【タイトル】 NLPハンドブック
【著者】 L・マイケル・ホール
【ページ数】 407

 

 


【読むきっかけ】

NLP関係の本で、Amazonで表示され、Mind-Linesの著者のマイケル・ホールの作品だったので読んでみようと思った。
【何を得ようと思ったか】
ハンドブックとあるように、膨大なNLPのテクニックを網羅し、整理されていることを期待して。

【対象】 すでにNLPを十分学んでいる人で、包括的にとらえたいと思う人。初心者向けではない。
【評価:★5段階で】
 難易度:★★★★
 分かりやすさ:★★
 ユニークさ:★★
 お勧め度:★★

【感想】
NLPハンドブックと書名にあるように、NLPのテクニックのパターン集でもある。代表的なワークはほとんど網羅されている。これまでNLPの本はかなり読んできたので、77パターンすべて知っているだろうと思っていたが、10パターンぐらいは要素としては知っていたが、エクササイズとしては知らないもの。NLPの開発者は多いため、時代とともにいろいろと生み出されるため、網羅するのは難しいだろう。

私自身も、NLPのプラクティショナーコースを受けたときに、あまりにも多くのワークがあるため、分類し系統立てたくなり、まとめたものだ。
とはいえ、個々のワークそれぞれに関係性があり、ロジカルレベルが揃っているとは限らないため、整理するのは大変だった。

この本も、77パターンを7つのカテゴリーに分けているが、私にはあまり適切な分類とは思えなかった。また、似たようなワークもあり、カテゴリ間の境目がはっきりしない部分もある。また、ハンドブックというには少し実際のエクササイズに使うには情報が足りない感じがする。

例えばパートに関するワークはいくつもあるが、共通部分も多い。こういうのはまとめたうえで、亜流1,2という感じで整理されている方がいい。

どんなものがあるのか横断的に見るのはいいだろう。
マイケル・ホールは学者で、難解なMind Linesの著者でもあるので、学術的な方向に走るきらいがある。そうすると表現は、わかりにくいものが多い。

本の構成としては、NLP自体の説明、NLPの設計、用語、構成要素について説明し、基本的なパターンの解説から入って、77パターンの説明に移る。ベースの理論から入って、具体的なパターンの説明に入る、というこの構成はよいが、どうにも綺麗に収まっていない。

また、アサーティブネスやアサジョーリの脱同一化のエクササイズまで含めているが、これはNLPに入れてしまっていいものか。ホールは、認知行動療法の専門家でもあるので、その枠組みも入り込んでいる気がする。関係性がつかめて、これはこれでよいのだが。

この本で繰り返し強調されるのは、
メタ・レベル
というものである。
NLP自体が、心理学の新しい分野ではなく、メタ分野であり、中身よりも構造に注意を向ける。実際のワークにおいても、心の中で起きていることを観察するために、メタ・レベルに行って体験のプロセスを作っている構造を見出す。
そして、コージブスキーの「地図は領域ではない」という言葉、ここに要約される。その地図自体の正当性に目を向けるのではなく、完璧な地図は存在しえない認識から出発して、どのように人間は地図を作り出しているのかに目を向ける。
メタ・レベルでプログラムを変更すると、広範囲の変更、システム全体の変更が可能になる。

メタ・ステートがコア・トランスフォーメイションと対比して説明されて言うが、コアに加工して深いコアステートにアクセスする代わりに、上位のロジカルレベルに上昇し、超越的なメタ・ステートにアクセスする。メタファが反転しているだけで、意味的にはほぼ同じだ。

「判定基準の序列を触運動覚的に規定する」ワークも、コア・トランスフォーメーションを場所にアンカリングして行っているように思える。各価値基準を別の場所にアンカー氏、上位の価値基準を感じた状態で、それの順に下位の価値基準の場所にリソースを携えて移動する。

 

