女性たちの声 パプアニューギニア
女性が森林から食べ物、水、薪などを集めて家族を養うことは多くの共同体で行われています。森林の健やかさは大切なことですが、女性は森林管理についての意思決定からはずされています。多くの国で、もっと女性の声を森林の問題について取り入れようというプログラムがすすめられています。

市場に出す マリ
西アフリカを訪ねれば、地域の市場に、果実、植物、スパイスなど森林から採集されたものを売る女性であふれているのに出会います。このような非木材製品の販売収益に頼っている家族がたくさんいます。経済開発プロジェクトは、女性が、市場についての情報を得たり、その他のリソースを活用できるようにすることで、家族の収入を増やそうとしています。

地域の主導権を強くする  ボリビア
多くの国で、森林に頼っている人々にこそ森林管理計画の主導権をわたそうとしています。その結果はさまざまです。ボリビアでは、地域が違法な農地開発、木材伐採、放牧を帽子しようとパトロールを始めました。しかし、他の地域では、材木を製材会社に売ってしまい、短期的な利益は得たものの、将来的な展望にはつながりませんでした。

コミュニティ林業 タンザニア
タンザニアでは、政府が森林経営に失敗した場所で成功したコミュニティがあります。地域の森林保全の権利を得て、いくつかの村がはげ地になっていた土地に植林し、泉を再生し、牧畜道路を閉鎖したりすることで、森林からの収入を増やす事に成功しました。

チョウチョと暮らす メキシコ
中央メキシコにあるオオカバマダラ保護区では、38の地域共同体が、何百万もの渡りをするチョウチョとともに暮らしています。違法な伐採、農業、観光がこのチョウチョの生息地を破壊しています。非政府組織や地域の人々は、家を建てたり、煮炊きをするのに、より少ない木材や薪で行う方法や、農業の方法の改善、観光の影響を少なくすることなどを学んでいます。
暮らしぶりを守る ロシア
何百もの先住民の集団が、動物を放牧し、狩猟し、採集して暮らしています。シベリアの森林とツンドラでの彼らの伝統的な生活は木材伐採、鉱山開発、汚染によって脅かされています。先住民の人々は彼らの自然と共生する文化と権利を守ろうと、力を合わせています。

森林に投資する ニュージーランド
ニュージーランドの植林された森林の14%は、先住民族のマオリによって所有されています。彼らは、植林と商業的な林業がこれからの経済、職やその他の利益にとって大切な役割を果たすと考えています。

華々しい緑 米国
太平洋岸北西部の森林にあるシダ類やその他の緑色植物は世界に輸出されています。木材収穫が減少するに伴って、これらの花をつける植物が、地元の共同体にとって大切な収入源になってきたのです。持続可能な林業をすすめている人々は、この成長産業が、適切に規制されていけばも環境も経済も満たすことができるようになると考えています。

ガム メキシコ
古代のマヤ族の人々はチクルと呼ばれるサポジラ(Manilkara zapota)の樹汁を噛んでいました。19世紀になって、一人のニューヨーク出身車がこの天然のラテックスに砂糖と香料を加えて売り出し、またたく間に大成功しました。いまのチューインガムはほとんどが合成された素材で作られていますが、チクルは小規模ながらも収穫され続けています。

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芸術 ニュージーランド
口承伝承によると、マオリの人々が行う木彫の技術は、海の神タンガロアによって与えられたものだということです。今日の芸術家たちもまた、装飾的で霊性的なデザインで地元産の木を彫るのです。
電信柱  米国
ダクラスフアー(Pseudotsuga menziesii)は、北米の家庭やビジネスへと電線と電話線をひくための電柱にもっともよく使われている素材の一つです。アメリカ高速道路網沿いには、8800万本もの電柱があります。

線路の枕木  米国
世界の大規模線路網は、文字通り木でできています。線路の下に敷かれる長持ちする木製の枕木は何千キロもの重さに耐えます。木材はjいまも枕木市場の90%以上を占めているのです。

澄んだ水  米国
ニューヨーク市は、水道水の質の高さで有名ですが、その水は森林に覆われたキャッツキル山脈の流域から自然に濾過したものです。1997年、市は60-80億ドルの建設費がかかる浄水装置の建設よりはむしろ流域保全のために10億ドルを支出しました。

きれいな空気 米国
木々はわたしたちが呼吸する空気をフィルターし、二酸化炭素と汚染物質を吸収し、酸素を放出します。ワシントンD.C.だけでも、都市近郊の木々と森林は、毎年395,100kgの汚染物質を吸収しています。

メイプルシロップ カナダ
1600年代に、北米先住民は、開拓者たちにメイプルの樹液から砂糖を作ることを教えました。いまやカナダは28,000トンものメイプルシロップを30カ国以上に対して輸出しています。シェアは85%にもなります。一本のメイプルの木(Acer saccharum)から毎年1リットルのシロップを作るのに十分な樹液が採れます。

ブラジルナッツ ペルー
アマゾンの熱帯林に広がるブラジルナッツ(Bertholletia excelsa)の自然林から貴重な商品作物の木の実が採れます。ブラジルナッツの市場は森林保全を助け、同時に地域の人々に収入をもたらしています。ペルーでは、ブラジルナッツの林地は、地元の家族によってほとんど管理されています。

気候 ブラジル
地球規模の気候変動を緩和するだけでなく、森林は地域ごとの機構にも影響を与えます。アマゾンでは、森林は湿度を保ち、気温を調整しています。木々はアマゾンの雨量の半分をリサイクルしています。つまり、朝木々から蒸発した水は午後雷雨となって帰ってくるのです。

