最後の旧試験論文試験が、18日・19日に実施されました。
受験された方、お疲れ様でした。
  
早速問題文がアップされています。
  
平成22年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題(法務省ホームページ)
http://www.moj.go.jp/content/000055155.pdf  

 
問題文がかなり長文化しています。新試験との連続性が見られます。
問題文が長い場合は、あてはめにも(相当な)点数がふられているのだと思います。
 
出題については、
民訴では債務不存在確認訴訟、
刑訴ではメモの証拠能力、
と新試験に共通するテーマが見られます。
  
憲法第1問はかなりホットな話題が出ていますね。
しかし、男女では受け止め方が違う可能性も。
  
民法第2問は財産法のトータルな理解を問うている感もありますが、
ちょっと時間的に厳しい感じも。
 
民訴第2問は上訴関係が出ています。
新司法試験の論文では上訴関係が出ていませんが、そろそろ上訴あたりが(メインではないとしても)出てもおかしくないところです。

平成23年の新司法試験より、短答式が最終日に、および、大大問の廃止+分離時間割となることが、法務省のホームページで発表されました。


平成23年新司法試験の実施日程等について(法務省ホームページ)

http://www.moj.go.jp/content/000050895.pdf


5月11日(水)論文式1日目
選択科目(3時間)
公法系科目第1問(2時間)
公法系科目第2問(2時間)


5月12日(木)論文式2日目
民事系科目第1問(2時間)
民事系科目第2問(2時間)
民事系科目第3問(2時間)


5月14日(土)論文式3日目
刑事系科目第1問(2時間)
刑事系科目第2問(2時間)


5月15日(日)短答式試験
民事系科目(2時間30分)
公法系科目(1時間30分)
刑事系科目(1時間30分)


なお、新司法試験の科目数、配点について


新司法試験における問題数及び点数等について(法務省ホームページ)
http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00016.pdf


論文式試験について、大大問廃止によって、旧司法試験のように、「憲法」、「民法」など科目の明示あるかと思いましたが、従来通り「公法系」「民事系」「刑事系」とあるのみです。融合問題の可能性が全否定されたわけではないことには注意が必要でしょう。


予備試験の実施日程が公開されました。

短答式試験の日程は確定し、新司法試験の短答式と同一日程となりました。


平成23年司法試験予備試験短答式試験の実施日程等について(法務省ホームページ)

http://www.moj.go.jp/content/000050908.pdf



判例研(いとうDiary)
http://blog.livedoor.jp/assam_uva/archives/51872436.html


その中で、興味深い事案が紹介されていました。


「2件目は、京大のM先生のご報告で、従業員持株会(=民法上の組合)の「法人格」を否認して、これを会社と同一視するかということが問題になった事案(事案の実際の解決を直接に導き出したのは、実はこれとは全く別の論点だったのだけど)。(法律上一定の場合に権利・義務の主体として認められるにせよ)法人ではない民法上の組合について、その「法人格」を否認するとはどういうことか。法人格否認の法理と同様の発想を用いて、民法上の組合たる従業員持株会の団体としての異別性を否定し、その債務を会社に負わせることも、理論的にはありうる話だということだった。もう少し考えてみたいと思ったのは、そういう結果を実現しようとするときに、「従業員持株会の債務を会社に負わせることが事案の解決として妥当である」という以外の、何か理論的な、あるいは、形式的な理屈が、どのようなものなのかということ。法人格否認の場合には、「法人格は法で特別に認められたものです。だから一定の場合には、そのような法人格を否認することも必要です」というふうに説明がされていることを、この場合にはどう言い換えて説明するのかということ」


