時々先生から「うちのスタッフは自費治療をすすめる事を悪いように思っています」「儲け主義みたいに思っている」等の話を聞きます。
では「あなた(スタッフ)の口の中には、どちらを入れたい?」と聞くと「セラミックです」と答えるようです。
この手の話を聞くと、勿体無い感じます。
勿体無いというのは、患者さんの希望するかもしれない治療の機会を失った、本来医院の利益になるべき儲けが減るという意味です。
この自費治療をすすめるのにナゼ抵抗を感じるのだろうと思った時に、自分の経験と照らし合わせて考えてみました。
このブログで何度も私は百貨店出身と書いてますが、10年間一貫して紳士服部に勤続しておりました。
私の仕事で考えてみると、スーツの購買決定(治療を決めた)をした顧客にネクタイ&Yシャツ(自費にするかどうかの選択)のコーディネートを一緒にすすめる感覚に近いんです。
当時、コーディネート販売(シャツ、ネクタイなど)をする事に大変な抵抗感がありました。
高いスーツを買って貰った上にシャツやネクタイをおすすめするなんて、お客さまに売りつけているようで悪いと思っていました。
当時の販売トレーナーが、「シャツ、ネクタイをおすすめ(ご紹介)しないという事は、そのお客さまの経済力を認めていないのと同じ」要は、どうせ買えないだろうと決めつけるのは、お客さまに失礼と言われました。
こうも言われました「久保ちゃん、アンタなぁ~自分が買われへんからって、お客さまの財布の中身も自分と一緒にしたらアカンで!」その時、やっと腑に落ちました。
実際にスーツ購入を決定したコーディネート販売をする事によって、「やっぱりプロが選ぶネクタイはちゃうわ!」「またシャツとネクタイも選んで」「先日のネクタイしていったら、評判良かった」と喜ばれる経験を多くしました。
シャツやネクタイはたまたコートも一緒に販売する事によって、最初に購買決定したスーツの価値が高まるのです。
ですが、だからと言ってコーディネート販売するには、お客さまのライフスタイルや好み、自分をどう見せたいか?のニーズを充分に引き出した上で、ベストなコーディネートを自信を持って行います。
その為には、普段から商品知識の習得は必要でした。
医療と衣料の差はありますが、この感覚に近いんです。
自費を無理にすすめてと言っているのではありません。
自費治療を紹介しない事で、患者さんの潜在ニーズを引き出せない事が多々あるという事です。
自費をすすめられない理由の1つとして、自信を持って紹介できるだけの専門知識を持ち合わせていないからかもしれません。
抵抗感を持ちながら自費治療をご紹介しても、患者さんの決定には結びつきにくです。
どこに問題があって、どうすれば自費をすすめる事への抵抗感を無くせるか考える必要がありますね。