シアナッツ ブェルキナファソ
シアの木(Vitellaria paradoxa)の実は50%の油分を含んでいます。地元では長らく調理、化粧、軟膏、石けんとしてつかわれてきました。また、国際的な化粧品、食品、薬品産業からのニーズが高まっているため、それを採集する女性にとっては大切な収入源になっています。

紙 フィンランド
フィンランドは、世界の森林面積の0/5%の森林しかないのに、世界の印刷用紙の25%を供給しています。紙およびその材料の木製パルプは、森林製品の国際取引の半分以上を占めているのです。

レクレーション フィンランド
世界のどこでも人々は森でキャンプ、魚釣り、ハイキング、狩猟、木の実摘み、乗馬、散歩、探鳥などの活動を楽しんでいます。ヨーロッパの一部では、民有地であっても、一般の人々がレクレーションでつかえるようにしなければならないことになっています。フィンランドの市民は、すべての森林に対する公共的アクセス権を広く享受しています。

家具 ロシア
わたしたちの地球規模の経済では、米国で売られているスウェーデンのデザインの家具がロシアで育った木から中国で作られていたりします。生産者は世界でもっとも賃金や原材料が安いところのメリットを求めます。ロシアでは、陸地の70% が森林で、しかも9時間の時差にまたがる領土を持ち、木材は世界の他の地域に比べれば格安の価格で買えるのです。

土壌 マダガスカル
木々とその他の植生が土壌を保っています。焼き畑農業、過剰な木材伐採、過放牧などによる激しい土壌流出によってまだかスカルの原生林は再生できなくなりました。マダガスカルの森林という生息地に生きていた動植物は、地球上のどこにももう存在しないのです。


ユーカリ油 中国
西洋諸国に150年ほど前に紹介された精油であるユーカリ油は、咳や筋肉痛を含むさまざまな症状に対して処方されます。香りづけ、クレンザー、虫除けとしてもつかわれます。ユーカリの木(Eucalyptus globulus)はオーストラリア原産ですが、中国がいまや世界一の生産国です。


竹 中国
「貧乏人の材木」と呼ばれる竹(Bambusoideae)は、実際には草本類です。アジア諸国では経済的に重要な役割を果たします。一日に1メートルも成長し、もっとも速く成長する木の三倍の速さです。竹は食べ物から建築物、家具、道具と、何にでも使われます。

ジュジュベ 中国
森林から採れる木の実は重要な食料源であり、収入源となります。ジュジュベあるいはチュウゴクデーツ(Ziziphus jujuba),と呼ばれる木の実はビタミンCが豊富で、何世紀にもわたって医療用に使われてきました。今日では、この木が荒れた土地でもよく育つため、砂漠化を防ぐために植林され、地域の収入につながっています。

船 タイ
サンパンは、東南アジアの川、湖、運河、入り江などでよく使われています。この平な底の、手漕ぎボートは、移動、魚釣り、さらには家として使われています。

キノコ 台湾
制癌作用のあるキノコ、Antrodia camphorate,は台湾にしか生えません。しかも、絶滅の恐れのあるcamphorという木の内部に生えています。薬効と希少さのために、このキノコは一キロ何千ドルもの値段で取引されています。生物化学会社は、天然ものと同じものを人工で作り出そうとしています。

薬効のあるハーブ ネパール
ヒマラヤの森林と牧草地から、毎年何千トンもの薬効のある、アロマのハーブが地元の人々によって収穫されています。収穫されたもののほとんどは輸出されます。この取引によって、経済発展と過剰利用に対する関心が生み出されています。

神聖なる木々 インド
世界で木々は霊性的な宗教的な生活にとって大切にされています。仏教の伝統によれば、ブッダは木の下に座って瞑想し、悟りを開いたと言われています。(ボデイ)菩提樹(Ficus religiosa)は、ヒンズー教徒にとっても聖なる木で、いちじくの一種です。
SALの葉 インド
Salの木(Shorea robusta)の葉を集める事で、多くの女性が収入を得ています。その葉を編んで皿にするのです。使い捨てできてしかも生物分解するこの皿は、国際市場にも広がっています。オリッサ州では、このような非木材製品が地元の過程の収入の40%にもなっています。

茶 タイ
タイ北部の森林に村があって、その村では自然の茶の木(Thea sinensis)から緑茶を収穫し、販売しています。村人は追加的な植樹をしながら、緑茶を得ていますが、その収入が村全体を支えています。

ゴム マレーシア
天然のゴム、あるいはラテックスは、Hevea brasiliensisの木から採ります。ゴムの木はブラジル原産ですが、85%の世界の生産はアジアです。1800年代に大規模プランテーションが始まったからです。合成化合物が現在では入手できますが、天然ゴムは市場の1/3を占めています。

スパイス インドネシア
スパイスはその多くが熱帯林の木々の樹皮、樹液、果実、枝、葉、根、花、あるいは種からとられています。ナツメグ(Myristica fragrans)は、東インドの「スパイス諸島」原産の常緑樹の種から採られます。メイスというスパイスは、その種の明るい赤の皮膜です。スパイスの取引は、普通は、熱帯から世界へと流れます。

レチン
Almaciga resin, or Manila copal (Agathis philippensis),はラッカー、リノリウム、ペンキ、プラスティック、印刷用インキ、石けん、ニスの成分で、輸出からの収入の主要なものです。伝統的な方法では、木を損傷し、からしてしまっていたのですが、樹液を採る新しい持続可能な方法が取って代わりつつあります。

