最終話『真実のノート』
嘘だ!! 嘘だ!! 嘘だ!! 嘘だ!!
走りながら 心が叫んだ!
佐奈が… 佐奈と俺が…
「嘘だあー!!!!!!」
俺は 力一杯に そう叫ぶと
足を止め、道行く人々の好奇な視線にさらされながらも、 両手で 頭を 抱えながら 冷たい 路上に座り込んだ。
どの位の時間が 経ったのだろう?
ふと 気が付くと
『……♪』
俺の耳に また あの曲が
聴こえてきたんだ
そして
しゃがみ込んだまま、顔をあげた俺の目に映ったのは、あの赤レンガ作りの喫茶店だった。
(いつの間に…!?)
今度は しっかりと 閉じられているドア
俺は 喫茶店のドアを開けた。
(カランコロン♪)
と 鈴の音がする
「いらっ? おや 先程の?」
コーヒーカップを 磨きながら 白髪のマスターが 俺を見て 少し驚いた後
「ご注文は?」
と ニコリと微笑んだ。
「あっ!?」
俺は 慌てて ポケットの中を探り 財布を忘れた事に気が付くと、「すいません また 来ます!!」
そう言って 背を向けたんだ すると
「お金なんて いいですよそれより 貴方の名前を教えて下さい」
背後から マスターの声が聞こえた。
俺は 「いいえ そう言う訳には…」
そう言いながら 振り向くと マスターの優しい笑顔が 視界に飛び込んで来た
鼻の奥が 思わず つんとした。 次第に、熱くなってくる 目頭
「椎葉 誠と 言います」
気が付くと 俺は マスターに 自分の名前を 告げていた。
「椎葉 誠さん ご注文は コーヒーで宜しいですか?」
マスターの顔が くしゃくしゃの笑顔に変わる
「はい 」
俺は 小さく 頷くと 一番奥の 窓際の席に再び、座った。
走りながら 心が叫んだ!
佐奈が… 佐奈と俺が…
「嘘だあー!!!!!!」
俺は 力一杯に そう叫ぶと
足を止め、道行く人々の好奇な視線にさらされながらも、 両手で 頭を 抱えながら 冷たい 路上に座り込んだ。
どの位の時間が 経ったのだろう?
ふと 気が付くと
『……♪』
俺の耳に また あの曲が
聴こえてきたんだ
そして
しゃがみ込んだまま、顔をあげた俺の目に映ったのは、あの赤レンガ作りの喫茶店だった。
(いつの間に…!?)
今度は しっかりと 閉じられているドア
俺は 喫茶店のドアを開けた。
(カランコロン♪)
と 鈴の音がする
「いらっ? おや 先程の?」
コーヒーカップを 磨きながら 白髪のマスターが 俺を見て 少し驚いた後
「ご注文は?」
と ニコリと微笑んだ。
「あっ!?」
俺は 慌てて ポケットの中を探り 財布を忘れた事に気が付くと、「すいません また 来ます!!」
そう言って 背を向けたんだ すると
「お金なんて いいですよそれより 貴方の名前を教えて下さい」
背後から マスターの声が聞こえた。
俺は 「いいえ そう言う訳には…」
そう言いながら 振り向くと マスターの優しい笑顔が 視界に飛び込んで来た
鼻の奥が 思わず つんとした。 次第に、熱くなってくる 目頭
「椎葉 誠と 言います」
気が付くと 俺は マスターに 自分の名前を 告げていた。
「椎葉 誠さん ご注文は コーヒーで宜しいですか?」
マスターの顔が くしゃくしゃの笑顔に変わる
「はい 」
俺は 小さく 頷くと 一番奥の 窓際の席に再び、座った。
最終話『真実のノート』
家に帰ると 久々に 叔父さんが 来てくれたと 母が 喜んでいた。
「近頃 仕事 仕事って 身体壊さなきゃ 良いけど…」
いつも そんな事を言って叔父さんを心配している母だった。
「母さんは なんで 叔父さんを好きになったの?」
何故か 気になって 聞いて見た。
「あの人が 不器用な人だからよ」母は そう言って笑っていた。
「人が人を 好きになるって 苦しい?」
俺は そんな母に目を細めて 問いかけてみる
すると、「何故、そんな事を聞くの!?」突然母の顔から 笑みが消えた。
「誠 貴方 まさか?」
母が 俺の両肩を 掴む
俺は 唇を噛み締め 母から視線を反らせた。
「誠 佐奈お嬢さんの事 好きになったの?」
両肩を掴んだ 母の手が 震えだす
俺は 覚悟を決めて 母を見た
「母さん 俺は 明日 佐奈に 全部 話そうと思う」
「話すって どうして?」
「苦しいから」
「誠…」
「佐奈が 好きなんだ」
最後の言葉は 多分 叫び声に なっていたと思う
母と俺の間に 暫くの沈黙が流れた。
目を見開いたまま 俺を見詰めていた母は やがて リビングの床に ペタリと座りこんだ。
「何て事なの…」
呟きと同時に 涙を溢す母
俺は そんな母に 自分の佐奈に対する 深い想いを 話した。佐奈を守りたいと言った俺を 母ならきっと
理解してくれる…そう信じていた。すると 母は
「それは 出来ないわ」
そう言ったんだ。
そして 何故!? と聞いた俺に 母は 泣きながら 叫んだ。
「貴方は 勝利さんの実子だからよ!!」
「!!!!!!」胸に衝撃が走り抜ける
実子? 俺が 叔父さんの!?
