水、木と多忙で更新できませんでした。
歯科領域においての痛みは大きく分けると、虫歯と炎症にわかれます。
とりわけ、激痛で「ズキーーン!ズキーーン!」といてもたってもいられない、痛み
の一つに親知らず(智歯、第3大臼歯)の炎症があります。
主に拍動痛と言われる心臓の鼓動に応じてドクン、ドクンという痛みです。
生えてきて物が噛めないときもあります。
まっすぐに正常方向に生えて位置がかみ合わせの所まで伸びてきていればまだ良いのですが
最近では曲がって、伸びずに、ひどい時には真横を向いている場合も案外頻繁にあります。
通常のブラッシングでは毛たばの先が患部に届きにくくて痛いとよけいに、
磨きたくなるからです。
なるべく柔らかいブラシでヘッドの小さい物が最適と思われます。
私の考えでは、何が何でも抜くのではなくて、症状がなくて、休火山の状態ならば、
ていねいにブラッシングすれば事足りると思います。
ただ、抜きたい希望があれば、ほとんど抜きますが、
余りに神経の管(下枝槽神経)に近い、とか、根が跨いでいるばあいは、
口腔外科の専門外来を紹介することもあります。
妊婦さんの場合は、ブラシを口腔内の喉頭のそばまで入れると、嘔吐反射が出て、とてもブラッシング
できないので、口腔内の洗浄と妊産婦にやさしい、抗生剤(マクロライド系)を内服で
出すこともあります。
炎症がひどい時は抜歯の禁忌症(さけるべき、症状)ですので、
切開して排濃(膿みを出す)させて、含そう剤でよくゆすいでいただくことを推奨いたします。
炎症が治まっての抜歯となります。
ただ、保険点数が高いのでと言う意気込みで安易に行うと、
取り返しのつかないことになるやも知れません(そのようなドクターはいないでしょうが)
ナート(糸で縫う)ことも必要なこともあります。
次の日は洗浄して様子を見て、血ペイ(血の塊)に覆われているかどうかを確認します。
数日後に抜糸して、後は治癒してきます。
たまに、ドライソケットとよばれる、全く、血の塊で覆われない時もあります。
そのときは創面をパックしたり、再度抜いた所を再そうはして血の塊を人工的につくってやります。
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