「決定を無効にする」ワークがあるが、決定は信念が背景にあると思うが、真実ではなくても、過去に、「自分はこうすることに決めた」と言って、それが現在は適切でないにも関わらず、過去の決定に縛られてしまっているケースがあるので、その決定を無効にするワークとなる。バンドラーの本で、適切な決断を下すことについての記述はあるが、過去の決定を無効にすることは言及がなかったので興味深い。


メタ・プログラムは、現在LABプロファイルとして教えられているものに比べると、かなり細かい。

載っていないエクササイズは、
・DSR
・Generative NLP Format
・チェーンプロセス
・ミルトン言語
・パワークエスチョン
など。
エクササイズ自体は無限に開発できるので、網羅するのはあまり意味がないかもしれないが、エッセンスだけをまとめていれば、もっとわかりやすく、価値があると思う。

この本では、エクササイズを以下のカテゴリで分けている。

・パート
・アイデンティティ
・状態(ステート)
・言語
・思考の型
・意味
・戦略

これまでも
『こころのウィルス』ドナルド ロフランド
引き金、思い込み、葛藤
に分類するもの、

『自分を変える最新心理テクニック』リチャード・ボルスタッド
アンカー、新戦略、サブモダリティ、トランスワーク、パート、タイムライン、リフレーミング、対人関係、生理的状態、課題
に分類するものがあったが、ボルスタッドの分類が一番しっくりくる。

【NLPの主要な77バターン】

基本パターン 主要ハターンの基礎となるもの 
 #1 適格な目標を立てる
 #2 相手の世界モデルにペース合わせ/マッチングを行なう
 #3 状態のキャリプレーションを行なう
 #4 エコロジーをチェックする
 #5 反応の柔軟性を高める
 #6 状態を顕在化させる
 #7 状態を発生させる
 #8 状態を中断する
 #9 アンカーを設定する
 #10 肯定的な意図にアクセスする

主要パターン 変化を引き起こし、優秀性を活かすテクニック

「パート」間に不一致がある場合

#11 アンカーを同時に点火する
#12 パートどうしに交渉させる
#13 6段階リフレーミングを使う
#14 知覚のポジションを連携させる
#15 合意枠を作成する
#16 自己を連携させる
#17 内的な対立を解決する
#18 改良型ヴィジュアル・スカッシュを使う

アイデンティティと「自己」に問題がある場合 

#19 「サブモダリティ」を使って信念を変える
#20 脱同一化する
#21 再刷り込みをする
#22a タイムラインを使う
#22b「時間」を顕在化させる
#23a 自分史を変える
#23b メタ・ステート・モデルを使って自分史を変える
#24 スイッシを使う
#25 卓越性の円に入る 
#26 決定を無効にする
#27 コア・トランスフォーメイションを使う
#28 メタ・トランスフォーメイションを使う
#29 親と和解する
#30 自分自身を愛する
#31 自足する
#32 内的な賢者から知恵を授かる


神経言語の状態に問題がある場合

#33 視覚と触運動覚を使って分離体験する/映画を巻きもどす
#34 リソースに満ちた状態にアクセスしてそれを管理する
#35 状態を自覚する
#36 アズ・イフ・フレームを使う
#37 状態どうしを連鎖させる
#38 「サブモダリティ」をオーバーラップさせる
#39 闘値を越える/抑えがたい衝動を爆発させる
#40 過ちを学びに変える
#41 意図的に強制する/ゴディバ・チョコレートを使う
#42 意思を決定する
#43 快楽を味わう
#44 快楽を減らす
#45 限定的な共感覚を分離する
#46 記憶をファイリングして保存する

言葉の使い方および言葉遺いの直し方に問題がある場合

#47 メタ・モデルを使う
#48 メタ・モデルⅢを使う
#49 名詞化を無効にする
#50 問題を明確にする

思考パターン、メタ・プログラム、認知のゆがみに問題がある場合

#51 相手のメタ・プログラムを見きわめてベース合わせする
#52 限定的なメタ・プログラムを見分けて問題にする
#53 メタ・プログラムを変える
#54 認知のゆがみを見きわめ異議を唱える