「嘘だろ?」
半ば 放心状態で 聞く俺に母は 大きく 首を横に振る
「嘘じゃない 貴方の 父親は 勝利さんなのよ」
「だって 違うって 言ったじゃねーか!?」
思わず、声が 罵声に変わる
「それは あの人は いつか本宅に戻らなければ いけない人だから 私達の事で重荷を 背負わせたくなかったの…ごめんなさい
ごめんなさい 誠…」
「じゃあ 俺と佐奈は…」
声が うわずった
「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」
母が 土下座をしながら 泣き崩れた。
「聞きたくない!!!!」
そう叫ぶと
母に背を向け 俺は駆け足で 家を飛び出した。
「近頃 仕事 仕事って 身体壊さなきゃ 良いけど…」
いつも そんな事を言って叔父さんを心配している母だった。
「母さんは なんで 叔父さんを好きになったの?」
何故か 気になって 聞いて見た。
「あの人が 不器用な人だからよ」母は そう言って笑っていた。
「人が人を 好きになるって 苦しい?」
俺は そんな母に目を細めて 問いかけてみる
すると、「何故、そんな事を聞くの!?」突然母の顔から 笑みが消えた。
「誠 貴方 まさか?」
母が 俺の両肩を 掴む
俺は 唇を噛み締め 母から視線を反らせた。
「誠 佐奈お嬢さんの事 好きになったの?」
両肩を掴んだ 母の手が 震えだす
俺は 覚悟を決めて 母を見た
「母さん 俺は 明日 佐奈に 全部 話そうと思う」
「話すって どうして?」
「苦しいから」
「誠…」
「佐奈が 好きなんだ」
最後の言葉は 多分 叫び声に なっていたと思う
母と俺の間に 暫くの沈黙が流れた。
目を見開いたまま 俺を見詰めていた母は やがて リビングの床に ペタリと座りこんだ。
「何て事なの…」
呟きと同時に 涙を溢す母
俺は そんな母に 自分の佐奈に対する 深い想いを 話した。佐奈を守りたいと言った俺を 母ならきっと
理解してくれる…そう信じていた。すると 母は
「それは 出来ないわ」
そう言ったんだ。
そして 何故!? と聞いた俺に 母は 泣きながら 叫んだ。
「貴方は 勝利さんの実子だからよ!!」
「!!!!!!」胸に衝撃が走り抜ける
実子? 俺が 叔父さんの!?
「嘘だろ?」
半ば 放心状態で 聞く俺に母は 大きく 首を横に振る
「嘘じゃない 貴方の 父親は 勝利さんなのよ」
「だって 違うって 言ったじゃねーか!?」
思わず、声が 罵声に変わる
「それは あの人は いつか本宅に戻らなければ いけない人だから 私達の事で重荷を 背負わせたくなかったの…ごめんなさい
ごめんなさい 誠…」
「じゃあ 俺と佐奈は…」
声が うわずった
「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」
母が 土下座をしながら 泣き崩れた。
「聞きたくない!!!!」
そう叫ぶと
母に背を向け 俺は駆け足で 家を飛び出した。
最終話『真実のノート』
だけど 毎日が楽しくなればなる程、お前を好きになればなる程、同時進行で苦しみは 大きくなって行った。
だって 俺の母は お前の父親の愛人だから
お前が 幼い時から 愛を知らずに 育ってきた影には俺達 親子がいたんだ。
お前が 愛され無かった分俺は 叔父さんに愛されてきた。
だからこそ 母は お前と母親に対して いつも 罪の意識を感じてきた。そんな母の姿を俺は見ていたんだ。だから 初めてお前を見た時 お前の死んだ瞳に、ショックと、罪悪感を感んじたんだ。
だけど…今 思えば それだけで お前の後を追って 転校迄 したのかな?って 疑問に思うよ あの桜の木の影で お前を見た時から もしかしたら 俺はお前に 牽かれてたのかも知れない。
佐奈と駅前で 別れ 電車に乗り込むと いつも俺は そんな事を考え込むようになっていた。
そんな時だった ふと 自宅近くに あの喫茶店を見つけたのは
いつも 通る道なのに 気が付かなかった程の小さな 小さな 赤レンガ作りの喫茶店 ドアが開いていて、中から スローなバラードの曲が 聴こえてくる
俺は 何故か その曲に惹かれて 中に吸い寄せられるように 入って行った。
中は レトロ調な作りで
カウンター席と 奥の方にテーブル席が 4席ある
白髪の老人マスターが ニコニコしながら 「いらっしゃい!」と俺を向かえてくれた。
俺は、一番奥の窓際の席に座ると マスターにコーヒーを注文し その曲に耳を傾けた。
♪ 何も 知らなくていい
この空の下にいて…
何故か、もの凄く 心に 染みる 歌声と フレーズだった。
そして 曲を聴きながら 考える事は やはり あいつ(佐奈)の事だった。
何もかも 佐奈に 打ち明けたら、どうなるだろう?
