前回の続き。
「運転中の炉内がどれ位の放射線量なのか」でしたね。
色々検索かけても、こういう大元の部分はなかなか出て来ません。
大抵は「すごく高い線量」とか「人間が死亡する線量」等の表現であって、
具体的に何シーベルトとは書かれてないんですね。
僕と同じ疑問を既に抱いておられた方もいました。
Yahoo!知恵袋
「運転中(臨界状態)の原子炉内部では何シーベルトの放射線量があるのでしょうか。」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1468269594
OKWave
「原発の圧力容器内の空気に含まれる放射能の強さは?」
http://okwave.jp/qa/q6918991.html
見れば判りますが、それぞれの質問者が「圧力容器内」の線量を聞いているのに対して、
ベストアンサーに選ばれた回答は「格納容器内」の線量について答えてます。
これでは回答になっていない。
では「使用済み核燃料」の放射線量なら?
これも同様になかなか出て来ませんが、やっと見付けました。
放射性廃棄物のホームページ (資源エネルギー庁)
http://www.enecho.meti.go.jp/rw/hlw/qa/syo/syo03.html
「製造直後のガラス固化体(日本原燃(株)仕様)の放射線量は、その表面の位置に人間がいた場合、国際放射線防護委
員会(ICRP)の勧告の中で100%の人が死亡するとされている放射線量(約7Sv(シーベルト))をわずか20秒弱で浴びてし
まうレベル(約1,500Sv/h)です。」
毎時約1500シーベルト。
しかしまた、市民団体からは別の意見も
埋めてはいけない!核のゴミ・実行委員会・みずなみ
http://www9.ocn.ne.jp/~kamado/index.html
「原爆の約30発分の死の灰(=66兆人分の摂取許容量)を含み、表面の放射線量は
製造時で14000シーベルト/時。これは、その位置に人間がいたとすると、2秒で全員が
死亡する量です。」
毎時約14000シーベルト。
公式との間に10倍近い差がありますね。こちらのソースを知りたい所です。
ところで高レベル核廃棄物を調べていて、思いがけず運転中の炉内の情報に行き当たりました。
ATOMICAの次の記事。
高レベル放射性廃棄物と処分対策の安全問題 (ATOMICA)
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=05-01-01-03
上記の記事の一番下からのリンク。
図3 ガラス固化体の放射能の推移
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/05/05010103/03.gif
この図で見ると、発電時の核燃料(ウラン235)が持つ放射能量は10の10乗ギガベクレル(トンあたり)。
製造時のガラス固化体廃棄物で10の7.5乗位でしょうか。
ギガベクレル/トン、という事はベクレル/kgに直すと
10の10乗ギガベクレル/トン = 10兆ベクレル/kgになります。
おそろしい数字が出ました。
では、これをシーベルトに直したら?
ここでまた詰まりました。ベクレルをシーベルトに換算するツールもありますが、内部被曝用です。
外部線量に直すのはまた別に複雑な計算が必要らしい。
仕方ないので、とりあえず参考程度に内部被曝でやってみます。
実効線量係数は以下のページに依拠。
原子力資料情報室-「ウラン235」
http://www.cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/19.html?page=print
経口摂取した場合の実効線量係数(二酸化ウラン、八酸化三ウラン、四フッ化ウラン等の四価の化合物、ミリシーベルト/ベクレル) 8.3×10-6
吸入摂取した場合の実効線量係数(二酸化ウラン、八酸化三ウラン、四フッ化ウラン等の四価の化合物、ミリシーベルト/ベクレル) 6.1×10-3
経口摂取した場合の実効線量係数(4価のウラン化合物以外の化合物、ミリシーベルト/ベクレル) 4.6×10-5
吸入摂取した場合の実効線量係数(六フッ化ウラン、フッ化ウラニル、硝酸ウラニル等の六価の化合物、ミリシーベルト/ベクレル) 6.0×104
「1kgあたり10兆ベクレルのウラン235を含むホウレンソウを、100g経口摂取した場合」
という無茶な仮定で(ノ_-。)
ウラン化合物は二種類出てますので、それぞれ計算してみると
10兆×0.1×(8.3×10のマイナス6乗) = 8300万ミリシーベルト/ベクレル
10兆×0.1×(4.6×10のマイナス5乗) = 4億6000万ミリシーベルト/ベクレル
これをシーベルトで言い換えると、
「発電中の核燃料を100g食べると、8万3000~46万シーベルトの内部被曝」
という事になりますか。
Wikiで見ると1号機炉内の燃料集合体は400体。集合体一つの重さは311kg。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
約125トンの燃料が炉内にあった事になります。1トンは100万g。
という事は言い換えると
「発電中の核燃料125トンを全量食べると、10兆3750億~57兆5000億
シーベルトの内部被曝」
ちょっとそこ、笑わないように。
これでも一生懸命計算したんですから、電卓と筆算で。
まあ気を付けましたが、どこかで計算間違いしてるかも知れません。ていうかしてるでしょう。
そもそもこんなのは、話半分のそのまた半分です。
実際は核分裂した後に生まれる無数の生成物ごとに実効線量係数があり、
その係数にだって異論があるんですから。
しかも外部線量だけを出そうとすると、バックグラウンド等も考慮して計算する必要があって僕にはムリ。
1号機の10万~100万シーベルト/hがあり得るかどうかの参考には出来ません。
という訳で、これはただ暇人がやってみただけの計算。
本当に詳しい人がいたら、ぜひ教えて下さいませ。
ああ疲れた。