マイケルが「Brace yourself 」で引用した
「Carmina Burana(カルミナ・ブラーナ) O Fortuna(オ フォルトゥナ)」。
カルミナ・ブラーナとは、
カルミナ=(詩集、歌集)、
ブラーナ=(ボイレン村(ボイレン村の呼び名はブーラ))という意味で、
南ドイツのボイレン村の教会の図書室で発見されたので
「ボイレンの歌謡集」と呼ばれるようになりました。
発見されたこの歌謡集は、
「Goliards(ゴリアール)」という 中世の放浪歌人の歌を集めたものです。
これに基づいて、ドイツの作曲家カール・オルフが作曲した
カンタータです。
ゴリアールとは、
12~13世紀に存在した
フランス、ドイツ、イタリア、イングランドなど
ヨーロッパの大学の聖職者の放浪学僧のこで、
彼らは、酒を酌み交わし、
リズム感のある韻律をもったラテン語(古代ローマ共和国の公用語)という
古代言語を用いて、
キリスト教会の堕落に対する風刺を、
歌、詩、パフォーマンスで表現しました。
ゴリアール達は、
キリスト教会では、人々に現世の虚しさ、来世への希望を植え付け
宗教に縛るために用いた「メメント・モリmemento mori(死を忘れるべからず)」の警句を
古代ローマ的に解釈し、 carpe diem(今を楽しめ)
「食べ、飲め、そして陽気になろう。我々は明日死ぬかもしれない者なのだから」という
考えから、教会への抗議運動も、見物人の笑いが起きるような遊びの精神のあるものでした。
彼らは、腐敗した権力に組せず、教会を風刺し
ブラックジョークを織り交ぜて真実を告発する若き放浪者たちであり、
いにしえの知恵(先人・賢人の導き)を伝えようとするメッセンジャーでした。
ゴリアールという言葉は、やがて、
中世フランスに現れ、
各地を遍歴して民衆文化の伝承の担い手としての役目をはたした
大道芸人「ジョングルール」、
あるいは、中世ヨーロッパにおいて宮廷に仕え、
音楽などの芸に秀でた職業芸人「ミンストレル」などの
吟遊詩人を指す言葉として継承され、
元々の聖職者との関連は失われていきました。
マイケルやZEPもまた、
現代のゴリアールのような存在なのかもしれません。
ZEPの『天国への階段』の一節にあるように、
このような放浪者、"rolling stone"達のメッセージが人々に耳に届き、
拘束された魂を解き放ち、人生を謳歌するときこそ、
彼らは『隠者』の賢人のように"moss-covered stone"として
腰を落ち着けられる世界になるのでしょう。
if you listen very hard
The tune will come to you at last
When all is one and one is all
*To be a rock and not to roll.
もし君が一生懸命に耳を澄ませば
ついにあの調べは君の元にやって来るだろう
皆がひとつになり ひとつが皆になり
一個の岩として在り、転ることを止める時
The Hermit

◆正位置の意味
経験則、高尚な助言、秘匿、精神、慎重、思慮深い、思いやり、単独行動。
◆逆位置の意味
閉鎖性、陰湿、消極的、無計画、誤解、悲観的、邪推。
◆寓話の解釈
老人の持つ杖と衣装、特にフードの部分が道化師を連想させるが、
「愚者」と関連すると考えられ、「愚者」が当ての無い放浪者を象徴するのに対し、
このカードに描かれる老人は「元・放浪者」と解釈される。
旅を終えた先輩として、未だ旅を続ける後輩の「放浪者」達に
手に持っている灯りで「先人・賢人の導き」を与えている。
Wheel of Fortune

◆正位置の意味
転換点、幸運の到来、チャンス、変化、結果、出会い、解決、定められた運命。
◆逆位置の意味
情勢の急激な悪化、別れ、すれ違い、降格、アクシデントの到来。
◆寓画の解釈
「運命対自由意志」を提示している。輪は周期性・永続性の象徴とされる。
フォルトゥナ(Fortuna)は、運命を操るための舵を携えており、
運命が定まらないことを象徴する不安定な球体に乗り、
幸運の逃げやすさを象徴する羽根の生えた靴を履き、
幸福が満ちることのないことを象徴する底の抜けた壺を持っている。