昨日のブログでは「単音での狂い」について、
わたくしの興味ある方向からお伝えさせて頂きました。
今日はオクターブ、和音の狂いについて、
引き続きわたくしの視点からお伝えします。
ピアノは温度湿度の影響を受けて、
色々なところの調整が変化します。
ピアノの弦は木部に張られているので、
湿度によって木が膨らんだり痩せたりするのに
合わせて、音が変わります。
音程で言うと、
湿度の上がる夏には音も高くなり、
湿度の下がる冬には音も低くなります。
そして、これが一律に上下してくれるわけではなく、
部分的に、極端に、
しかも、和音でとても良く使うあたりが
一番変化するという、
弾き手さんにとっては非常に困った性質を
ピアノは持っています。
先日、調律の前に動画を録らせて頂きました。
こちら↓
(不慣れで色々と良くない動画ですみませんm(_ _)m)
調律前ではありますが、
明らかに「ビヨヨヨヨーン」と鳴っている、
おかしいところがあります。
動画は、低いファのオクターブから始まりますが、
ドで結構変な感じになり、
レからは猛烈に変です。
そのまま音が上がっていって、
上のドに来たら猛烈度が下がり、
上のミくらいからは随時マシに聞こえます。
これは湿度の変化によるもので、
調律した時点から季節が変わると、
多くの環境ではこんな感じになりやすいです。
「オクターブが狂っている!」と言われる状態です。
オクターブが狂っているということは、
当然、和音も(平均律としては)成立していません。
こちらをご覧ください↓
動画のスクリーンショットにメモを入れてみました。
ピアノの構造上、
「さかい目」の右あたり、
中音域の下のほうの音が、
湿度の変化を最も受けます。
(ちなみにこの動画の状態は低音域ピッチ443Hz、中音域447Hz)
これはアップライトピアノも
グランドピアノも同じです。
そのため、写真のような
レのオクターブなどの、
さかい目を「またぐ」和音は
それはもう壊滅的な響きになってしまいます。
動画を見て頂くと、
オクターブのビヨヨヨヨーンは、
さかい目をまたぐ前、
またいでいる時、
またぎ終えた後で
印象が全く違うと思います。
このピアノは中音域の下2音は弦が巻線ですが、
仕様によってここも芯線のものもあり、
いくつもピアノを見ていますと、
ここが芯線のものの方が、この部分の変化が大きいです。
これは構造上の問題ですので、
湿度変化がある以上は
「仕方のないこと」ではありますが…
この部分の音域は、
音楽の「支え」としては絶対的に大切なところで、
ピアノ自身にとっても、ピアノは「共鳴体」ですから、
部分的にここまで変化=狂いが出ていると、
共鳴どころか響きが分離してしまいます。
これは音楽をやる上では、非常に困ったことです。
ではどうしたら良いか。
まずは日常の湿度管理です。
原因が湿度による木部の変化なので、
湿度ができるだけ一定であればあるほど、
この狂いは防ぐことができます。
あとは、調律をして直す(笑)
「おいおい~」とおっしゃる方もいらっしゃることでしょう(笑)
しかし私は声を大にしてお伝えしたい。
「生楽器の基本は使う度に調律」です。
ヴァイオリン、クラリネット、トランペット、マリンバ、
ギター、ドラム、など…
多くの生楽器は使う度に調律、そして使いながら調律です。
そうでないと、変化が大きくてとても使っていられないからです。
以前、あるチェリストさんが
「これだけ放っておいても使えるピアノって化け物級だ」
とおっしゃっておられましたが、
「生楽器」として見たときには、これが標準です。
実際、レコーディングスタジオや、演奏会場では、
ピアノを使用する度に調律を入れます。
昨日だれかが調律には入られたあと、今日は私が、
そして明日はまた他の方が…ということは
よくあります。
ですので、
気になったら調律師さんに連絡です!
皆様、お待ちしております!(笑)
先日、スマートフォンを、補償で
同機種の新品に切り替えたのですが、
わたくしのスマホフィルムは引き続きこちらにしました
「超強化ガラス」のようなものも試しましたが、
わたしはこちらの方が好きです。
ガラス特有の「油膜反射」はありませんし、
落とした時のダメージが少ないように見受けれます。
柔よく剛を制す ということなのでしょうか。
落とさないに越したことはないのですけどね。
人ですから、やるときゃやります。
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