法学セミナーでの解説をまとめ、加筆されたものになるでしょう。


野澤正充『契約法 セカンドステージ債権法(1) 』

http://www.nippyo.co.jp/book/4140.html


なお、債権総論の教科書は、誰が何と言おうと、


渡辺達徳=野澤正充『債権総論』(弘文堂・2007年)
http://www.koubundou.co.jp/books/pages/30314.html

が決定版だと思っています。

その著者の1人による野澤先生による契約法の本ですので、期待しています。

(本音を言うと、NOMIKA債権各論も、渡辺先生、野澤先生に書いていただきたかったです)


NOMIKA債権総論については、以前運営していたblogで私がコメントをしています。ご参考になれば幸いです。


債権総論の教科書の決定版(カブトムシ)

http://espans.exblog.jp/7265246/

法学教室での、

「対話で学ぶ刑訴法判例」

はいつも大変勉強になります。

一線の研究者と、一線の裁判・検察実務家が刑訴判例について対談しており、判例の見方、射程などを有益な示唆を与えてくれます。


さて、今回(340号)は、


大澤裕=朝山芳史「第18回 約束による自白の証拠能力」


です。

福岡高判平成5年3月18日判時1489号159頁

を素材にしています。


その中から引用(前掲・92頁)。

朝山 実務は基本的に虚偽排除説と人権擁護説に基づいて運用されていめといってよいのではないかと思います。今までの最高裁判例として、昭和41年判決(昭和41年7月1日最高裁判決-ESP補足)もそうですし、検討判例もそのような考え方であると思います。最高裁昭和45年11月25日大法廷判決(刑集24巻12号1670頁)は、偽計による自白の事案ですけれども、これなどを見ましても、やはり虚偽排除、事実認定を誤らせるという考え方がベースにあるのは間違いないだろうと思います。

 また、条文上の根拠として、憲法38条、あるいは刑訴法319条等の条文上の根拠からしても、虚偽排除説、人権擁護説が条文を素直に理解できるのではないかと考えられます。ただ、違法排除説も決して実務は排斥しているわけではないと思います。解く国違法収集証拠、証拠物に関する最高裁判例(最判昭和53・9・27刑集32巻6号1672頁)が出て、もうこれは完全に実務に定着していますが、その考え方自体は取調べ、あるいは被告人の供述についても、及ぼしうる考え方ですから、自白がその適用を受けないと考える必要はないと思います。佐藤文哉元判事が書かれていましたが(三井誠編『刑事手続(下)』833頁〔1998年〕)、実務は特定のどの立場というのを決めつける必要はなく、要するにその3つの考え方を相互補完的に使っていると考えてよいと思います。基本となるのは虚偽排除説と人権擁護説だろうと思うのですが、それで足りない部分については違法排除説を持ってくる。例えば、弁護人選任権の侵害ですとか、違法拘禁中の自白ですとか、あるいは弁護人との接見妨害による自白とか、そういった分野になりますと、伝統的な虚偽排除説とか人権擁護説では必ずしもうまく説明できないのです。そういう事案に関しては、端的に違法排除説をとったほうが適切な説明ができると考えられます。

 ただ、約束による自白ですとか、偽計による自白といった従来から伝統的に掲げられてきたテーマに関しては、319条の任意性の枠組みで、虚偽排除説、人権擁護説の立場で説明できると思いますので、そういう立場で基本的に説明しているだろうと考えられます」


96頁。

朝山 違法排除説をとれば任意性の基準が明確するとは私はあまり思っておりませんし、おそらく、実務家でもそういう考え方をとる方はあまりおられないと思います。そもそも、どこまでが適法なのかというその取調べのルールが日本ではあまり明確な形で決められていません。もちろん、犯罪捜査規範はありますが、それはあくまでも警察内部のルールで、裁判所まで拘束するようなルールとは違います

※アンダーライン、強調はESP。

日本評論社の『事例研究・憲法 』、『事例研究・行政法 』について、

法科大学院の方で、使用されている人は多いと思います。


日本評論社のページで、(書物では解説が一切ない)第3部の参考文献・参考判例がアップされています。


事例研究憲法

http://www.nippyo.co.jp/download/jireikenkyu-kenpou/index.php


事例研究行政法

http://www.nippyo.co.jp/download/jireikenkyu/index.php

不合格者、過去最高113人に 司法研修所の卒業試験(asahi-com。朝日新聞)

http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200812160387.html


不合格者が100人を超えている反面、不合格率が下がっている点には注目すべきでしょう。

他方、「再受験した33人のうち12人も再び不合格」となっており、再受験組での不合格率は約33%で、極めて高い不合格率になっています。試験としては珍しい傾向です。


どのような答案が不合格答案なのか、どのような修習生が不合格になったのか、分析が求められるところです。

仮に弁護士事務所等への就職や実務修習で、先輩法曹から高い評価を得ていた修習生が、不合格になっているとすれば、「新司法試験合格者増に伴う質の低下」で話は済みそうもありません。


なお、本blogは、catsleepsさんの2回試験突破を祝福すると共に、法曹でのご活躍を心よりお祈りします。


無事(居眠り記)

http://catsleeps.exblog.jp/7742174/


最判平成20年12月16日判決。


事件番号 平成19(受)1030
事件名 動産引渡等請求事件
裁判年月日 平成20年12月16日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集巻・号・頁

原審裁判所名 東京高等裁判所
原審事件番号 平成16(ネ)3679
原審裁判年月日 平成19年03月14日

判示事項
裁判要旨 いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約中の,ユーザーについて民事再生手続開始の申立てがあったことを契約の解除事由とする旨の特約は,無効である

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37102&hanreiKbn=01


第2版。

被害者参加制度、最近の判例をカバーしています。


寺崎嘉博『刑事訴訟法 [第2版]』(成文堂)

http://218.216.69.71/seibundoh/book_s/bookinfo.asp?No=2775


刑事系科目は、学説うんぬんよりも、最近のを含め判例や、法改正について、十分なフォローがされているものを使うのがベターだと思います。考えてみれば、判例や法制度の動きが、最も激しい科目です。

学説は、よほど突飛なものでない限り、どれでもよいと思います(条文を無視したものは不可)。