武器 日本
中世の武器は、木でできおり、現代の武術家たちも、木でできたさまざまな刀、棒、槍などを使います。日本のフェンシングである剣道では、樫の木その他の堅材からつくられた木剣あるいは木刀が使われます。

生物的多様性 オーストラリア
オーストラリアの植物と動物は、地球でここにしかありません。オーストラリアの生物多様性の半分以上は、森林と林地にあります。生物的多様性は自然環境の健康、大気と水の質を浄化する、土壌を豊かにするなどのために重要です。

山岳地帯の森林 アルメニアとグルジア
急峻な陸地に阻まれているため、高地の森林生態系には、そこにしかない種がよく見つかります。山岳地帯の森林は、水資源を保全する、土壌流出や洪水を止めるなどに大切な役割を果たしています。世界のもっとも深い密林は山岳地帯にあるのですが、農地、薪、建築資材などに対する高い需要が森林に大きなプレッシャーをかけています。グルジアとアルメニアでは、これらの生息地を保全するための国家計画をたてました。

ジャガー 米国
北中南米に広がる自然環境のほとんどの場所でジャガーは絶滅の危機にあります。メキシコの北の国境付近では特に希少です。森林生息地の消失、人間による捕獲、違法な狩猟などが減少の理由です。ジャガーはそのすばらしい毛皮のために、また家畜を守るために殺されます。

マカウ ブラジル
マカウはオウムの中でももっとも絶滅の危機にある種です。その中で、ヒヤシンスマカウは成功した物語です。人工的な巣箱の設置プログラムおよび公共的な教育によって違法なペット取引をなくすことで、マカウの数は、場所によっては回復しています。しかし、木材伐採や農地の開発などによる森林生息地の消失によって、いまもまだ絶滅の危機にあります。

イベリアリンクス スペインとポルトガル
イベリアリンクスは、すべてのネコ類の中でもっとも絶滅の危機にあります。これから10-20年で、野生のものは絶滅するでしよう。その生息地である林地と灌木林が失われ、ばらばらになり、餌になる動物の数も減ったために、いまでは200頭しかいません。政府、民間土地所有者、保全組織が生息地管理計画と、捕獲して増やす計画に合意しようと努力しています。

ブッシュミート コンゴ民主主義共和国
野生生物を狩猟すること、特に、particularly duikers, pigs, porcupines, and primates - for bushmeatは長く確立した伝統であり、収入源です。しかし、需要の拡大、森林へのアクセスの増加、ブッシュミートの販売の拡大が生物的多様性を脅かしています。野生生物保全の活動家たちは、種と生息地の保全を向上し、地元社会に経済的な代替案を作り出そうとしています。

オランウーンタン インドネシアとマレイシア
オランウータンは「森の人」という意味です。この大型猿人類の個体数が90%も激減してしまったのは、大きくは森林生息地の破壊の結果です。木材伐採、農業、プランテーションが主要な脅威であり、そこに狩猟も加わります。オランウータンを絶滅の危機から保護するためには、広大な保護区の設立と、肉と固体の取引を規制する必要があります。

森のカリブー カナダ
寒帯森林の「灰色の幽霊」は、天敵から身を守り、食料とするゆっくりとしか育たない地位類の保護のためにとても広い成熟した森林を必要とします。ユーコンからニューフォンドランドまで、カナダ全体に広く分布した個体数も、生息地において開発、道路建設、農業、伐採、鉱山、石油や天然ガスの開発などがすすみ、激減しています。アルバータでは、森のカリブーは絶滅危惧種のリストに乗せられており、7000頭以下しか残っていません。

海面上昇 ツバル
いくつかの予測によると、ツバルとその他の標高の低い島々の諸国は、地球気候変動による海面上昇のために50年以内に消えると言われています。森林破壊はその原因の一つです。森林をなくしてしまうことは、光合成による炭素の吸収を減らします。化石燃料を燃やすことは、大気中に熱を閉じ込める炭素ガスの排出を増加させます。

マングローブと沿岸コミュニティ インドネシア
インドネシアは、世界のマングローブ林の1/4を持っています。熱帯および亜熱帯の沿岸線に広がるこれらの木々、灌木は、世界の中でも生産性の高い生態系を保っています。何千もの沿岸の村落は、マングローブ林から薪、魚、その他の産物を得ています。しかし、世界でマングローブ林は、川がダムでせき止められ、広大な部分が田んぼや魚やエビの養殖地に転換されることで、縮小しているのです。

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森林の農地への転換 台湾
先進国でも途上国でも農業は森林破壊の主要な原因です。特に急峻な斜面での農業は、生態系にとって損害が大きいのです。というのも、過剰な耕起、殺虫剤の使用、土壌流出などが起こるからです。台湾における有機農業による田んぼづくりは、農業者に、栽培する作物を変えること、化学物質に頼らない害虫の駆除、耕す量を減らすなどの努力を伝えています。

気候変動 地球
地球規模で気温および海面が上昇していることは、二酸化炭素、メタンなどの「温室効果ガス」と呼ばれる大気中に熱を閉じ込める働きのある気体のせいだと言われています。森林を伐採し、化石燃料を燃やすことは、問題の一部なのです。

貧困と森林破壊 ブラジル
毎年、アマゾンの森林が農業と牧畜のために何千平方キロメートルも燃やされています。燃やしているのはほとんど貧困な土地なし農民たちです。森林の最前線へと押し出され、彼らは破滅的な焼き畑農業をするしかないのです。複雑な貧困と土地所有の問題に直面して、ブラジル政府は地元のコミュニティや非政府組織とともに持続可能な農業のやり方をすすめようとしています。

