2話『心の闇』
「ただいまぁ~!!」
あたしが、そう素直に言えるのは
「お帰りなさい!」
と、いつも笑顔で迎えてくれる梅だけだ。
誠に「ゲーセンでも行こうか!?」と、誘ったが…
(本当、あいつは 付き合いが悪い!!)
腕時計を見るなり
「悪い!!又 今度!!」
と言って、何処かに走り去って行ってしまった。
付き合い始めてから、放課後…誠と 長く一緒に帰った事など無い。
(まだ…3日だが…)
何か、用事でも有るんだろうか?
(……………)
「まぁ~ 関係無いけどねぇ~」
あたしは、1人言を呟くと階段の手スリに、手をかけた。
「あら…珍しい~」
その時、ふいに頭上から 落とされた声に あたしは
「!?」
頭を上げた。
(母親だ!!)
言っちゃあ~悪いけど
あたしの家は、800坪は楽にある敷地に建たる、大豪邸だ(笑)
同じ家に居ても、梅が 教えてくれなきゃ、めったに家に居ない、母親とは
こうも(バッタリ)御対面は、出来ない!!
母親は、階段の上から
白いシルクのガウン姿で降りて来て 寝癖のついた髪をかきあげた…
「おはようございます 奥様…」
背後から 聞こえる、このピンと 張り詰めた 空気に気を遣う、梅の声…
キツイ、香水の匂いがする
まるで、何処かの飲み屋のママの寝起きだ
いや、飲み屋のママの方がまだ…いい
本当、目の前に立つ この 盛りのついた、メス猫には腹が立つ!!!!
あたしは、無言で (キッ)っと母親を睨み付けると、一気に階段を駆け上がった!
「ちっ!!」
母の舌打ちが 聞こえる。
その時
「!!!!」
あたしは、駆け上がった 階段の先で 思わず足を止めた。
そこには、母の愛人で
あたしの家庭教師、『葉山直人』がいた。
「こんにちわ…佐奈ちゃん…」
何食わぬ顔をして、そう言って奴は微笑む…
(……………)
わなわなと、全身が 震え出す!!
そう あたしは、こいつ!!
この男が 原因で死を決意したのだ!!!!
4日前の夜、嫌がるあたしを 勉強と言う名目で 部屋に閉じ込め、無理矢理、押し倒し、犯そうとした男!!
あたしは、思いっきり
彼の右の手首に噛みつき 部屋を、飛び出した!!!!
直人の右手首に、しっかりと巻かれた包帯…
直人は、右側の、Yシャツの裾を少しだけ捲り上げると、白い包帯を、そっとあたしに見せた。
そして、声にならない声で囁く…
「な…い…しょ…」
「!!!!!!」
あたしは、そんな直人を突き飛ばし、慌てて 自分の部屋に駆け込み
(バタンッ!!!!)
思いっきり、ドアを閉めた!
「何すんのよ!先生に!!」
母の罵声が、聞こえる!!
それを 「まぁ まぁ 」と
なだめる…直人…
(汚い!! 大人は みんな 汚い!!!!!)
あたしは、心でそう叫ぶと
出窓に飾ってある 薔薇の
花瓶を 無造作に掴み
「ガチャーン!!!!」
思いっきり、床に叩きつけた!!!!
あたしが、そう素直に言えるのは
「お帰りなさい!」
と、いつも笑顔で迎えてくれる梅だけだ。
誠に「ゲーセンでも行こうか!?」と、誘ったが…
(本当、あいつは 付き合いが悪い!!)
腕時計を見るなり
「悪い!!又 今度!!」
と言って、何処かに走り去って行ってしまった。
付き合い始めてから、放課後…誠と 長く一緒に帰った事など無い。
(まだ…3日だが…)
何か、用事でも有るんだろうか?
(……………)
「まぁ~ 関係無いけどねぇ~」
あたしは、1人言を呟くと階段の手スリに、手をかけた。
「あら…珍しい~」
その時、ふいに頭上から 落とされた声に あたしは
「!?」
頭を上げた。
(母親だ!!)
言っちゃあ~悪いけど
あたしの家は、800坪は楽にある敷地に建たる、大豪邸だ(笑)
同じ家に居ても、梅が 教えてくれなきゃ、めったに家に居ない、母親とは
こうも(バッタリ)御対面は、出来ない!!
母親は、階段の上から
白いシルクのガウン姿で降りて来て 寝癖のついた髪をかきあげた…
「おはようございます 奥様…」
背後から 聞こえる、このピンと 張り詰めた 空気に気を遣う、梅の声…
キツイ、香水の匂いがする
まるで、何処かの飲み屋のママの寝起きだ
いや、飲み屋のママの方がまだ…いい
本当、目の前に立つ この 盛りのついた、メス猫には腹が立つ!!!!
あたしは、無言で (キッ)っと母親を睨み付けると、一気に階段を駆け上がった!