意味および意味論に問題がある場合

#55 内容をリフレーミングする
#56 状況をリフレーミングする
#57 「サブモダリティ」をリフレーミングする
#58 6段階リフレーミングをメタ・ステートとして使う
#59 信念における共感覚を解体する 
#60 価値観の序列を確立する
#61 判定基準の序列を触運動覚的に規定する
#62 思考ウイルスの予防接種をする

戦略に問題がある場合

#63a これまでとは違う行動を取る
#63b これまでとは違う行動を取り、その日1日を振り返る
#64 許す
#65 アレルギー反応を取り除く
#66 悲嘆を消散させる
#67 未来の悲嘆に先手を打つ
#68 健康的な食事をする
#69 共依存を解決する
#70 率直に自己主張する
#71 批判に応える
#72 適切な境界を設ける
#73 魔法の親をもつ
#74 過ちを学びに変える
#75 賢くじっくり考える/評価する
#76 ディズニーの戦略で創造的になる
#77 アイコンを回転させる

【要約・メモ】

NLP
 理論から離れ、どんなプロセスを使えば、それがどう作動しているのかを説明できるのかに焦点
 Whyではなく、howに重きを置く。前者が焦点を絞るのは説明であり、原因顛末の理解である。後者が焦点を絞るのは、プロセス及び構造である。

 「この問題の本質は何か?」という断定のBe動詞を使ったものから、「この人は自分が感じ取っている現実、体験した現実をどう構築してきたか?」に変わったのである。

 問題のコンテンツに没頭することこそが、実は問題の主要部分なのだ。コンテンツに没頭すると、問題や解決策についての視野が狭まり、一つのことしか見えなくなる。その問題が視界に巨大な姿を表すと同時に、例外や反証、代替案をフィルタにかけて除外してしまう。

セラピストやコーチもコンテンツの詳細につかまり、窮地について語るクライアントの言葉を催眠誘導として機能させてしまう。診断上のラベルはシンボルに過ぎず、他の言葉と同じように現実ではないことを忘れたときにもつかまる。ラベルは単なる言葉の地図だ。ラベルがラベルにすぎないことを忘れたとき、ラベルの背後にいる人物を見失う。

 

プロセス心理学

 いったん体験の構造を見つければ、内容(コンテンツ)のいかんに関わらず、言葉や表象、心の映画の映画的特性(サブモダリティ)、メタファー、フレーム、意味を使って、その構造を変えることができる。抵抗や心理考古学を飛び越え、原因を理解しないで済む。

問題は自分のパラダイムにあるのであって、世界にあるのではない。制約があり貧弱なものとして存在する世界が問題なのではなく、世界を表している自分の地図が疲弊しているのである。

 

ステート

・プライマリ・ステート

 恐れ、怒り、喜びなどの根本的な感情を含む状態

・メタ・ステート

 プライマリ・ステートに関する「思考-感情」を含んだ状態。恐れに対する怒りなど。

アンカーする際にどちらのステートをアンカーするか区別が必要。メタステートをアンカーするには、高度なスキルが必要。

 

表象内のロジカルレベル

 ・メタ・ステート

 ・信念・価値観

 ・言語(メタ・レベルの信号)

 ・サブモダリティ

 ・モダリティ(感覚に基づいた表象)

 ・意識に先立つ神経学的コード化

 

それぞれのレベルで使われるテクノロジーが変わる。


ワークで最も重きを置いている点
現在の状態あるいは問題について、本人が描いている地図を明らかにするのを助け、地図が明らかになったのちに、本人がリソースにアクセスし、リソースをその状態に適用して解決に向かえるよう、あるいは目標の状態に到達できるよう力を貸すこと。

