今日はまたまた本棚に有るけれど、読んだ記憶が無い名作
モームの<月と6ペンス>について感じたことをつらつらと。
これも高校時代手に取ったが、やはり前回紹介した<オネーギン>同様
読み終えた記憶が無い💦 買っては処分を繰り返し今あるのは比較的新しい文庫本
名作だし、ゴーギャンについて何か知り得る事も有るだろうしと、手放す事はせず
ずっと本棚にある1冊だ。
※コンサバな人間なのでどうしても岩波文庫を選んでしまう💦
勝手な思い込みで、<月と6ペンスは>ゴッホとゴーギャンの短い共同生活、
ゴッホの耳切り事件などがモチーフにあるのかと思っていたが、全然違っていた。
無知ですみません
証券会社に勤めていたストリックランド(ゴーギャンと思われる人物)が、
湧き出る絵を描きたいという情熱に抗えず、突然家庭を捨て、
絵を描きながら放浪生活をし、タヒチでその生涯を終えるまでを、
事実を織り交ぜながらドラマティックなストーリーに仕立てたもの。
挿入されているエピソードは様々で、事実ではない部分も多いのだが、
そこからゴーギャンの風貌、人となりが浮かび上がって来るのは
モームの素晴らしい手腕ゆえ。
特に作中に出て来るストリックランド(ゴーギャンと思われる人物)とストルーヴェ
そしてストルーヴェの妻ブランチの三人の構造の変化と展開は迫力があり、
本物のゴーギャンはかように不可思議な魅力をたたえた人物なのではなかったかと
思われ、時間を忘れる程ストーリーに没入してしまった。
後半タヒチで生きる彼と妻のアタとの関係性の描写がまた素晴らしく
一番ストリックランドが欲しかったものを与えてくれたアタと言う女性の
<愛>に大きく首肯した。
作中の絵画の描写も生き生きとしており再度ゴーギャンの絵を見直したくなる名作。
必然的にしっかりとしたゴーギャンの伝記を読みたくなる。
福永武彦が書いた<ゴーギャンの世界>が一番希望にかなった感じ。
今の所中古本のみのようだし若干高いので躊躇う💦
同じモームの代表作<人間の絆>を先に読もうか迷っている。
※ちなみに<月と6ペンス>と言う題名は
《前作『人間の絆』についての書評が「タイムズ文芸付録」に掲載されたときの文句を
モームが使ったもの。》だそうです。
《その書評には、「ほかの多くの青年と同様、主人公フィリップは『月』に憧れつづけ、
その結果、足もとにある『六ペンス』銀貨には気づかなかった」と書かれていた。≫とのこと。
相変わらず韓流ドラマは見ているけれど本も同じ熱量で読みだしている。
本棚に残った名作を読み返すパターンだけれど、発見があって面白い。
これが再読の魅力(ってか再読じゃなくて未読の物を読み終えて行く作業か
因みに今はツヴァイクの<マリー・アントワネット>を読み始めちゃいました。
これも古典。やっぱりコンサバなので今の文学よりも古典が読みたい…。
訳者の力量にもよるけれど昔の訳者は語彙も豊富で学びも多いから。
ためにならない読書シリーズ、また面白い本が有ったら書いてみますね。
※時間をおいて推敲かけます。どんどん表現が変わって行くかもしれませんが
ご容赦を。
今日も読んでくれてありがとうございます。감사합니다
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