の国葬を行うということを発表した。
安倍元首相の殺害事件に対して異常な状況の中で国葬の決定が行われている。
哀悼の意を表する、その流れで安倍元首相の評価を行う、しかし、批判は許さない。
これが大きな流れ。
そのなかで、本来、安倍首相が国葬に値するかどうかは殆ど議論されない。
極めて単純なことは、この事件が起こるまで、日本の国民が安倍元首相に対してどのような評価をしていたか?
思い起こせば、安倍元首相は支持率が急落して首相を辞めたのである。
辞任の直前のNHK内閣支持率は、支持するが34%、支持しないが47%だった。
国民の半分以上は安倍元首相に否定的な思いを抱いていた。
ところが、政府側は、国葬に対して野党には反対する人はがいるけれども、国民の反対の声はないと言う。
それほど、安倍首相に対する正当な評価をできない雰囲気が作られている。
これが大きな問題である。
「国葬」には法的な根拠がないと言われる。
「国葬令」は1947年に失効している。
”失効した”ということは、政治家の国葬というものは行わない方が良いという判断があったからだろう。
歴史的にみると、大久保利通、岩倉具視、山本五十六などが国葬であった。
国葬の政治利用は好ましくないという判断があり、国葬を廃棄したのである。
岸田首相の国葬の決定について、読売は、”首相が慎重論退ける” ”自民の国会議員の約4分の1にあたる93人が所属する安倍派への配慮もある。”と書き、
時事通信は、”安倍氏を支えた保守層への配慮を示す狙いがある。”と書いた。
つまり、読売ですら、《「国葬」を政治利用しようとしている》ということを書いているのである。しかも、《自民党の中の「安倍派対策」のために国葬を行おうとしている》のではないかと書いているのだ。
国葬にせねばならない一番大きな理由が、「安倍派対策」であるとするならば、政府は、当然のことながら、国葬を行う理由を明確にできない。
●さて、
いま世界で起こっている現象をみると、大きな構造変化が起きている。
ソ連が崩壊して1990年くらいから、どんどんアメリカの一極支配が完成し、
アメリカの一極支配が世界を覆ったのは2000年くらいから。以来アメリカの支配が続いてきた。アメリカは、経済、軍事が最強の国であり、それを背景に外交等々においても主導を占める。このようなアメリカ一極支配の流れが続いてきた。
従ってアメリカに従属する体制は、G7を中心とする西側だけではなくて、世界の他の国々も追随するという状況にあった。それを裏付けるのは、アメリカの経済力、軍事力であったが…
そのアメリカ経済は、実質的に、中国の下になった。
CIAは、各国の経済力比較をみる購買力平価ベースにおいて、中国がアメリカの上をいっていることを提示。また、GDPでは、G7の7カ国の合計よりも、非G7(G7以外の国)の合計の方が上だという状況である。
それらは、米国の支配が揺らいできている状況を示している。
それを明確に示してきたのが、インドネシアで11月に行われるG20の首脳会議について、バイデンが「プーチンを呼ぶな」と言ったのに対し、議長国インドネシアは、”プーチンを呼び、併せてウクライナ大統領も呼ぶ”という対応を執った。
APECの金融大臣会議でも同じようにアメリカが「ロシア糾弾」をしようとしたがまとまらず、それだけではなく、その会議の主催国タイは、そのすぐあとに、”ロシアと経済協力を強化する”と発表した。
その代表的な例が、最近のバイデン大統領のサウジ訪問だろう。
中東情勢において、今、サウジの発言が一番大きいウエイトを占めている。だからこそ、サウジとイスラエルの関係を強化することがアメリカ主導のもとに行われてきた。
アメリカ主導のもとに、「対イラン包囲網」を作るという状況を実施してきた。
パレスチナの弾圧を行い続ける、イランに対して包囲網を敷く、これを中心に行なってきたのがサウジである。
サウジとアメリカの強固な関係が築かれていた。
しかし、サウジとアメリカの関係、これが綻び始めている。
ひとつは、サウジの皇太子が、アメリカにいたサウジのジャーナリストを殺害事件に関与しているという問題。
https://www.bbc.com/japanese/56219354
このサウジ記者殺害を皇太子が承認したという事件は大きい問題となったが、それ以上に、大きいのは、構造的問題である。
バイデンのサウジ訪問とほぼ同時に、サウジ外交担当大臣が「我々はアメリカと良好な関係を持つ。しかし、それは、ロシア、中国と良好な関係を持つということと相反しない」と述べた。
その背景には、もはや経済的な関係においてサウジにとって、アメリカよりも中国、ロシアの方が大事であるという状況がある。