プランテーション ニュージーランド
プランテーションは、主にアジア、オセアニア、南米に広がっています。そこから1/5の世界の木材需要に応えています。ニュージーランドでは、速く育つ柔らかい木質のプランテーションが99%の年間木材収穫につながっています。そのおかげで、残された天然林は、保護区として取りのけられて保全されているのです。

燃料用木材 マリ
木を使って調理し、暖をとっている人々は、田舎中心に、5億人にものぼります。燃料用の木材は世界の木材消費量の半分にもなるのです。供給が減っている地域では、薪の採集は森林を劣化させ、土壌流出や地滑り、洪水を起こします。貧困をなくし、所有権を確立し、代替の燃料を導入することで、この重要な資源の持続可能な利用をすすめることができるでしょう。

単一樹種の植林 デンマーク
デンマークでもっとも重要な樹種はNorway spruce (Picea abies)です。デンマークに200年前に導入されたとき、このスプロースは単一種植樹をされていました。単一種職年は、昆虫の攻撃に対して弱く、また風にもなぎ倒されやすかったのです。いま、デンマークではノルウェースプルースを他の樹種と混合して植林し、風、昆虫、病気の害から守ろうとしています。

絶滅の危機にある植物 インド
インドには1800種類もの薬効のある植物があります。Ashoka
tree (Saraca asoca)は過剰採取、無駄の多い加工法、生息地への人間の侵入などによつて脅かされています。質の悪くなった土地で、耕作するプログラムも始まっています。現在提案されている全国希望での生物的多様性情報ネットワークでは、それらの輸出作物でもある植物の種を記録することになるでしょう。

洪水 バングラデッシュ
洪水平原にあるバングラデッシュでは、森林の消失、都市化、海面上昇は、破滅的な組み合わせとなっています。自然の川の運河は、森林がなくなつた土地かせの土の流出や住宅や道路を建設するために埋め立てられたりしたため、毎年のモンスーンの流れを受け止められないようになっています。政府が作った川の護岸と排水システムが少しの助けにはなっていますが、さらに森林管理の実践を行ない、洪水の警報システムを導入することが求められています。

砂漠化 中国
吹き飛ばされた砂が農地の息を止め、北京はしばしば砂嵐に見舞われています。植生と表土がはぎ取られ、2500平方キロメートルが毎年砂漠になっています。この変化は、森林伐採、放牧、薪の採集によるものです。広がるばかりの砂漠に対して、中国は、世界最大の植林をすすめています。

火事 インドネシア
1997-98年にかけての大きな森林火災が世界の注目を集めました。火事は生存のための農業と商業的な植林を目的として、使われました。厳しい自然環境条件と、モニタリングの不足が、何ヶ月もの間、火事がコントロール不可能になり、大気を汚染し、森林生息地を破壊する結果となったのです。

地滑り 台湾
この山岳が多い風景では、森林破壊は頻繁に起こる地震や嵐の影響を何倍にもしてしまいます。大規模な泥土流は村を瞬時に埋めてしまいます。排水を改善するために、台湾政府は大規模な植林を主導し、洪水警告システムをつくり、急峻な斜面を安定させるプログラムを開始しています。

塩分 オーストラリア
水のトラブルが起こると、何千年も地中に貯められていた塩が、水とともに地表に運び出され、何百ヘクタールもの農地を塩砂漠にになっています。問題は、天然の植生を農地のために伐採してしまったことから起こっています。問題に対処するために、オーストラリアは、より根が深くのびる元の樹種や灌木を植林しようとしています。

土地所有 ポーランド
東ヨーロッパの諸国は森林の所有を民間に戻しつつあります。結果はさまざまです。民有は地元の管理と収入を増やし、植林を奨励しますが、小さな、ばらばらになった土地所有は、経済的にはよくないかもしれません。ポーランドは、140万人もの森林所有者が、平均5ヘクタール以下の森林を持っています。森林をよりよく保全したいという希望は、環境意識と財源の欠如、そして保全のための枠組みの弱さという問題に直面しています。

PLTFoW世界森林ツアー 生徒用ページ

世界の森林ツアーを活用する
7ページの「世界森林ツアー」には60枚のカードが含まれています。それぞれのカードには、森林の伝統的な価値、直面する課題、地域が未来に向けて取り組んでいることなどの具体的な事例が紹介されています。ページをコピーしてラミネートして、さまざまな方法で活用することができます。もっと大型のカラー版をPLTのウェブサイトからダウンロードすることも可能です。

カードのつかい方
カードは、次の三つのアクティビティで使われています。
・ アクティビティ2「森林って何?」(パートB、ステップ3)生徒はカードを使って、世界のさまざまな地域で人々が森林のことをどう見ているかを知ります。
・ アクティビティ4「変化のパターンを分析する」(パートA、ステップ3)生徒は人間が森林を変えるやり方を知ります。
・ アクティビティ9「世界の森林を調査する」(ステップ4) 生徒は、カードを参考に、どの国あるいは森林について調査するか選びます。

