真実のノート -35ページ目

9話『自分の為に…』

それからの…私の毎日は
学校… 病院… の他に

図書館へも 通うようになった。

勿論…美紀も 一緒だ

美紀は 日を 追う事に 亜弥の 可愛さの虜になり…
「佐奈より、私の方が 優しいよぉ~」

なんて…亜弥に アピールする様になり

密かに…私に ライバル心を 燃やす様に なった(笑)




そして



夏休み!!



いよいよ… 子供達との 授業が 始まった。


「これ、分かるかなぁ?」

とか


「良く 出来ましたねぇ~」


なんて…らしくない言葉を使いながら…

授業は 楽しく進められていった。


子供達の やる気は 凄くて
「先生!これは?」


なんて… 質問が 病室に飛び交う!!

美紀と私は 子供達に 楽しく 勉強して貰うには?

なんて 真剣に 考え


一晩中 寝ずに 問題集なんて…作ってみたりした


亜弥も…体調が 良い時は ちょっとだけ 参加して
みんなと 楽しそうに 問題集に 頭を 悩ませていた。

本当に… 毎日が 新鮮で 楽しくて…


次第に…なついてくれる 子供達に 心の底から


『いつか…その パジャマは 夜 寝る時だけに 着て欲しい!!』


そう 願う様に なっていった。


美紀も 勿論…その思いは
一緒で 亜弥の体調の 悪い時などは…

病院の 螺旋階段で 声を 殺して 泣いていた。


私も そんな 美紀の横で

(神様なんて…本当に…居るのかな!?)

なんて 真剣に…思った…


亜弥は 夏休みも 終わりに近ずく頃から…


段々と 顔色も 悪くなり
あの…可愛いい 笑顔も消え…


ベッドに 寝たきりの 毎日が 多くなった。



私と 美紀の 顔からも 自然と 笑顔が 消えてゆく…

けれど…


亜弥のママ…


静江さんだけは、いつも そんな、亜弥の側で 笑顔だった。




亜弥も…静江さんの笑顔に 自分も 笑顔を 返そうと 荒い呼吸の中 口角を 微かに…上げて見せる…



そんな、2人の姿を 見る度に 私は 胸が えぐられそうな程…

切なく 苦しくなる…


笑顔の中に 溢れ出る 親子の 想いが 私にも 痛い程伝わってくるから…




亜弥に お父さんは 居ない

亜弥と 静江さんは たった2人だけで 支え合って

ここまで、頑張ってきた。


亜弥の入院費を 稼ぐ為だろうか!?


静江さんは 朝晩と 仕事をしている。

だから、彼女が 亜弥に 会える時間は、 昼間の仕事と 夜の仕事の 合間…


ほんの…2時間程度だ…
けれど…
おそらく、睡眠時間を 極度に 削って 無理矢理 作った時間だろう…



彼女は 次第に…酷くやつれ…

みるみる 痩せていった。
夏なのに、長袖のブラウスを 着る 彼女の 袖口から (チラリ)と 見える 手首は もう… 目を 思わず 背けたくなるほど…

細く… 骸骨の様に なっていた。

9話『自分の為に』

病院の帰り道…

「ごめん…」

美紀が ふいに呟いた。

「何が!?」

私が 聞くと!?

「だって…佐奈 最近 付き合い悪かったし…」

そう言って うつ向いた。

「私の後、つけて来たんだろ?」

そう言いながら 美紀の顔を 下から 覗き込むと…

「う…うん…」

ばつが 悪そうに 美紀が 頷いた。

(やっぱり(笑))
「いいよ…別にさ!!だけど亜弥…可愛いいだろ!?」


「うん…めちゃ 可愛い!!」

私の問いかけに 美紀が ニコニコ笑って 答える!!


「ねぇ~ 佐奈…夏休み中 子供達に勉強 教えるの? 」


(そうだ!! 忘れてた!!)


「うん…小学生の低学年にね!約束しちゃった!」


私が そう答えると 美紀は
「私も 手伝っていい!?」
そう 私に聞いた

その後…


「ってか 佐奈ばっかり あんな可愛い娘と 友達になって ずるいし… 」

小声で 呟く…


私は (クスッ)っと 笑いながら

「じゃあ…美紀は トナカイさんの助手な!!」


そう言って 肩を(ポンッ)と 叩いた!







最近、何となく…

学校の 教室にいて

感じる事が ある。


休み時間… 教室の隅で

難しい本を 読んでる 奴らの事…


ちょっと 前までは

(何か…将来に希望でも もっているのか?(笑))


なんて…正直 馬鹿にして来た。


だけど…


だけどさ…


最近、笑えない 私が 居るんだよね


夢とかって まだ 良く分からないんだけど…


何となく… ちゃらんぽらんな 自分に 腹が立つ!!

亜弥に出会った せいかな!?