問題を解決するためにその原因を知る必要はない。実際、問題意識を増大させすぎると、概して問題を強化することになる。

NLPは、人は誰でも皆「同じ」であるという前提は設けていない。そうした考え方をすると、閉鎖的で硬直したモデルが生まれる。NLPはむしろ、個々の違いがあることを予想し、期待している。誰もが固有の地図を使って作動しているために、「思考―反応」の仕方も人それぞれだと考えている。

状態を発生させる
体験の構造を発見しようにも、本人をその状態の中に入れないと、本人はそれを体験しているのではなく、それについて語っているだけになる。体験自体ではなく、体験に関するその人の持論を聞かされることになる。

 

 1. 状態を思い出す。
 2. 状態を創り出す 「もし・・・・だったら、それはどう見え、聞こえ、感じられるか?」 アズイフ・フレーム
 3. 状態を他の誰かにモデリングする
 その状態の強度を0から10ではかり、増幅するのは何か。

知覚ポジション
第4 わたしたち、組織やグループの観点から見る
第5 組織、組織に対するメタ観点から見つつ、同時に全ポジションに言及する。神の視点。

信念を変える

信念は、構造的には、考えや表象や状態に関するメタ・レベルの現象として機能する。

信念は、考えを肯定し、確認し、正当だと認めてはじめて生まれる。

バンドラー「信念を変えるのは比較的簡単だ。ただし、相手の同意が必要だが」

再刷り込み
トラウマ的状況を解決
 加害者に、害を及ぼす行為を止めるためのリソースを与える
 害を及ぼす行為を無罪放免しようというのではなく、自分の心の中に新しい地図を描くこと。悪行の犠牲者は、怒りや恐れが必要だという限定的な信念を構築し、内的トラウマを維持・継続しているのはそうした怒りや恐れ。そうした地図は犠牲者としてのアイデンティティを形成。再刷り込みがトラウマ的な出来事の記憶の解消に役立つのは、害を予防したはずのリソースを心の中で加害者に与えるとき。
 

 相手にリソースを与えるときは、まさに今その人が自分の心の中にいること、そのイメージや記憶が自分の脳から来ていることを自覚して与える。「そうです。これを取って、相手にあげてください。自分自身のためにそうするのです。」

記憶は絶えず変化する。新たな理解、発達、学習、体験を重ねるごとに、過去の記憶を改訂し更新し続ける。過去の記憶は一つの構築として存在するだけであることから、リチャード・バンドラーは言う。「幸せな子供時代を手に入れるのに、遅すぎるということはない」

 何を覚えているか、なぜ覚えているか、どう記憶を使うかは、その人の責任だ。元々好きでもない古いB級映画を回し続けて、否定的な心理状態に何度もアクセスすることになるのは、自分の脳を運営する方法として賢明なやり方ではない。

分離体験
現実の「分離体験」というものはない。それは一種の感じ方――感覚を失った感じ、体外にいる感じ、体験とつながっていない感じ――をいうための単なる方便である。私たちは常に何かを感じている。

知覚ポジションを変えれば、同じ情報を距離を置いた位置から眺めることができる。そうすると、その心理的な距離を保ったまま心の映画の中に入り、否定的な心理状態を実体験できるようになる。自分の思考から距離を置き、視野を広げることで、新しく持ち込んだリソースをその状況に与えることもできる。

状態を自覚する
まる1日、15分ごとに自問して、自分の状態を規則的にモニターする。
プラスかマイナスか、強度(0-10)。プライマリーステートかメタステートか。ステートの下に内的表象の内容と重要な役割を果たした生理的要因を特定して書く。状態を引き起こしたトリガーを示してもいい。

アズイフ・フレーム
希望する体験を特定し、希望するそのフレームの中に入り、それをたっぷり体験しているふりをすることを、自分に完全に許可する。

 

