ニュースによりますと、今年は6年ぶりのシルバーウィーク5連休だそうです。
若い医療関係者は連休には寧ろ仕事がたくさん入ってしまうことが多いかと思いますが、
私はお休みを頂きましたので、とある目的を果たすべく、実家に帰省しておりました。
その目的というのは、幼稚園のころからお世話になっている先生との約束を果たすことで、
「色々な事がひと段落したら御神楽をあげましょうね」と言っておりました。
色々な事というのは、当初は博士号を貰ったらということだったのですが、
自分では納得がいかない部分が多かったため、しばし保留としておりました。
4月に転勤して約半年、状況が安定し、病理医としての方向性も安定し、
今年中に住まいも新たになるということで、良きことがいくつかありましたので、
神様にご報告をすることにしました。
「いつもありがとうございます」、端的に言うと、これが神宮の精神ではないかと思います。
いつも口をすっぱくして言っておりますが、所信表明をする場であり、その結果報告をする場、
それが神宮ではないかと、伊勢に生まれ伊勢に育った人間として、そう思います。
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私と、母と、幼稚園でお世話になった先生(あい子先生)と3人で外宮さんへ。
私は山田で育った者ですので、初めての御神楽は外宮さんであげることにしました。
(外宮周辺の地域を山田、内宮周辺の地域を宇治と呼びます)
久々の外宮さん、昔より観光客が多く、正月のごとき人の入りでした。
駅からの参道に沢山のお店が並び、にぎやかになったのだそうです。
外宮さんからお参りして、内宮さんにお参りをするという作法が浸透してきた事も
客足が増えた要因じゃないかと母が言っていました。
参道の玉砂利を、御年89歳のあい子先生とのろりのろりと歩く。えも言われぬ不思議な感覚。
いつものお参りを済ませてから、神楽殿へ向かい、御神楽の申し込みをしました。
神楽は規模別に、御神楽、大々神楽、別大々神楽、特別大々神楽というものがあり、
我々は御神楽をあげることとしました。
詳細は神宮ホームページを参照ください
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御神楽の規模によって演奏曲目が違いますので、大々神楽をあげたいなあと思ったのですが、
身の丈に合ったものをと思いとどまりました。
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御神楽は数グループ合同であげましたので、演奏曲目は大々神楽の内容でした。
すなわち、
倭舞(やまとまい)と
人長舞(にんちょうまい)です。
写真はありませんので、御神楽の風景は神宮ホームページにある写真をご覧ください。
倭舞では、緋色の長袴に白羽二重の千早をつけ、頭には紅梅を飾った冠をかぶり、
右手に五色の絹をつけた2人の巫女さんが、榊を持って舞います。下記のように歌っています。
みやびとの させるさかきを われさして よろづよまでに かなであそばむ
宮人の 差せる榊を 我差して 萬世までに 奏で遊ばむ
(神に仕える人が差しているという榊を私も差して、永遠に歌い、踊りましょう)
人長舞では、束帯とよばれる平安時代の貴族の正装を着用した神楽人の長(人長)が、
鏡を模した白い輪を取りつけた榊の枝をもって舞います。
白い袍を羽織り、長い裾を引いているのが印象的です。下記のように歌っています。
そのこまぞや われにくさこふ くさはとりかはん みずはとり くさはとりかはん
その駒ぞや 我に草乞う 草は取りかはん 水は取り 草は取りかはん
(我が愛する馬が我に草を乞う。その可愛さよ。早速みずみずしい草葉を取ってきてやりましょう)
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うむ、長年の約束は果たした!
「次に神楽をあげる時は、内宮さんで大々神楽をあげましょうね、それまでに出世してね」と、
あい子先生とついうっかり約束してしまいましたので、
最短で専門医をとれるよう、現状に満足することなく頑張ろうと思います。
それまで、あい子先生も健康でいてくださいね。