さらに、次のような革新的な方法もあります。
・ 一人ひとりの生徒にカードを選ばせて、小グループの中でシェアします。それぞれのカードを声を出して読みあい、共通点は何かを話し合います。
・ 4つのアイコンでカードをソートします。(カードの右上の隅にあります。) 同じアイコンのカードすべてに目を通して、アイコンの意味を考えさせます。下記の解説がアイコンの意味するところを一つ表していますが、しかし、生徒に彼ら自身の考えをまとめさせます。
・ アクティビティ5あるいは6を行った跡、生徒に一枚ずつカードを与え、そのシナリオに含まれる環境、社会、経済の要素について文章を書かせます。どの要素がすべてのカードについてよく出てくるか、でてこない要素はどれかを話し合います。
・ 一人に一枚ずつカードを配り、「地球規模のつながり:世界の森林」ポストーの上に置いていかせます。大陸ごとにあるいは地域ごとにどのようなパターンが表れるでしょうか。物語から発見したことと、付録EとFに含まれるデータを比較しましょう。

カードのカテゴリー
カードは次の四つのカテゴリーで構成されています。カテゴリーはアイコンで示されています。一枚のカードには一つのアイコンがついていますが、取り上げられているトピックは互いに関連し、重複しています。

生きる・生計をたてる
これらのカードは人々が森林によって生計をたてようとする努力をしめしています。

森林の恩恵
これらのカードは、人々が森林から得ている数えきれないほどのものを示しています。

野生生物
これらのカードは、森林の破壊あるいは消失によって生存を脅かされている野生生物についてです。

人々と森林
これらのカードは、人間の人口と森林との複雑な相互関係を示しています。

. Source: Text of cards - adapted and reprinted with permission from the People and Forests exhibit at the World Forestry Center, Portland, Oregon, 2007.
PLTFoW「森の惑星」生徒用ページ


地球のことを「水の惑星」と呼ぶのはよく聞きますが、「森の惑星」としてもっと知られてもよいのではないでしょうか。森林は、地球上でもっとも広がっている自然環境(natural community)で、地球の陸地の31%を占めています。 地球規模で伊カバ、これらの森林は地球の必須生物圏システムにとって不可欠です。地域にとっては、森林は食料、燃料、住居を提供してくれます。

森林は地球上の生命にとって不可欠な存在である

森林とは何でしょうか? 多くの場合、人が森林と聞いて思うのは木々です。木々は森林の中で最大で、もっとも目立つ構成員ですが、木々だけで森林が成り立っているのではありません。森林には他にもさまざまな生き物、低木、ツタ類、香草、シダ類、コケ類その他の植物と、バクテリア、菌類を含む動物が、昆虫からほ乳類、鳥類からは虫類、両生類まで、生きています。この森林生態系の豊かな多様性が、生命体も非生命体も含めて、惑星のいたるところで生命をつなぐことを助けているのです。

森林は、土壌を固定し、流出を防ぐことで流域(watersheds)を保護します。森林から出る葉、小枝、樹皮は、豊かな腐葉土へと腐敗し、植物の栄養となり、保水のためのスポンジとなるのです。森林の植物は太陽のエネルギーを化学エネルギーに転換し、その化学エネルギーは食物連鎖の網を通じて貯えられ、転移していきます。この光合成のプロセスを通して、森林は二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出します。さらに、森林は、陰となり、空気を冷やし、地域の気候を緩和し、何百万もの植物や動物の種の生息地(habitat)を提供しているのです。

森林から得られる恩恵は、その中にとどまりません。私たちは森林が水循環を規制し、大気から二酸化炭素を貯え、生物的多様性を支持することに頼っています。しかし、他にも森林の恩恵を受けていることがたくさんあるのです。例えば、北米の農家と林業者は、熱帯の森林で一時期を過ごし、北米にやってくる鳥、コウモリ、昆虫が、穀物を受粉させ、種を運び、有害な生物を餌とすることに、頼っています。
森林は世界の経済にとっても必須です。森林は材木、紙などの木材製品を提供します。また、非木材製品として、食料、ゴム、薬品、油、樹脂、スパイスなどがあります。世界中の諸国にとって森林はとても重要なので、森林製品と森林が提供するサービスの年次価値は、世界のGDP(gross domestic product)の10%、米ドルに換算して4,700,000,000,000ドル、4.7兆ドルと推定されています。(コラム「世界の森林はどこにある?」参照)

コラム「世界の森林はどこにある?」

世界の森林は、この15カ国のリストからもわかるように、地球のさまざまな場所にあります。これらは森林面積の大きい上位の国々です。


位 国 総森林面積(1000ha) 世界の森林に占める率
1 ロシア連邦 809,090.00 20.06
2 ブラジル 519,522.00 12.88
3 カナダ 310,134.00 7.69
4 アメリカ合衆国 304,022.00 7.54
5 中国 206,861.00 5.13
6 コンゴ民主共和国 154,135.00 3.82
7 オーストラリア 149,300.00 3.70
8 インドネシア 94,432.00 2.34
9 スーダン 69,949.00 1.73
10 インド 68,434.00 1.70
11 ペルー 67,992.00 1.69
12 メキシコ 64,802.00 1.61
13 コロンビア 60,499.00 1.50
14 アンゴラ 58,480.00 1.45
15 ボリビア 57,196 1.42
*ちなみに、日本の森林面積は2512万ha(上記と同じ単位にすると25,120.00)

森林は場所によって、大きく異なります。ある森林で優勢な樹種は、気温、土壌、その他の物理的な非生物的な要素と、そこに生きている植物や動物で決まります。


国連FAO食料機構は、森林を月ごとの平均気温を第一基準として、分類しています。
・ 熱帯林(tropical) は異年を通して温かい気温の赤道付近に多く見られます。
・ 亜熱帯林(subtropical) は一年のうち、少なくとも8か月は温かい気温の熱帯の北側および南側に広がっています。
・ 温帯林(temperate) は、劇的な季節の変化がある中緯度地域に見られます。
・ 冷帯林(boreal) は、長く寒い冬と涼しい夏がある南北の高緯度地域に見られます。