状態どうしを連鎖

否定的な状態(挫折感など)と希望する状態(平常心など)がわかったら、途中に2-4段階設ける。問題の感情から、常にリソースが増加し続ける状態へ転じることができる。挫折感から忍耐、落ち着き、受容を経て平常心に至る。最初と最後、中間にある状態のアンカーを設定する。最初のアンカーを添加し、次のアンカーを点火する。続いて2つ目のアンカーと3番めのアンカー...最後のアンカーを点火。

最初のアンカーを点火すると、自動的に目標の状態へ移動していく。

過ちを学びに変える
繰り返し発生している否定的なパターン
・そのパターンの稼働を支えている限定的な信念
・同じような構造を持つ体験を特定
・さらにひどいことが起こると想定して、その体験とを比較したらどう見えるか。自分が体験したのはその程度のひどさで、それ以上ひどいことが起きなかったことを感謝できるか。
・肯定的な副作用
・出来事の裏にある肯定的な意図
・出来事の肯定的な意味
・再編集 出来事が起きる前まで戻り、このプロセスで手に入れた洞察を使って出来事を追体験

快楽を減らす
好ましくないと思っている快楽を特定
メタ・ステート・レベルの意味、どんな肯定的な意味を得ているか。
メタ質問を繰り返す
メタ快楽にしている意味と価値観を取り除くことによって、快楽として味わえなくする(メタ・ステートの梯子を一つ覆って、手で覆うと快楽はなくなるか質問。いくつ意味を取り除いてやれば、それがプライマリレベルの「あるがまま」のそれとして存在できるようになるか)
未来ペース: 楽しいがもう要らない。これに余計な意味を与えることは拒否する。(自分にとって効果のある不快要素を加える)
最上位のメタ・ステートの快楽に十分アクセスし、その行動をとらなくても同じ状態になれることを実感する。

自分自身を愛する

自分のことを気にかけている人物を思い浮かべ、自分を愛する理由を考え、第二ポジションでその人に入り、自分の何に対して愛情を感じ、どんな言葉で説明し、どう見えるのか。愛されている感覚をアンカー。愛情を味わい、愛される自分の特質を評価しながらこれを感じる。


同一化
自分の考えや表象、言葉などはすべて記号にすぎないということ――それらは土地を表す記号であって、土地そのものではないということ――を忘れたときである。

メタモデル
常に感覚を研ぎ澄ませた状態を保ち、自分自身の意味や考慮、定義などを相手の言葉に投影しないように。「何も知らない」という準拠枠を採用して、自分自身の考えをほとんど入れずに心の映画を地図化する。

メタモデルは、私たちが言葉を使って心的な世界地図を創り出す仕組み、問題を教えてくれる。自分自身が言葉や考えにどう「意味的な反応」を示すのかに気づくとき、言葉は象徴的なものであり、意味的な現実であるということを体で知り、感じるようになる。その結果、言葉を現実ではなく単なる地図として使えるようになる

名詞化の構造
プロセスをまるで動かない「物」のように取り扱う。
わたしたちがそのプロセスに参加していないということをそれとなくほのめかしている。問題を自分のコントロール圏外、反応圏外にあるものとみなす。静的な永遠なるもの――ひたすら受け入れるしかないもの――と取り組んでいるという印象が生まれる。

問題を明確にする
例えば、ある人が自尊心の低下を訴えて、「仕事で失敗ばかりして...」
返答の仕方としてまずいのは、「ええ、おっしゃりたいこと、よくわかります」。これはその地図が正しいと認めて、それと自分の地図との比較を促すことになる。NLPではその代わりに、当人がこの抽象概念「自尊心」を引き合いに出すのに、視覚・聴覚・触運動覚を使って何を示しているのか、その結論に至るのにどんな判定基準や規則、価値観を用いているのかを質問する。これによって稼働中のプロセスを探し、特定することができるようになる。

