今日はちょっと気楽なお話を。
少し前に、「日常動作で役に立つAT」の記事に「草取り」を取り上げました。
<カラダに負担の少ない草取り>
http://ameblo.jp/espressivo1214/entry-11567069740.html
うちに時々いらっしゃる大人のフルートの生徒さんが、
久しぶりにお会いした途端に目をキラキラさせて
「先生、報告したいんです。」
はいはい、もしかしてフルートがうまく吹けたのかな?と思ったら、
ご自分が草取りした時に、いかにこの記事が役に立ったかをお話してくださいました。
「なんだ、草ってこんなに軽く抜けるものなのか、って。
これまで腕の筋肉で力まかせに抜いていたのとは全然違って、もう楽しくて楽しくて。」
いや、それはよかったよかった。私も嬉しいですよ。
「それから先生、自転車!自転車がすごかったです!
草取りで余計な力を抜くように観察したことを、自転車に乗る時にもやってみました。
そしたら、なんでこんなに力入れてたの~って感じで、
それをやめたらもう、ラクに走れる走れる。
いったん停止した後にこぎ始める時なんか、信じられないほど楽に進むんです。
何回も試してみたくて『信号よ赤になれ、赤になれ』って思うんですけど、
なぜか青ばっかりで、すごい距離走っちゃいました。いや~面白かったです!」
いやいや、それは私も本当にうれしいし、面白いですよ、はい。
この方、楽器や歌、バレエなど相当数の趣味を持っていて、
しかもどれも本格的に長年取り組んでいらっしゃいます。
アレクサンダー・テクニークでフルートのレッスンをさせていただいていますが
いつしかバレエでの身体の重心や腕の使い方、筋トレなどの話題に飛んだりして
私の方こそ発見の多い楽しい生徒さんです。
これまでは、ある一つのパフォーマンスに対して私からアドバイスしたことを、
生徒さんが演奏やバレエに応用してみることをやってくださっていましたが、
今回の「草取り記事」も彼女の探究心により見事に発展しました。
自転車が楽にこげるようになる。
アレクサンダー効果はこんなところにも表れます。
日常のふとした動作を見直す機会が増えると、生活の中で自分を観察する習慣がつきます。
いつもどおりに無意識に流してしまわず、動作をあらためて見る、
そう、新しく初めてやってみるような気持ちでやってみると、
どこをもっと楽に使うことが出来るのかに気づくチャンスが増えます。
実は、演奏やバレエのようにそもそも技術的に困難なものを伴う活動よりも、
日常動作の中でのアレクサンダー・テクニークの練習の方が、
楽しく面白がって遊び感覚でやれるんです。
みなさんにもオススメします。
いつでもどこでも、自分の動きの観察をしてみてください。
今、頭が動いていますか? 首は緩んでいますか?
脊椎のてっぺんに頭がふんわり乗っかっていますか?
頭は本来の高さにいますか?
ラクに息をしていますか? 肋骨はイキイキしていますか?
上半身は伸び伸びしていますか?
腕は鎖骨と肩甲骨と共に大きく動いていますか?
肋骨もついていっていますか?
股関節はダイナミックに動きますか?
膝をロックしていませんか? 足首は?
そしてそして、自分ぜ~んぶが協力し合って動いていますか?
動けるところは動かしてあげましょう。
この楽しみながらの練習が増えれば増えるほど、
高度なパフォーマンスの際にもアレクサンダー・テクニークをより使えるようになっていきます。
私はそうでした。みなさんもやってみてくださいね。