アクティビティ3「世界の森林を地図にする」に森林の分類についての情報があります。参考にしてください。

人々と森林: 時代を越えたつながり

人類最古の居住地として知られている時代より前から、人々は森林に頼り、そして森林を変えてきました。今日と同様、初期の狩猟採集社会にとっては森林は食料、燃料、住居のための資源でした。時代とともに、木々はまずは建設資材およびエネルギーを提供し、人々は寒冷な気候に住まい、食べ物を調理し、陶器を焼き、後には金属を溶かし、製品化し、農機具、道具、武器を作るようになりました。「森の旅という本で、著者であるジョン・ペリンは、「木材は、初期の社会の基礎をつくりました。」そして、彼は人々が「骨と石」文化から現在の技術的に進歩した状態まで変化していく上で、中心的な役割をは足していると言います。

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ギリシアローマ時代の初期の文明からずっと、人々は木材や木炭を使って、調理と暖房だけでなく、ガラスを溶かすための燃料、染料、石けん、建設資材であるブロック、セメント、タイルなど作るのに使ってきました。木材は19世紀までは、橋、建物、車軸、船、箱車、水車、風車を作るために必要不可欠な材料でした。そしてまた、19世紀末から20世紀初頭にかけては、鉄道網の拡大に大きな役割を果たしました。21世紀になったいまでも、木材は、エネルギー資源の第一位なのです。世界で1700万立方メートル以上の木材が燃料として毎年使われており、34カ国の途上国では、必要なエネルギーの70-90%をまかなっています。私たちはいまも建設資材として木材を必要としています。材木、紙、段ボール、その他の製品として世界で毎年1.5百万立方メートルが使われています。

グローバルな関心事

森林は、わたしたちの惑星の生命にとって不可欠な要素であり、人口増の大きな圧力にさらされています。世界のほとんどの国は、森林の問題を環境問題のトップに上げています。いちばんよくある理由は、森林破壊です。森林が永久になくなることです。そして、もう一つは、森林の健康が失われていくことです。森林は、人口増加、気候変動(global climate change)、伝染病などの地球規模での環境問題の要にあるのです。

人口増加
世界の人口は2007年には66億人になり、現在も増え続けています。増加率は減るかもしれませんが、20世紀の間だけでも75%も世界人口は増えたのです。その直接的そして間接的な結果として、20世紀に世界の森林は、半減しました。約300万ヘクタールです。1990年代には、人口増加が急速にすすんだ国の多くで森林破壊が起こりました。地球政策研究所(Earth Policy Institute)のレスター・ブラウンは次のように説明します。「この正比例はわかりやすいものです。人口増加につれてより多くの農地、牧草地、森林製品が必要になるからです。」

消費の増大
森林製品の消費は、ここ30年の間に倍増し、今後も増え続けるようです。

森林破壊
開発行為、都市化、農地への転換などによる森林地の恒久的消失は、森林破壊と呼ばれていて、国際的な関心事となってきています。今日では、森林面積は390億ヘクタールで、南極とグリーンランドを除いた陸地の3分の一近くです。(コラム「世界の森林面積と森林率の変化」参照)これはまだまだ広大な森林であると言えますが、人間が農耕を始めた1万1000年前ぐらいの頃に存在した森林量の半分なのです。

20世紀には重大な森林破壊が起こりました。1990年代に、南米およびアフリカは89百万ヘクタールの森林を失いました。世界全体での森林消失は鈍化しているように見えますが、熱帯地域での森林破壊は加速しており、毎年13百万ヘクタールが失われています。森林は農地に転向された土地でも成長できますし、するでしょう。アジアとヨーロッパでは、森林被覆率の経年変化は、増加に転じています。

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コラム



生物多様性

生物学的多様性、あるいは生物多様性は、有機体のすべてのレベルでの生物学的バラエティのことです。ある種の集合体における遺伝子的バラエティもあれば、生態系的コミュニティにおける生物種の多様性もあります。生物多様性は、そのエコシステムの健全さの指標としても使われます。森林は、すべての陸上生態系の中でも、もっとも大きな生物種の多様性を持っており、陸上生物種の3分の2に上ります。しかしながら、森林が劣化したり、消失してしまうと、多様性もまた失われます。農業や狩猟、木材伐採など人間が引き起こしている圧力は生物種全体としては減っていますが、地域の固有種を脅かし、外来種が入り込みやすい条件を作り出してしまうのです。

外来種による侵略は、地球全体の生物多様性にとっての主要な脅威であり、もちろん、損林そのものにとっても同様です。侵入種の植物や動物は、彼らの増加を阻む自然の天敵が存在しないため、成長や増加が速い傾向があります。例えば、タヒチでは、1937年に、魅力的な景観樹種として導入されたメコニアが土着の森林を置き換えて、70-100もの固有種の植物を危機に陥れてしまいました。

地球気候変動
森林は、地球気候変動とも関わっています。大気中の二酸化炭素の良は1850年から1998年の間に30%増加しました。それはほとんどが人間が化石燃料を燃やした結果なのですが、調理と暖房のために木を燃やした結果でもあります。気候モデルは、二酸化炭素の量がもっと増加すれば、地球の大気を暖め、雨量、海面レベル、気候のパターンを変えると同時に世界の生態系の分布、度合い、構造を変えてしまうと予測しています。

