の続きです
次に
神谷さんが来院されたのは
１週間後の土曜日
前回の施術のあと、
久しぶりにぐっすり眠れて
調子が良かったようで
翌日、すぐに
予約をとってくれたのです
少し慣れたのか
今回は、始めから笑顔で
話してくれました
学生時代からの親友が
結婚してから
毎日がつまらなく感じ始めた事や
３つ年下の弟の結婚が決まり
焦る気持ちがある事
そして
母親に、早く相手を見つけて
結婚しなさいと言われるのが
たまらなく嫌だと
まるで
今まで胸に秘めていたことを
吐き出すような勢いで
たくさんお話ししてくれました
前回のように
背中のお灸の時になると
彼女は眠ってしまい
急に静かになりました
なんとなく予想していましたが
彼女の身体を通じて、また
あの映像が見えてきました
昔の町の風景
着物の人々
そして、道の真ん中で
沢山の人が
立ち止まって
何かを覗きこんでいる
あれは
やっぱり
女性
若そうな女性が
うずくまり
頭を押さえて目を閉じている
頭が痛いの？
どうしたんだろう？
集中して
もっとはっきりと
映像を見ようとした時
眠っているとばかり思っていた
神谷さんが話し始めました
「先生は良いなぁ。
旦那さんと一緒にお仕事していて。
仲も良さそうですよね？
どこで知り合ったんですか？」
と聞かれて
「そう見えるだけですよ」
と笑いながら
「うちは職場結婚です。
勤めていた整骨院で」
と、答えました
ふぅん。職場か。
あんまり居ないんだよなぁ
と独り言をいう神谷さんに
私はこんな提案をしてみました
「何か趣味を持たれたら
いかがですか？
好きなスポーツとか
ありませんか？」
すると彼女は
「私、学生の時は、ずーっと
バレーボール部でした！
またやりたいなぁ」
と、当時を思い出す表情になり
懐かしそうに言いました
私は彼女に
バレーボールの社会人サークル
なんか良いのでは？と伝え
その日の施術を終えました
神谷さんが帰られてから
改めて、見えた映像を
思い出してみましたが
どうしてそんな映像が
見えるのか？
見えたことに
何か意味があるのか？
全く分からないままでした
次もあの映像は
見えるのだろうか・・・
次の彼女の予約は
2週間後です
続く
次のエピソードはこちら
