日本で以前、こども英語スクールに勤めていた時、私の強い希望でやらせてもらっていたイベントがありました。
土曜日の夜にお子さんをお預かりして、その間英語ですごすというサービスです。「English Pizza Party!!」
さいたまで子育てしている世帯には、パパママどちらも実家が遠方でグランパ・グランマのお手伝いをとうてい頼めないという方もいらっしゃいます。
今でこそベビーシッターや子どもの一時預かりなども増えましたが、それより少し前のお話。
あるお母様は、上のお兄ちゃんが産まれてこのかた、夫婦二人での外出が初めて。専業主婦だったら少し前までちっとも珍しくはありませんでした。お兄ちゃんはもう小学校2年生にもなっていました。
二人きりでのデートは久しぶりに銀座のレストランで、と弾んだ様子が今でも忘れられません。お預かりするこちらも心がウキウキ。少しは役に立てたかしら、とうれしくなりました。
どんなに素敵なご夫婦で、どんなにラブラブでも、私は時には夫婦二人だけで過ごす時間は必要だと考えています。
あるいは、家族ぐるみのお付き合いの仲良し家族でも、今日は大人だけの飲み会に出かける、という方。
ふたりで映画を観に行ったという方。
楽しかった余韻でご機嫌のパパママと子どもたちの再会を見守るのも、こちらも楽しいこと。
パパママと呼び合う関係を少しだけ離れて、いつもはあらためて口にはしないようなこともきっちりと会話にして伝え合うこと。その機会を作るお手伝いが出来たのなら、これ以上にうれしいことはありません。
お子さんをあまり深夜遅くまでお預かりするのは、安全上もそうですし体にもご負担が出るので、夕方お預かりして9時とか10時にピックアップ。その間、子どもたちは夕飯を食べ、ビデオを観たり英語でグループゲームをするなど、100パーセント英語の環境で過ごします。毛布を持って、パジャマで外出というシチュエーションに子どもたちもワクワク。通常の短いレッスンとは違い、お食事やトイレなど日常のために使う英会話が出来る環境で、子どもたちのためにもプラス。パパママだけでなく、子どももハッピー。
ただしこのサービス、本当は一か所でやっても意味が無いこと。帰りにお子様をピックアップして安全にお帰りになるには、やはり駅か子どもたちの住居に近い子育て支援センターなどで、身近なものにならなければ地域に根付いてはいきません。
こういった英語環境を安全に任せることのできる人材づくりも、今後の私たちがやりたいと思っていることです。
おじいちゃんやおばあちゃん、あるいは社交的で子どもの預合いなどのネットワークをお持ちのお母さんにはあまり必要のないサービスですが、こういったサービスを熱望している保護者様もたしかにいらっしゃいます。
子どもは24時間親の監督保護下にあるという「パパはお仕事、ママはおうち」の生活にあてはまらない暮らし方が一般的になるにつれ、むしろ保育園に子どもを預けていないお母さんの心にも寄り添う、サービスというに値するサービスの重要性をますます感じることが多い今日この頃です。