それでも あいつは 俺の側に 居てくれるだろうか?
もし、あいつが 俺の存在を 許してくれるなら…
俺が 佐奈 お前を 守りたい
こんなガキには 何も 出来ないかも知れないが
俺は お前の為に 急いで 大人になる
そして 3番目に お前に見付けて欲しいと思った 愛ってやつを お前に 全部やる
俺の全てをかけて…
そんな事を 思ってた。
そして
次の瞬間 決心したんだ!!
お前に全てを 打ち明けようと
マスターが 注文したコーヒーをテーブルに、置きながら
「とても 輝がやいた目をしてますね」
そんな事を言った。
俺は そんなマスターに
「この曲 何て曲名ですか? アーティストは?」
この曲を もう一度聴きたい そう思い 聞いた
そうしたら マスターは
眼鏡の奥から 優しい瞳を除かせて
「ERiの歌で ♪この空の下にいて…」
そう 答えてくれたんだ。
だって 俺の母は お前の父親の愛人だから
お前が 幼い時から 愛を知らずに 育ってきた影には俺達 親子がいたんだ。
お前が 愛され無かった分俺は 叔父さんに愛されてきた。
だからこそ 母は お前と母親に対して いつも 罪の意識を感じてきた。そんな母の姿を俺は見ていたんだ。だから 初めてお前を見た時 お前の死んだ瞳に、ショックと、罪悪感を感んじたんだ。
だけど…今 思えば それだけで お前の後を追って 転校迄 したのかな?って 疑問に思うよ あの桜の木の影で お前を見た時から もしかしたら 俺はお前に 牽かれてたのかも知れない。
佐奈と駅前で 別れ 電車に乗り込むと いつも俺は そんな事を考え込むようになっていた。
そんな時だった ふと 自宅近くに あの喫茶店を見つけたのは
いつも 通る道なのに 気が付かなかった程の小さな 小さな 赤レンガ作りの喫茶店 ドアが開いていて、中から スローなバラードの曲が 聴こえてくる
俺は 何故か その曲に惹かれて 中に吸い寄せられるように 入って行った。
中は レトロ調な作りで
カウンター席と 奥の方にテーブル席が 4席ある
白髪の老人マスターが ニコニコしながら 「いらっしゃい!」と俺を向かえてくれた。
俺は、一番奥の窓際の席に座ると マスターにコーヒーを注文し その曲に耳を傾けた。
♪ 何も 知らなくていい
この空の下にいて…
何故か、もの凄く 心に 染みる 歌声と フレーズだった。
そして 曲を聴きながら 考える事は やはり あいつ(佐奈)の事だった。
何もかも 佐奈に 打ち明けたら、どうなるだろう?
それでも あいつは 俺の側に 居てくれるだろうか?
もし、あいつが 俺の存在を 許してくれるなら…
俺が 佐奈 お前を 守りたい
こんなガキには 何も 出来ないかも知れないが
俺は お前の為に 急いで 大人になる
そして 3番目に お前に見付けて欲しいと思った 愛ってやつを お前に 全部やる
俺の全てをかけて…
そんな事を 思ってた。
そして
次の瞬間 決心したんだ!!
お前に全てを 打ち明けようと
マスターが 注文したコーヒーをテーブルに、置きながら
「とても 輝がやいた目をしてますね」
そんな事を言った。
俺は そんなマスターに
「この曲 何て曲名ですか? アーティストは?」
この曲を もう一度聴きたい そう思い 聞いた
そうしたら マスターは
眼鏡の奥から 優しい瞳を除かせて
「ERiの歌で ♪この空の下にいて…」
そう 答えてくれたんだ。