サウジの貿易、輸出量(基本的に石油)をみると、1位・アラブ諸国連邦、2位・中国、続いてインド、シンガポール、バーレーン、米国、トルコ、エジプト、クエート。
中国は、アメリカの5倍弱。かつ、中国はサウジに投資をしている。
したがって、サウジは、アメリカでなく、中国にシフトしている。
且つ、サウジは、ロシアとは、同じ産油国として、最大の産油国同士の”石油生産の調整”を行う同じ舟に乗っている。よって、サウジはロシアに対し”一方的な攻撃はしない”。
バイデンのサウジ訪問の目的は、「対中、対ロ包囲網」の取り付けであったが、それができなかった。
バイデンの中東訪問は、失敗した。
世界の状況は、ウクライナ問題を契機に、一段と「G7の後退と非G7の台頭」という構図が明確になっている。
西側諸国は、ロシアのウクライナ侵攻のあと、経済制裁をおこなった。一番は、ロシアからの石油の輸入を止めようとしたが、インド、中国がこれまで以上にロシアの原油を買い、若干の値引きはあったがロシアの石油の収入は去年に比べ40%以上増加した。石油の生産も10%ダウンの90%ほどでほぼ影響なし。当然のことながら価格の上昇によって十分に石油収入はカバーされている。
苦しんでいるのは、むしろ、ロシアの石油や天然ガスを買わないという姿勢を提示したヨーロッパを中心とする西側だった。
ロシアへの経済制裁は、このような皮肉な状況を生み出している。
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2022/7/16(土) 21:30の孫崎チャンネル
https://live.nicovideo.jp/watch/lv337730772
●制裁を課しているアメリカ、イギリス、日本はいったいどうなったのか?
アメリカは大変なインフレで、インフレを最大の政治課題となり、バイデンの支持率は急激に落ち38.4%となった。
ヨーロッパ諸国も深刻なインフレであり、イギリスのジョンソンもロシア制裁を強行に主張していたが、辞任に追い込まれた。
政治的に不安定なのは、制裁を受けた側のプーチンではなく、制裁を課す側の西側諸国である。
日本は、ロシアとの関係では、「サハリン2」に権益を持っているが、これを場合によっては排除しようという動きをロシアは示してきている。岸田は断固として守ると言っている。
しかし、ロシアにとって、日本は、戦争相手国に対し経済的に政治的に、また少々の兵器援助などの支援をしている国、そして経済制裁に参加している国である。
にもかかわらず、日本がロシアに「約束を守れ」と言うのは、あまりにも身勝手というものだろう。
なぜ、日本の経済界の人々が、「日本の対外環境は平和的にすることを推進すべきだ」「それが我々の企業基盤なのだ」と主張しないのか不思議でならない。
●本来は経済的な結びつきが(アメリカから離れて)違った方向に行くのに、そこに意図的に軍事的な危機を作ることによって、その経済的な関係を断つ。それは今、ヨーロッパで起こっている。ウクライナ危機によってロシアに対峙するという危機を埋め込む。それによってヨーロッパ諸国を自分たちの陣営に引き摺り込むということを行っている。
それをアジアにおいても同じような状況を作ろうとしている。
一つは、台湾、一つは北朝鮮の問題。
もし今、北朝鮮の問題がなければ、韓国の貿易は、圧倒的に対中貿易の方が対アメリカよりも大きいはずである。韓国と中国との関係が強化されることに楔を打つのに作られるのが北朝鮮の問題である。
日本も同じで、放っておけば、日本と中国の関係が緊密化する。そこに意図的に台湾の問題を埋め込むということが起こり得る。
同じような状況が、中東にも起こっていて、中東においても放っておけばアメリカから離れていく。そこに、軍事的な危機を埋め込む。イランとの関係、その延長戦でイエメンとの関係。こういうものを埋め込むことによって中東諸国の脱アメリカを阻止するということが起こっているのではないか。
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報道:国葬について
✔︎国葬、当初は「国民葬」軸に検討…首相が慎重論退ける
読売新聞 2022/07/15 07:59
”首相は14日の記者会見で、安倍氏の葬儀を政府が費用を全額を負担する「国葬」とする理由についてこう説明した。自民内では首相の判断を歓迎する声が広がっている。高市政調会長は「国際社会で大きな存在感を示し、実績を残された。国葬は当然だ」と語った。
