霊能者なおこの事件ファイル6～色々憑れてくる弟②～

【エピソード2：電気屋の社長】

弟が大学生になり、

アルバイトをしていたときの話

弟は、私たち兄弟の中で、たぶん１番

行動力があるんじゃないかな？

とにかく色んなバイト

（社会人になってからも色んな仕事

に就いて、色んな経験をしていた

で、今は高級オーダーメイド自転車の

塗装職人をしている

そんな弟が、

警備員のバイトをしていた

ある日のこと

「ただいま」と帰ってきた弟の横に

作業服のおじさんが。。。

（安定の死んでる方）

私「え？また憑れて帰ってきたん？

       もおー誰？」

弟「え！またって？！誰かおんの？

　　怖い！どんな人？どんな人？」

私「作業服着てる、おっちゃん」

弟「作業服？？？心当たりないわー」

はぁ～(ため息)

仕方ないなぁ

ご本人（霊）に話しかけてみるか

私｢あのぉー｣

作業服の人｢･････････｣

あらぬ方向を向いて無言

私｢あのぉー、すみません｣

作業服の人｢･････････｣

あらぬ方向を向いて無言

あかん

コミュニケーション取りにくいタイプや

気を取り直して、弟に聞こう

私「あんた、今日どこ行ってきたん？」

弟「今日は警備のバイトしか行ってへん。

　　〇〇会館（葬儀場）の車の誘導」

私「ふーん。どこから憑いてきたんかな？

　　あれ？この人の

      作業服になんか書いてある」

私「〇〇電気商会？

        電気屋さんかなぁ？」

弟「あ！」

～と言ったまま、どんどん青ざめる～

弟「今日の警備の会場の葬式。

    その人の葬式やった。

　電気屋の社長さんで、自死って。」

私「えー！！で、

　　なんで一緒に帰ってくんの！？」

弟「だから！俺がつれてきたんちゃうって」

私「どうしよう。。。」

弟「どうしよう。。。」

兄弟で話し合った結果

お線香とお供えを用意して

お帰りくださいとお願いしました（日本語で）

↑↑↑2回目のやつ

私と弟「どうぞお帰りください」

作業服の人、改め電気屋社長

｢･････････｣

また、あらぬ方向を向いて無言…

かと思いきや、

蚊の鳴くような声で

何か言っている

「なんだか楽しそうだったから」

「なんだか楽しそうだったから」

「なんだか

   楽しそうだったから」

当時の私の

拙い霊感センサーを

フルスロットルで働かせて

お話を聞いたところ

仕事の資金繰りがうまく行かず

借金が嵩み、首が回らなくなり

家族に迷惑をかけたくなくて

自死を選んだ

でも、身体から魂が抜けて行く時

激しく後悔し、戻りたい！戻りたい！

と強く願ったけれど無理だった

もともと嫁と、

あまり上手くいっていなかったのに

自分の借金のせいで、ますます

夫婦仲は冷えきり、子供達とも

会話を交わすことは減っていた

自分が居なくなれば、

もっと家族は楽になって、

笑ってくれるんじゃないか？と

思っていたけれど、

お通夜でもお葬式でも

嫁と子供が泣いているのを見て

とても悲しい

周りを見渡しても、

そこにいる全ての人が

下を向いて暗い顔をしていた

いたたまれなくなって

会場の外に出たら

1人だけ楽しそうな人がいて

何となく、ついてきてしまった

なんと気の毒な。。。

そして、うちの弟…

葬儀場の警備（しかも仕事）やのに、

楽しそうにしてるって…

1人だけ楽しそうって💦

楽しそうにしてて、

お葬式の主役

憑れて帰って来るって…

楽しそうに生きてる姿勢は

とっても良いと思うよ

でも

姉として、

一言だけ弟に言いたい

「いや、

   なんか

   頼むわ！」

思いが通じたのか

もうこの兄弟に飽きたのか

成仏されたのか・・・

電気屋の社長さんは、

それから数時間後には

見えなくなり

声も聞こえなくなり

気配もなくなりました

私たちは、

彼が安心できる

魂の居場所に

戻られることを

お祈りしました

しかし、その後も

ちょくちょく

霊と一緒に帰って来る弟は、

それから数年後

大型バイクに乗っていて

車にはね飛ばされるという

大きな交通事故に遭い

意識不明の重体になります

意識障害はあるものの

（その時のことは、今でも

記憶が消えている部分があるらしい）

一命をとりとめ、

もとの元気な弟に戻りましたが

それが関係あったのか無かったのか

それ以降は

弟が誰かを憑れて

帰ってくることは無くなったのでした

おわり

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江島直子『霊能者なおこの事件ファイル7 〜こぼれたミルク〜①』