メタプログラムを変える
変える方法のひとつは、「意識的にそうしようと決意する」こと。メタ・プログラムはたいてい意識の外にある。それを変えられないのではなく、変えていないというだけ。変える前にまず自分のオペレーティングシステムを見分けて正体を明らかにしなくてはならない。

力がつく思考パターン(思考の歪みを阻止)
1. コンテキストを考える
2. 双方ともを考慮する (二者択一の選択しかできないか。連続体の観点)
3. 現実検討を行う
4. 名詞化を無効にする
5. 体系的に考える
6. 情報を収集して考える
7. 試験的な先読みをして考える
8. 批評眼を持ちメタ思考をする
9. 「べき思考」について現実検討を行う (~ほうがいい。したいと願望思考に)
10. 個人化を無効にして考える (3人称の視点で)
11. 可能性を考える (もしできたら)
12. 評価する (何が重要か)

共依存を解決
共依存の関係では相手に過度にかかわり、自分が相手の反応について責任を引き受けるようになる。自分の自己と再結合し、共依存という関わり方を止め、何かについて負う責任と誰かに対して負う責任とをしっかり区別して、健全なもちつもたれつの人間関係を促進できるようになる。

批判に対して
肯定的に反応するスキルは、「言葉は現実ではない」という考えを自分のものにできるかどうか。批判は心の中に存在するだけで、この世界には存在しない。
情報をより完全に顕現化させる
「正確には何が言いたいのですか? あなたが心配していることを理解できるよう、力を貸してください」と頼む。
合意できる部分から始め、感じよく異議を唱える。

SCOREモデルのC(原因)
「原因」はそもそも歴史上実在するものではなく、自分が構築する地図である。その地図が兆候を発生させる。
ある出来事を示す地図と、その出来事とを混同しないように注意。

 

アイコンを回転させる

ビジュアルスカッシュ同様、対立する体験の表象を顕在化させ、統合する。

自分の現在の状態を考えたとき、どのようなイメージや表象が浮かぶか。手の中に現れるとしたら、何が現れるか? それをアイコンのような視覚的表象に変える。

到達目標についても、同じようにアイコンに変える。

それぞれのアイコンを相互の手に置き、位置を入れ替え、2つを回し続け、次第に速く回るようにする。2つのパートを統合した何かが合われるまで高速で回転し続ける。

いつ何をすべきか
NLPの柔軟性
どうすべきかについて、具体的な指示をしていない。むしろその柔軟性ゆえに四苦八苦する。わかりやすい柔軟性ではないからだ。

不安定な問題
 複雑で、そのプロセスで役割を担っているパートの数が安定した問題よりも多い。問題の要因となっているコンポーネントの数を尋ねることから始まる。コンテキストが重要な役割を果たす。
 複雑な問題は、一度に一つのコンポーネントに取り組む。

問題の4象限:複雑vs単純、安定vs不安定

意識的な気づき
気づけば、あっさりそれを止められる場合、コントロール力になる。
しかし意識的な気づきによって苦痛が強まる人もいる。批判的な気づきがあると、意識すること自体、問題を悪化させる。
情動的強度が強くても、内的なコード構造に従って作動していれば、そのフォーマットを変化させると、すぐにでも変えることができる。以前は、定着していて強ければ強いほど変化させるのが難しいと理論家たちは思いこんでいた。

習慣化
繰り返しで、意識しなくなっていくこと。しかし習慣化だけが問題を定着させるわけではなく、維持することが不可欠で、重要性や価値を与えることによって維持している。


動詞「is」の役割について
「あらゆる点で同一」であるという意味の同一性は存在しえない。全てのものが常に変化している。isを使うと、誤って地図に描くことになる。不健全と狂気の原因は結局のところ同一化にある。私たちが言葉で表現したものは、主に自分の内的体験・判断・価値観を語っているが、isは、ものが話し手の体験から独立して存在していることを暗示してしまう。
E-プライム:isを使用しない言葉。
E-チョイス:存在・助動詞・名詞のisのみ使う。