判決そのものは紹介されていませんが、この事件は、


東京地判平成19年7月3日判時1992号76頁LEX/DB28140597


であると思います(違ったらご指摘頂けると幸いです)。

振興銀の木村前会長ら立件へ 金融庁の検査妨害容疑(asahi-com。朝日新聞)

http://www.asahi.com/national/update/0713/TKY201007130301.html


検査妨害事件を突破口に、振興銀行の不透明な取引の全容が解明されるでしょう。


政権交代がなければ、木村剛氏らは金融庁の要職についていた可能性もあり、捜査の手からのがれていた可能性があると思うと、政権交代には一定の意義があるように思います。


前の記事では、民主党の姿勢に厳しい批判をしましたが、それでも国民の少なくない数は、2009年夏の政権交代そのものには一定の評価を与えていると思います(現に比例区で民主党は第1党。ただ、野党の分裂に助けられた点はありますが)。


今回の参議院選挙で、構造改革派が割と復権したように思いますが、このような人物が復権することがないよう、構造改革派は戦略を練り直して欲しいと思います。


こうなってしまうのです。


参議選2010(YOMIURI ONLINE)

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/


いかんせん民主党サイドの守りの姿勢が、マイナスになったように思います。

自民党が消費税10パーセントと言うのであれば、民主党はまずは無駄を削減します、財政事情はギリシアと日本では全く違うんです、未来の世代のための行動は大切ですが、かといって、現在なくして未来なし、今の人たちの生活を見捨てるわけにはいきません、と攻めるべきだったと思うのです。二大政党が大連立を志向しない限り、同じベクトルに向かってはいけません。


どのような情勢であるにせよ、最低限、与党過半数を目標に立てなければ、現場の士気は下がると思いますし、また、選挙前から現場の指揮官とも言うべき幹事長が、「あなたの党(例えば、みんなの党)と、連携できるはず」 などと言っているようでは、もっとダメではないでしょうか。

新司法試験に例えれば、目標が短答合格では永遠に最終合格できないわけであり、また、試験前から、「自分には別の道(公務員試験、民間企業への道)もあるさ」などと考えてはいけないと同じです。どんなに優れた頭脳を持っていても、闘う気力、気迫」がなければ、大一番に勝てないと思います。

改革には必ず抵抗が伴うのであり、そこでは闘う気力、気迫が求められるわけです。闘う気力、気迫のない者が、「改革をします」と言っても有権者が信じるわけがありません。


さて、法律関係では、この方の落選。


民主、現職閣僚落とす…神奈川の千葉法相(YOMIURI ONLINE)

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/news/20100712-OYT1T00040.htm


法務大臣はおそらく交代になると思いますが、法曹に根強い反対論がある、「取調べの可視化」がどうなるのかが注目されます。新大臣がどうなるかに注目です。取調べの可視化については、とっとと国会で議論されるべきだと思うので、民主党政権は法案を速やかに出して、国会で議論のテーブルにつけるべきだと思います。


他方で、今回の選挙結果からすると、選択式夫婦別姓は遠のいたように思います。


判例変更の可能性は極めて高くなったと思われます。

婚外子相続差別「合憲」見直しか 最高裁が大法廷回付(asahi-com。朝日新聞)

http://www.asahi.com/national/update/0709/TKY201007090437.html


以下は、民法の規定を抜粋。


(法定相続分)
第九百条  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

この規定については、最高裁平成7年7月5日大法廷判決(民集49巻7号1789頁)が合憲判決を下しています(学習者向けの評釈として、憲法判例百選1第5版64頁(青柳幸一)、家族法判例百選第7版118頁(吉田克己)など)。


しかし大法廷判決後も、憲法、民法学界双方から、憲法14条1項に反するとの学説の見解は多く(例えば、二宮周平『家族法[第3版]』(新世社、2009年)282頁など)、また、最高裁段階でも、必ず違憲判断の少数意見がつくなど、流動的なところでした。


仮に違憲判決が出た場合、参議院選挙後の政権の枠組みがどうなろうとも、立法府は法改正が迫られることでしょう。法務省は選択式夫婦別姓制度とセットで民法改正案を用意しているようですが、選択式夫婦別姓制度は反対論も有力でありますので、選択式夫婦別姓制度の提案とは分離して、改正案を提出することになるでしょう。