このまんまじゃ、何となくいけない様な 気がするんだよなぁ~



みんな…それは 感じている様で…

最近、授業中は みんな 静かだ。


気が付けば… 高3で もうすぐ 夏休みで…


遅いのかも 知れないけど
そろそろ 勉強とか 将来とか 真剣に 考えなきゃな~

そんな事を 最近 やたらと
考えてたりする…



(やってみようか!)


私は 授業開始の チャイムと 共に…

落書きだらけの 教科書を

消しゴムで (ゴシゴシ)


消した!

9話『自分の為に…』

その後 関根さんと 別れ
亜弥の病室に 戻り ドアに手をかけると!?


「ん!?」


中から


「アハハハ…!!」


亜弥の楽しそうな 笑い声が 聞こえた。


(静江さんかな?)
そう思い

(ガラッ)


ドアを 開けた 私は



「!!!!!!」


突然! 視界に 飛び込んで来た その姿に マジ 腰を 抜かす程 驚いた!!


(美紀!!)


そこに居たのは 紛れもなく


美紀!!!!


だった!!


私を見て (ニコリ)と 微笑む美紀!!


目が 意地悪そうに(キラリ)と輝く!!

「あっ!!佐奈 お帰り!! 佐奈の学校の友達が 来てくれたよ!!」


亜弥が 嬉しそうに 言いながら…


「はい」

と 私に くまのピュアを 差し出した。


美紀が 亜弥に 「何で このぬいぐるみ、佐奈に 渡すの?」

そう 不思議そうに聞く


(まずい!!)


(亜弥の口を 塞さがなくては!!)


私は 慌てて 亜弥のベッドに 駆け寄った!

しかし 亜弥は


美紀に(ニコリ)と 笑いかけ

「あのね…佐奈は サンタさんのソリを引く トナカイさんなの… サンタさんに言われて 亜弥と 友達になる為に ここに来たんだよ!!」


そう…言った

「へぇ~ サンタの国からはるばると…」


美紀が そう言って (ヒュ~ッ) と 口笛を吹いた。


(辞めてくれぇ~!!亜弥!!)

私は 亜弥の口を 塞ごうと手を 伸ばした。


それを (ガシッ)思いっきり 美紀の手が ブ゛ロックし、掴んだ!!

凄い力で 私の手を 握る美紀!!


(マジ 痛いんですけど…)

「それで 亜弥ちゃん?」
美紀は 笑顔で 亜弥に、続きを促した。


「うん それでね 佐奈は 人間の言葉が 喋れないのでも この魔法のくまちゃん ピュアの力を 借りると 喋れる様に なるんだよ!!だから、このピュアを 抱き締めてなくちゃいけないのでないと…喋れないんだぁ~ 佐奈は…」


「へぇ~」


亜弥の言葉に そう言って、美紀は 横目で チラリと 私を見た。


「あっ!!」


その時!? 亜弥が 突然 叫けぶ!


私と美紀は


「ん!?」


慌てて 亜弥を見た



「ねぇ~ 美紀ちゃん 佐奈は 喋れないのに 学校で どうやって 授業 受けてるの? 先生に 当てられたりしない? 後 どうやって美紀ちゃんと 友達になったの?」


亜弥が 不思議そうに 美紀に聞いた!


「そっ それは~」


戸惑う 美紀…


私は そんな 美紀を見て
(ニタァ~)っと 笑った


その時!?


「亜弥!! お姉ちゃんを 困らせたら 駄目よ!!」


背後からの声に 振り返ると


静江さんが 立っていた


「あっ ママ!」


嬉しそうな 亜弥!!


静江さんは 美紀に 軽く会釈をして

私を見た そして


「聞きました 関根さんから…夏休みの間 子供達の先生に なってくれるとか亜弥にも 毎日 勉強を 教えてくれて… 佐奈さん 貴方には なんて 感謝して良いのか…」

そう言って 頭を下げた


「佐奈が 勉強を?」


そう言って 美紀は 慌てて
亜弥から ピュアを受け取ると

「はい…」


と 私に 渡した。


私は 渡された ピュアを 抱き締めながら…

「いいえ… 亜弥と 友達になれて 嬉しいのは 私の方なんです。」

そう 答えた


「佐奈さん…」


静江さんの 目に 涙が 光る…


その時!?


「ぶぅ~ 何で 佐奈が 他の子供の先生になるの?
佐奈は 亜弥の友達だもん」


そう言って 亜弥が ふてくされた。


「亜弥…病気で 1人ぼっちなのは…貴方だけでは無いのよ…」


静江さんが 優しく 亜弥の頭に 手を置く
そして

「サンタさんも トナカイさんも みんなの物なのよ!? 亜弥は 他の子供達が寂しくても、自分だけが 楽しければいい!?」

そう 亜弥に問いかけた。


亜弥は



「う~ん」



と 暫く 考えてから



「みんなが 楽しい方が いい」


小声で ボソッと 答えた。


さすが… 母親だ…




亜弥の この 可愛く素直な性格は



きっと 静江さんに 育てられたから


きっとそうだ!!


私と美紀は そんな親子に


ちょっぴり 感動していた。