「ちっ!!」
母の舌打ちが 聞こえる。
その時
「!!!!」
あたしは、駆け上がった 階段の先で 思わず足を止めた。
そこには、母の愛人で
あたしの家庭教師、『葉山直人』がいた。
「こんにちわ…佐奈ちゃん…」
何食わぬ顔をして、そう言って奴は微笑む…
(……………)
わなわなと、全身が 震え出す!!
そう あたしは、こいつ!!
この男が 原因で死を決意したのだ!!!!
4日前の夜、嫌がるあたしを 勉強と言う名目で 部屋に閉じ込め、無理矢理、押し倒し、犯そうとした男!!
あたしは、思いっきり
彼の右の手首に噛みつき 部屋を、飛び出した!!!!
直人の右手首に、しっかりと巻かれた包帯…
直人は、右側の、Yシャツの裾を少しだけ捲り上げると、白い包帯を、そっとあたしに見せた。
そして、声にならない声で囁く…
「な…い…しょ…」
「!!!!!!」
あたしは、そんな直人を突き飛ばし、慌てて 自分の部屋に駆け込み
(バタンッ!!!!)
思いっきり、ドアを閉めた!
「何すんのよ!先生に!!」
母の罵声が、聞こえる!!
それを 「まぁ まぁ 」と
なだめる…直人…
(汚い!! 大人は みんな 汚い!!!!!)
あたしは、心でそう叫ぶと
出窓に飾ってある 薔薇の
花瓶を 無造作に掴み
「ガチャーン!!!!」
思いっきり、床に叩きつけた!!!!
第2話『心の闇』
あたしは、幼い頃から
父親を、あまり 知らない。
母親から聞いた話しだと
なんか…地元では 結構有名な、政治家らしい…
選挙の時だけ、家に帰って来て、(ニコニコ)と、父親ずらをする!
(バカみたい!!)
だから、選挙の期間だけは家の家族は 円満だ!! (笑)
母親にしても、そうだ…
選挙の期間だけ、父親に取り繕い…媚をうる!
選挙が終われば、父親は 荷物をまとめ、何処か!?で暮らす愛人の元へ いそいそと帰って行く
母親は、そんな父親を笑顔で送り出し、姿が見えなくなると、愛人との待ち合わせ場所に 下品に塗りたくった化粧に、趣味の悪い服装で 出掛けては、夜中に帰宅をする…
自分達が出て行った後に
広すぎる豪邸に 昔から
あたしの面倒を見てくれて
いる『梅』と2人残され…
淋しくて、庭の噴水の前で
いつまでも、泣きじゃくっ
ていた、そんな子供が居た事など…
あの2人には、想像すら
出来ないだろう!!
その小さな子供(ガキ)が
大きくなり、ひねくれ者に
育つ事は…いわゆる世の中
のセオリーだ。
ある意味 あたしは、世の中のシナリオ通りに生きてる、『清く正しい女の子』まぁ~ そう言う事だ!!
(パチンッ)
又、風船ガムが、弾けた。
「お前…本当、ガム好きな!?」
学校帰り… 真っ赤な夕日に染まる、土手沿いの道で誠は そう言って 呆れた顔をした。
「あぁ~ 又、ガム割れちゃったじゃん!」
「何だよ!又 俺のせいかよ!」
ちょっと ふてくされた
あたしに、誠は そう言って顔を、近ずけた。
大きな誠に、合わせる様にあたしの足は 自然と 爪先立ちになる…
そして、重ねられた唇…
肩に、回された 誠の指先が 微かに震えていたのをあたしは、全身で 感じていた。
(やっぱ…ダサイ奴…)
唇が 離れたと同時に、誠は あたしを きつく抱き締めた。
「ちっ ちょっと 苦しいじゃん!!」
あたしが、そう言ってもがくと、誠は (クスクス)と笑い
「お前…本当小さいなぁ~」 と言って、更にきつく抱き締めた。
あたしは、そんな あいつの胸の中で、微かに高鳴る鼓動を、感じた…
でも その鼓動は あたしなのか? あいつなのか?
「…」(まぁ~いいかぁ~)
そんな、投げやりなセリフを頭の中で 呟き…
あたしは、誠の胸の中
静かに…目を閉じた。
父親を、あまり 知らない。
母親から聞いた話しだと
なんか…地元では 結構有名な、政治家らしい…
選挙の時だけ、家に帰って来て、(ニコニコ)と、父親ずらをする!
(バカみたい!!)
だから、選挙の期間だけは家の家族は 円満だ!! (笑)
母親にしても、そうだ…
選挙の期間だけ、父親に取り繕い…媚をうる!
選挙が終われば、父親は 荷物をまとめ、何処か!?で暮らす愛人の元へ いそいそと帰って行く
母親は、そんな父親を笑顔で送り出し、姿が見えなくなると、愛人との待ち合わせ場所に 下品に塗りたくった化粧に、趣味の悪い服装で 出掛けては、夜中に帰宅をする…
自分達が出て行った後に
広すぎる豪邸に 昔から
あたしの面倒を見てくれて
いる『梅』と2人残され…
淋しくて、庭の噴水の前で
いつまでも、泣きじゃくっ
ていた、そんな子供が居た事など…
あの2人には、想像すら
出来ないだろう!!