炭素は、大気、海洋、植生、動物、土壌の間を自然の営みとして循環しています。光合成のプロセスを通して、木々は二酸化炭素を大気から吸収し、それを木質細胞に貯えます。森林は、陸上の生態系の中で、もっとも多くの炭素を固定していて、平均して一本の立ち木は、9kgの二酸化炭素を大気から取り込んでいます。地球規模で言えば、森林が炭素を貯えることができる量は、大気中の二酸化炭素のような気体を安定させるのに、決定的な役割を果たしています。

政治的安定

森林やその他の自然資源が希少になったり、激しく傷つけられたりすると、政治的社会的不安定が起こります。そのために、政治的危機や時には軍事紛争にまで発展することもあるのです。例えば、ハイチでは、無規制な木材伐採、農地への転換、燃料としての薪利用が行われた結果、急激に森林が減少しました。1920年代のハイチは森で覆われていました。60%以上の陸地が森だったのです。1999年までに、それがたった2%だけになってしまったのです。環境の質が悪化したことで政治的に不安定になり、大規模な移民が起こりました。

伝染病
人間の健康は森林の健康とつながっています。例えば、ペルーの熱帯雨林の奥深くで、人々はマラリアにかかるようになりました。この病気はつい最近まで、まったく知られていなかったものです。科学者たちは、この病気の広がりは、森林破壊の結果であることを発見しました。明らかに、森林が切り払われ、野生動物が排除されてしまえば、マラリアの病原菌のキャリアである蚊は、あたらしい宿主を探す必要があります。それが人間だったのです。ほとんどのマラリアは、熱帯が原産ですが、米国およびヨーロッパでは「空港マラリア」が着実に増加しつつあります。それは、熱帯になど行ったこともない人々が、行った人と接触することによって広がっているのです。


世界の飢餓を救う
世界の農業者たちは、共通の課題に直面しています。土地を劣化させずに、より多くの人間に食料を供給するにはどうすればいいという問題です。世界中、そして、歴史上のいかなる時でも、この食料供給のニーズが、森林を切り倒し、焼き払い、農地を増やすことをしてきたのです。今日の森林破壊の原因の一つは、生存(subsistence)農業という、自分たちの家族を養うための農業なのです。

先住民の人々と文化
世界の先住民の人々の多くは、森林を利用し、管理する長い歴史を持っています。そのために、森林の質が低下したり、森林がなくなったりすると、大古な影響を受けるのです。現在および過去の森林政策は、しばしば地域の人々を森林計画や保全から除外してきました。その結果、これらの人々の生命と生存の危機と森林の減少につながったのです。

森林破壊と森林の質の低下に直面して、多くの先住民の共同体が森林の保護者としての役割を取り戻そうとしています。世界のあちこちで、先住民の人々は森林破壊につながる急激な経済発展を止めようとしています。同時に、先住民の人々の伝統的な知恵は、ますます持続可能な森林管理(sustainable forest management)のために重要であることが理解されてきているのです。

地球から地域のつながりまで

地球希望での世界の森林の広がりと健康は、地域での人間の活動に影響されています。農業、牧畜、薪の採集、商業的木材伐採、原生森林を商品作物としての人工林に植え替える、都市化の進行、新たな居住地の開発、森林管理の公有地および私有地における実践、道路建設、水力発電のための溜め池などが、特定の森林地に大きな影響を与えることでしょう。確かに地域での人間活動が森林に影響するとは言うものの、これらの活動がどれぐらいの頻度で起こるかは、国際的、国内的なレベルにおける経済、政治、社会的な力によって決まります。

森林に対する地球規模の対応

地球規模では、森林が直面する諸課題に応えようと努力が続いています。1992年にリオデジャネイロで開かれた国連地球サミットには、102カ国の代表が集まり、世界の森林の大切さを確認する二つの国際条約を採択しました。森林原則声明は、森林とその持続可能性について初めて合意されたものですし、アジェンダ21は、持続可能性な開発のための国際的な行動計画です。(これらの文章は、国連のウェブサイトで見ることができます。)

リオデジャネイロでの会合以来、持続可能な森林管理にむけた進歩をチェックするために国際的なプログラムが始まりました。(コラム「世界の森林を管理する」参照) これらのプログラムの中で、もっとも総合的で、長期的な国際的なイニシャティブには100カ国以上が関わっています。このイニシャティブは規準(criteria)あるいは持続可能な森林管理の条件のカテゴリー、指標(indicator)、すなわたこれらの規準を測ることのできるサインなどを定義しています。これらのイニシャティブを承認することで、それぞれの国は、国内の森林すべてを持続可能なように管理することをはっきりと示したのです。

世界の森林に対する地球規模の関心が広がる中で、国際的な協力によって森林の使われ方に大きな影響が出てきています。例えば、二酸化炭素とその他の「温暖化ガス」を減らそうとする国際的な協定は米国およびラテンアメリカにおける私有地の地主たちに、彼らの農地を生産森林にして、炭素を貯めようとする経済的な動機づけを与えています。(コラム「炭素を固定する」参照)

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世界の森林を管理する
歴史以前の時代から、人間は森林を管理してきました。もっとも単純なやり方としては、食料や燃料、住居などの特定のニーズにあった木々の成長を促進するというものです。望ましい樹種を植林したり、間伐などの技術で特定の木に光がよくあたるようにすることで、成長を促進したりするのです。同じように、望ましくない樹種を、焼いたり、切り倒したり、毒で痛めたりすることで、取り除くことができます。