政府内では当初、「国葬」の形式にするのは難しいとの見方があった。戦前の国葬令は1947年に失効した。67年に吉田茂氏の国葬を閣議決定で行った例はあるものの、80年に死去した大平正芳氏以降は、政府と自民党が共催する「内閣・自民党合同葬」が主流となった。葬儀費用の全額を国費で賄えば、世論から批判が出るとの懸念もあった。
このため、政府は合同葬か、政府と自民党のほかに財界などの国民有志も主催者に加わる「国民葬」の実施を軸に検討していた。
一方で首相は、多大な功績をあげた安倍氏を国葬で弔いたいとの思いが強く、実現を模索した。安倍氏の葬儀が行われた増上寺やその周辺には多数の市民が詰めかけ、首相周辺に「国葬がふさわしい」との声が多く寄せられたことも首相を後押しした。首相官邸は内閣法制局と法的根拠について協議し、国の儀式に関する事務を内閣府の所掌として定めた同府設置法に基づき、閣議決定で実施するのは問題ないと結論づけた。
国葬の決定には、自民の国会議員の約4分の1にあたる93人が所属する安倍派への配慮もある。首相側は14日夕の記者会見を行う約1時間前に、安倍派幹部に国葬実施を伝えた。同派の西村康稔事務総長は「国を挙げて功績を評価するのは、安倍氏を支持した多くの人が望んでいたことだ」と歓迎した。”
✔︎異例の対応、保守層へ配慮 国民の理解カギ―故安倍元首相の国葬 2022年07月15日07時12分
” 岸田文雄首相が自民党の故安倍晋三元首相の国葬を決断したのは、戦後1例しかない異例の対応で安倍氏を支えた保守層への配慮を示す狙いがある。”
”大平正芳氏以降はおおむね内閣と党の合同葬が定着していた。
だが、安倍氏の場合は衝撃的な事件で命を落としたこともあり、安倍派を含む保守系議員から国葬を求める声が上がっていた。12日の家族葬には、多くの参列者が駆け付けメディアの報道も集中。献花台が設置された自民党本部には連日、支持者らの長い列ができている。
党内は歓迎している。安倍派の西村康稔事務総長は記者団に「内閣としての判断はうれしい。国を挙げて功績を評価するということだ」と指摘し、保守派の閣僚も「首相が決断してくれて良かった」と語った。一方、「保守層をつなぎ留める狙いもある」(幹部)と打ち明ける声や、「妙な神格化が怖い。これを利用する政治家が出てこないことを願う」と懸念を口にする向きもある。
安倍氏は財務省の決裁文書改ざんなどでも強い批判を浴びた経緯があり、インターネット上では国葬について賛否が交錯している。2020年に行われた中曽根康弘氏の合同葬は、約1億9000万円の経費を国と党で折半。一部世論は「高過ぎる」と反発した。
他党からは疑問の声も上がっている。立憲民主党の関係者は「簡単に決めていいのか。安倍氏を賛美することにならないか」と指摘。同党幹部は「死去直後で表立っていなかった批判が今後、顕在化する可能性がある」と述べた。泉健太代表はコメントを発表したが、「国葬は厳粛に行うものでご冥福を祈りつつ静かに見守りたい」と、賛否には言及しなかった。
公明党関係者は「安倍氏への批判もある中、うちとしてはやりたくない。静かに送れる雰囲気ではなくなるかもしれない」と語った。党内には閣議決定ではなく新法制定を求める意見もある。山口那津男代表ら幹部はコメントを出さなかった。
自民党関係者は「国葬への支持は7割は必要だ。政府が国会でしっかり説明しないといけない」と述べ、国民の理解が重要だとの認識を示した。”
報道:バイデン サウジ訪問
✔︎Saudi Arabia’s ties to the U.S. and China are not mutually exclusive, minister says
CNBC PUBLISHED SAT, JUL 16 20225:37 AM EDT
Natasha Turak@NATASHATURAK
https://www.cnbc.com/2022/07/16/saudi-arabias-ties-to-the-us-and-china-are-not-mutually-exclusive-al-jubeir.html?&qsearchterm=Biden%20Saudi%20Arabia%20%20china
Saudi Arabia will continue to strengthen its relationships with both the U.S. and China, one of the kingdom’s top diplomats told CNBC as President Joe Biden paid a closely-watched official visit to the country.
