口直しに最適だった2冊 | 闇を愛するアラフィフニート主婦の日常

闇を愛するアラフィフニート主婦の日常

旦那と2010年生まれの息子と暮らしてます。
2013年にパート勤めを辞めて以来
「さして働かず、さして家事せず、さして子育てせず」をモットーに
不謹慎でネガティブな日々を送っています。

先日読んだこちらの

 

「蜜蜂と遠雷」がヌケないAVだった | 闇を愛するアラフィフニート主婦の日常 (ameblo.jp)

 

口直しに最適だった2冊を。

 

まずこちら。

 

 

やっぱ角田さんはハズレないわ~

女性同士のいざこざ書かせたらすごすぎるなw

 

読んだのが少し前なんで、若干うろ覚えなんだけど

同じ幼稚園に通うママ友同士の家庭が中心で、確か5家族くらい出てくるのかな?

ちょっと多過ぎではあるんだけど、まぁ違和感なく読み進めてはいけます。

 

ちょっとヤンママ風だったり、大人しかったり、キレイでリーダーシップがあったりと、それぞれ個性豊かなママ友たちは

互いの付き合いをそれなりによりどころにし、最初はいい関係を築いていく。

 

しかし、小学校受験が若干視野に入り出すと

皆、ベタなタイプの教育ママではないはずなのに、それぞれが少しずつ疑心暗鬼になってきて

気付いた時は「なんでこんなおかしなことになってるの?!」というくらい、関係性に取り返しがつかなくなってる。

 

その転機に劇的なものがあったわけではなく

ちょっとしたすれ違い、ちょっとした勘違い、それに伴う腹の探り合いや計算や嫉妬などなど

歯車が完全に噛み合わない。

 

読んでるこっちも「あれ? そもそもなんでこんなことに・・・」と思ってるうちに巻き込まれて行くのだが

大きなきっかけはないのだけど、それぞれが誰かにちょっとしたストレスを抱えると

「言わなくていい余計な一言」を言ってしまったり

「しなくていいほんの少しの隠し事」をしてしまったり

そういうのがエスカレートしていく感じ。

 

彼女たちが、いかに平和な日常を守ろうと、主婦業を頑張ってる姿なんかも

その外周で若干蚊帳の外な夫達の様子なんかも

リアリティ満載で身につまされますw

 

90年代くらいにあった、お受験殺人を彷彿とさせるくだりもあったけど

それは特に必要なかったかも?

 

 

んで2冊目こちら。

 

 

 

宮部さんって、そんなにガツガツ書籍出してないんですよね。

俺も読んだの「火車」くらいなんですが、いやーアレもインパクトあったよな。

(話自体はちゃんと覚えてないけど、インパクトのあるシーンをアルツな俺が覚えてるだけで相当)。

 

こちらも、火車にたがえず、相当面白かったです。

とある殺人事件があってなんちゃらかんちゃらなんですけど

事件そのものの謎解きというよりは

事件の関係者とその家族が、すごくたくさん出てきて

なんつーか、「普通に生きてるはずだけどそれぞれの尊い人生」みたいなものを

いっぺんに味わえるような贅沢な内容です。

 

事件の全貌が気になるというより

そうした人物の背景が気になって、つい読み進めちゃう感じ。

 

クッソ面白!!と最後まで思ってたら

コレ直木賞取ってるんですね。

もうまさにですよ、こういうのに直木賞をあてがってやってくれ!!!

 

良かった一節。

 

人を人として存在させているのは「過去」なのだと、康隆は気付いた。

この「過去」は経歴や生活歴なんて表層的なものじゃない。

「血」の流れだ。

あなたはどこで生まれ誰に育てられたのか。

誰と一緒に育ったのか。

それが過去であり、それが人間を二次元から三次元にする。

そこで初めて「存在」するのだ。

それを切り捨てた人間は、ほとんど影と同じなのだ。

本体は切り捨てられたものと一緒にどこかへ消え去ってしまう。

 

 

ハリウッド映画に出てくるような凄い高層のマンションで死んだ人間の人生が、もとはと言えば舅が嫁に手を出したみたいな大時代的なことのせいで歪められてたんだなんて、実感がわきませんよ。

だけど、現実ってそういうものなんじゃありませんか。

だって時代は続いてるんだもの。

どこかで一回まっさらになって、新しく一から始まったわけじゃないもの。

 

これだけ抜き出すとそうでもないかもやけど

色んなバックグラウンドを持つ人々の歴史を読んで行くと「なるほどー!」と思わざるを得ない。

 

言葉にすると陳腐になりそげな、人類の歴史とか、血筋がどーたらみたいな話を

こんなにも丁寧に紐解いて示してくれる本はなさげな気がする。

むしろ謎解きよりこっちがメインw こういうのを書きたくて、謎解きをスパイスに持ってきただけなんだよね?みたいな。

 

図らずとも、2冊とも家族テーマのお話でしたが

やっぱり俺の興味関心は、そっちにウェイトが傾きすぎなのだなと再確認してしまった。