森林を、人間の干渉のスペクトラム上に捉えることもできます。一方の端が初期林primary forestsです。初期林とは、人間が手をつけていない森林共生体で、ほぼ原生種で構成され、人間の活動に影響されていないか、影響されているとしても原住している人々による狩猟や採集だけに限られている森林のことです。もう一方の端には、商品作物として植えられ、育てられ、収穫される植林でできたプランテーションがあります。

このスペクトラムには、人々のさまざまなニーズを満たすために操作され、管理されている多様な森林が含まれます。その中には、他の森林よりしっかりと管理され、優先順位の高い役割にみあうように操作されている森林もあります。農的林業agroforestryでは耕作地や牧草地が森林地の間にあります。国立公園や自然保護区のように保護されたエリアの森林ですら、野火の危険を最小限にしたり、木の伝染病が広がるのを防いだり、地元の人々が生存可能なレベルで果実や木の実、その他の産物を収穫することを許す程度の管理が行われています。

1990年代には、人々は、持続可能な森林管理という概念を受入れ始めました。持続可能ということは、現在の世代だけでなく、未来の世代のニーズも満たすように、森林を管理するということです。簡単なように見えて、持続可能性は、経済、環境、社会などの要因がかかわる複雑な目標なのです。それは、人間の社会のための長期的な利益を確保し、生態系的な多様性と森林の活力を維持することを意味しています。また、森林に関わるすべての関係者が遵守すること、森林の現状と未来の姿を正確に評価することが必要です。持続可能な森林管理についての国際的なイニシャティブについてはアクティビティ6「持続可能性を求めて:グローバルな責任」を参考にしてください。


森林認証
認証というのは、森林がよく管理されていることを証明し、そのことを認定するプログラムを通して宣言しているプロセスを指す一般的な用語です。森林および製品の認証は、責任ある林業を推進するためのガイドラインと構造、いくつかの水準などと、そのことが守られているかいなかを独立した第三者機関を通して保証するために作られました。認証は、消費者や顧客からの「グリーンな」製品を購入したいという、市場の需要を満たすためのものでもあります。世界にはさまざまな森林認証制度があり、それぞれは少しずつ焦点が異なっています。土地所有のあり方、政府の構造、森林所有者の価値観、森林タイプの違いなどの特徴を反映しているからです。

これらの水準は、さまざまな問題に対する評価可能な必要条件、具体的には、生態系的あるいは文化的に特別な価値のある場所を保全する、絶滅のリスクにある生物種を守る、野生生物の生息地を守る、持続可能な収穫のレベルはどれぐらいか、再生のスピードをあげるなど、さまざまな側面についての規準を含むことで、経済的環境的社会的な価値観をすすめます。認証について詳しくはアクティビティ6を見てください。

世界の森林のための時間

国際的なイニシャティブが、完全に実行されたとしても、森林破壊と消失を完全に止めることはできません。多くの国では、森林製品によって経済成長をめざしていますし、多くの個人は、生きるために森林を伐採し、更地にする以外の選択肢がほとんどないのです。

それでも、これらの対策は世界の残された森林に対する圧力を下げると期待されています。国連FAO世界食料機構によると、すすんではいるものの、その道は着実なものではないようです。地域によっては、特に先進国、温帯地方では持続可能な森林管理はずいぶんとすすんできて、森林政策や法律が改められ、森林関連機関が強化されています。しかしながら、発展途上の経済地域や熱帯の生態系においては、森林はいまも減少しています。これらの国の多くは、その傾向を反転させるだけの強力な機構をもとうにも財源がないのです。

FAOは問います。「世界はますます複雑な課題に直面しています。持続可能な森林経営と平等な経済発展を両方ともに達成することはできるのでしょうか。」と。これは、わたしたちがそれぞれの地域で、そして地球レベルで直面していることなのです。世界の森林を保全することは、すべての生き物、もちろん人間も含めて、すべての生き物の未来の健康がかかっているのです。
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コラム「炭素を固定する」

前世紀に、化石燃料を燃やす、森林を壊す、草地にしてしまうなどの人間の活動と、その他の土地利用の変化が、大気中の二酸化炭素を大幅に増やしました。ほとんどの科学者は、その急速な大気中の二酸化炭素の増加が地球規模の気候に影響すると考えています。
この傾向を変えるために、大気中の炭素を固定することによって、二酸化炭素を減少させようと人々は考えました。炭素の固定というのは、自然のプロセスおよび産業的な技術によるプロセスで大気中の炭素をつかまえ、生物的貯留庫(緑食植物や森林)あるいは非生物的貯留庫(土壌、石油や天然ガスの炭坑跡、塩水帯層)に貯めておくことです。
木々は木質の中に大量の炭素を貯めているので、森林は炭素を固定するための有望なメカニズムの一つです。光合成を行う植物として、木々は、太陽のエネルギーを使って空気から二酸化炭素を吸収し、それを水と合わせて当分とその他の有機化合物を作り出します。他の植物と比較して、木は炭素の長期的な保存に適しています。なぜなら、木の幹、枝、根は多くの木質を含むからです。木材と将来の木材製品は、それらが焼かれるかあるいは腐敗分解することで炭素を放出するまで、炭素を固定し続けるのです。

炭素の保存と固定は、永久にとまでは言いませんが、他の道を探るのに必要な時間を与えてくれるかもしれません。木を植えることで、すべての人間活動から生み出される温室効果ガスがオフセットされるわけではありませんが、森林は確かに違いを生み出すのです。地球規模での炭素固定化は、2050年までには累積で100ギガトン(110兆トン)にもなり、予測される化石燃料から出される炭素量の10から20%になると見込まれています。