“We build bridges with people; we don’t see one as exclusive of the other,” Saudi Minister of State for Foreign Affairs Adel al-Jubeir told CNBC’s Hadley Gamble in Jeddah.
“We want to be able to deal with everybody and we want to be able to engage with everybody. This is what we have done,” said al-Jubeir, who was recently appointed as envoy for climate affairs.
“China is our largest trading partner. It’s a huge market for energy and a huge market in the future. And China is a big investor in Saudi Arabia — the United States is of course, our number one partner when it comes to security and political coordination, as well as investments and trade between the two countries.”
The conversation took place against a backdrop of Biden’s much publicized — and criticized — visit to the Middle East, his first since taking office. The president was on a mission to restore ties with Saudi Arabia, a strategic ally of some 80 years, and a country he has spent years excoriating for its human rights abuses.
In a blatant turnaround spurred by painfully high gas prices for American consumers, a food and energy crisis triggered by Russia’s war in Ukraine, and a desire to bring the Saudis and Israel closer to one another, Biden this week praised Washington’s long-held relationship with the kingdom and went to lengths to explain why it was vital for U.S. interests.
Those interests, the president wrote in a Washington Post op-ed last week, include regional stability and security, counterterrorism, a united front in dealing with Iran, a ceasefire in Yemen, and oil market stabilization. Saudi Arabia is also Washington’s top weapons buyer.
Hedging their bets
Another ongoing aim of the administration is to convince Gulf countries, which rely on the U.S. for security and military equipment, to help isolate Russia and China.
Following years of inconsistent commitment from Washington, starting with the Obama administration’s declared desire to “pivot” away from the Middle East and to Asia, governments in the region have expanded ties with the two U.S. adversaries — particularly China, which is Saudi Arabia’s top trading partner and among the top buyers of its oil.
Many regional officials and analysts alike argue that these states can’t be blamed for trying to hedge their bets, especially when China is such a lucrative trading partner and investor, and when Saudi Arabia’s hard-won relationship with fellow crude exporter Russia allows it greater control over oil markets.
One such example is specific types of arms that the U.S. isn’t yet selling to Arab allies: lethal drones.
Saudi Arabia and the United Arab Emirates — despite being closely tied to Washington, hosting U.S. military bases and requiring American training to use U.S.-interoperable weapons systems — have been buying lethal drones from China because they can’t get them from their American allies due to strict export controls.
In a sort of Catch-22, Washington is now withholding certain arms from the UAE because of concerns over its relationship with China.
Still, the sheer scale and depth of the political, military and economic ties between Washington and Riyadh mean that both sides have a clear interest in upholding the nearly century-old relationship.
“With the United States, we share a history and we share contemporary issues ... the challenges in our region, whether it’s Iran, Yemen, Iraq, supporting Iraq, Syria, Lebanon, peace process, Horn of Africa, G5 countries of the Sahel stabilizing Libya, Afghanistan... our relationship with the U.S. in dealing with these issues is critical,” al-Jubeir said.
It’s important “for the mutual benefit of the two countries, and so that relationship is very solid and very strong,” the minister added. “And we believe that the last 80 yearsit has provided tremendous benefits to both countries, and we look forward to building for the next 80 years.”