その小さな子供(ガキ)が
大きくなり、ひねくれ者に
育つ事は…いわゆる世の中
のセオリーだ。
ある意味 あたしは、世の中のシナリオ通りに生きてる、『清く正しい女の子』まぁ~ そう言う事だ!!
(パチンッ)
又、風船ガムが、弾けた。
「お前…本当、ガム好きな!?」
学校帰り… 真っ赤な夕日に染まる、土手沿いの道で誠は そう言って 呆れた顔をした。
「あぁ~ 又、ガム割れちゃったじゃん!」
「何だよ!又 俺のせいかよ!」
ちょっと ふてくされた
あたしに、誠は そう言って顔を、近ずけた。
大きな誠に、合わせる様にあたしの足は 自然と 爪先立ちになる…
そして、重ねられた唇…
肩に、回された 誠の指先が 微かに震えていたのをあたしは、全身で 感じていた。
(やっぱ…ダサイ奴…)
唇が 離れたと同時に、誠は あたしを きつく抱き締めた。
「ちっ ちょっと 苦しいじゃん!!」
あたしが、そう言ってもがくと、誠は (クスクス)と笑い
「お前…本当小さいなぁ~」 と言って、更にきつく抱き締めた。
あたしは、そんな あいつの胸の中で、微かに高鳴る鼓動を、感じた…
でも その鼓動は あたしなのか? あいつなのか?
「…」(まぁ~いいかぁ~)
そんな、投げやりなセリフを頭の中で 呟き…
あたしは、誠の胸の中
静かに…目を閉じた。
1話『誠…』
その時! 教室のドアが
(ガラリッ)と開き、水谷(一応担任…)が 入って来たので
さっきまで、難しそうな本を読んでいた、名前も知らない、クラスメイトが
「起立!」と言って席を立った。
(しーん)
数人が、おどおどした表情を浮かべ、席を立ったけど…(笑)
後は 誰も立つ奴なんて居ない。
(パチンッ!!)
あたしの、風船ガムが弾けた。
「さてと…」
水谷は、それを無視
朝の朝礼を、始めた。
(いつもの事!いつもの朝だ!!)
あたしは、窓側…
後ろから、2番目の席で
一番後ろには、誠が居る
席替えなんて、一度も した事が、無いので…
おそらく、こいつは、入学当時から、半年間 あたしの後ろ姿を見ているのだろう…
あたしは、ふいに ボブスタイルの 自分の髪の、後ろを、手で撫でた。
色を抜き過ぎて、金髪通り越して…白銀に近くなってる、あたしの髪色…
さっき、あいつと キスしたせいだろうか?
やけに、後ろ髪の、毛先が気になる…
あたしは、3日前に こいつ(誠)の存在を、知った。
だけど…
3日前…あたしは、こいつに会わなきゃ… 多分
校舎の屋上から飛び降りて
死んでた。
もう…何もかも、どうでも良かった。
『弱い!!』と言ってしまえば、一言で 済む問題だろうけど…
弱くない人間なんて、あたしは、まだ…見た事が無い。
近くにいるはずの、親でさえも、あたしの目には… この世で、1番弱い人間に映っていた。
(ガラリッ)と開き、水谷(一応担任…)が 入って来たので
さっきまで、難しそうな本を読んでいた、名前も知らない、クラスメイトが
「起立!」と言って席を立った。
(しーん)
数人が、おどおどした表情を浮かべ、席を立ったけど…(笑)
後は 誰も立つ奴なんて居ない。
(パチンッ!!)
あたしの、風船ガムが弾けた。
「さてと…」
水谷は、それを無視
朝の朝礼を、始めた。
(いつもの事!いつもの朝だ!!)
あたしは、窓側…
後ろから、2番目の席で
一番後ろには、誠が居る
席替えなんて、一度も した事が、無いので…
おそらく、こいつは、入学当時から、半年間 あたしの後ろ姿を見ているのだろう…
あたしは、ふいに ボブスタイルの 自分の髪の、後ろを、手で撫でた。
色を抜き過ぎて、金髪通り越して…白銀に近くなってる、あたしの髪色…
さっき、あいつと キスしたせいだろうか?
やけに、後ろ髪の、毛先が気になる…
あたしは、3日前に こいつ(誠)の存在を、知った。
だけど…
3日前…あたしは、こいつに会わなきゃ… 多分
校舎の屋上から飛び降りて
死んでた。
もう…何もかも、どうでも良かった。
『弱い!!』と言ってしまえば、一言で 済む問題だろうけど…
弱くない人間なんて、あたしは、まだ…見た事が無い。
近くにいるはずの、親でさえも、あたしの目には… この世で、1番弱い人間に映っていた。