10話『雨と涙…そして…夢!』
亜弥の…告別式は…
少し、小雨が パラつく
雨の日で…
私は 火葬場の 庭に立ち
美紀と 2人…
天へ 昇る 亜弥を 静かに
見守った。
静江さんは…
昨日のお通夜の晩から…
遠くから…駆けつけて来た
親戚…
そして
職場の人達の 対応に追われて…
忙しそうだった。
「静江さん… とうとう 一回も 涙…見せなかったね…」
美紀が ぽつりと 呟いた。
本当に…
静江さんは…
ただの一度も
涙を 見せなかった。
あの日…
亜弥の 亡くなった直後…
私と 美紀は 狂った様に
亜弥のベッドの脇で…泣き続けた。
けれど…
静江さんは…
そんな…私達の横で
ただ
亜弥を 静かに 見詰めていた…
「小雨だけど…濡れるよ…中に入る!?」
私は 美紀に そう言って 建物の方へ 指をさした。
「ううん… 今は 亜弥の涙で 濡れていたいよ…」
美紀は そう言って 空を
見上げる
(亜弥の涙…!?)
私も 美紀と 一緒に 空を
見上げた。
顔に ポツポツと 落ちてくる
涙を 私は 目を閉じ
静かに…受け止める…
亜弥が 流す 涙なら…
きっと 自分の為の 涙じゃない!
おそらく…
1人…残してゆく…
静江さんを、心配しての
涙じゃないか!?
そう…思った
静江さんが… 泣かないのは!?
こんな…子供の私には
分からないのかも知れない
けど
多分… まだ 現実が 彼女
に 追い付いて いないせい
だと、思う…
亜弥が 死んだ! と 言う
現実が 彼女に 追いついた時…
彼女は…どう 受け止め…
涙を 流すのだろうか!?
私みたいな… ガキには
想像すら する事が 出来ない。
その時…
(キキィーッ)
けたたましく 火葬場の
駐車場に 一台の 車が 止まった!!
「何!!」
振り向く 美紀と私!!
車の運転席が(カチャッ)と
空き 中から…喪服姿で
降りて来た女性は…
私達を 見ると (ニコリ)とし
「遅刻しちゃったわね!!」
そう言って 駆け寄って来た。
白衣姿しか見た事…無かったから
一瞬 「誰!?」と 思ったけど
「関根さん…」
私も 美紀も 彼女に 頭を下げた。
「昨日のお通夜…夜勤で 行けなかったから…告別式には どうしても…ね…」
関根さんは そう言って
寂しそうに 微笑んだ。
そして
「亜弥ちゃん…今頃…元気に 走り回ってるかな!?」
空を 見上げる…
「笑ってくれてれば…いいな!?」
美紀も 空を 見上げた。
「…亜弥…」
私も 空を 見上げる…
その時!?
「あっ そうだ!!」
関根さんが 突然 そう 叫び
手に持った 紙袋の中から
一冊の アルバムを 出した
どこかで 見覚えのある
アルバム(表紙)に!?
私は 「あっ!!」
思わず 叫んだ!!
「この アルバム…私が 預かってたんだ…」
関根さんが…ニコリと 笑ってそう言う
これは…亜弥が あの日
(宝物だよ!!)そう言って
見せてくれた アルバムだ
「どうして…これを 関根さんが!?」
私は 関根さんに 聞いた。
「うん…亜弥がね…まだ 写真 張ってない 余白を
埋めたい!!って 言うから… 一緒に写真…撮ってたのよ…」
「亜弥と 関根さんで!?」
私の問いに…関根さんは (コクリ)と 深く 頷いた!
「亜弥が ほとんど 撮ったのよ…私は 手助けしただけ… 出来上がったら 見せるから…それまで 隠しておいてって 言われたの…」
そして
「静江さんに 本来なら 先見せなくちゃ いけないんだけど あんた達にも 十分見る権利 有るからね~」
そう言って アルバムを
私に 渡し…
「静江さんに 挨拶してくるわ!」
片手を 振り 建物の方へと歩いて行った。
「ここじゃ…雨に 濡れちゃう…ね…」
美紀と私は 軒下に身を寄せ…
アルバムを めくった。
少し、小雨が パラつく
雨の日で…
私は 火葬場の 庭に立ち
美紀と 2人…
天へ 昇る 亜弥を 静かに
見守った。
静江さんは…
昨日のお通夜の晩から…
遠くから…駆けつけて来た
親戚…
そして
職場の人達の 対応に追われて…
忙しそうだった。
「静江さん… とうとう 一回も 涙…見せなかったね…」
美紀が ぽつりと 呟いた。
本当に…
静江さんは…
ただの一度も
涙を 見せなかった。
あの日…
亜弥の 亡くなった直後…
私と 美紀は 狂った様に
亜弥のベッドの脇で…泣き続けた。
けれど…
静江さんは…
そんな…私達の横で
ただ
亜弥を 静かに 見詰めていた…
「小雨だけど…濡れるよ…中に入る!?」
私は 美紀に そう言って 建物の方へ 指をさした。
「ううん… 今は 亜弥の涙で 濡れていたいよ…」
美紀は そう言って 空を
見上げる
(亜弥の涙…!?)
私も 美紀と 一緒に 空を
見上げた。
顔に ポツポツと 落ちてくる
涙を 私は 目を閉じ
静かに…受け止める…
亜弥が 流す 涙なら…
きっと 自分の為の 涙じゃない!
おそらく…
1人…残してゆく…
静江さんを、心配しての
涙じゃないか!?
そう…思った
静江さんが… 泣かないのは!?
こんな…子供の私には
分からないのかも知れない
けど
多分… まだ 現実が 彼女
に 追い付いて いないせい
だと、思う…
亜弥が 死んだ! と 言う
現実が 彼女に 追いついた時…
彼女は…どう 受け止め…
涙を 流すのだろうか!?
私みたいな… ガキには
想像すら する事が 出来ない。
その時…
(キキィーッ)
けたたましく 火葬場の
駐車場に 一台の 車が 止まった!!
「何!!」
振り向く 美紀と私!!
車の運転席が(カチャッ)と
空き 中から…喪服姿で
降りて来た女性は…
私達を 見ると (ニコリ)とし
「遅刻しちゃったわね!!」
そう言って 駆け寄って来た。
白衣姿しか見た事…無かったから
一瞬 「誰!?」と 思ったけど
「関根さん…」
私も 美紀も 彼女に 頭を下げた。
「昨日のお通夜…夜勤で 行けなかったから…告別式には どうしても…ね…」
関根さんは そう言って
寂しそうに 微笑んだ。
そして
「亜弥ちゃん…今頃…元気に 走り回ってるかな!?」
空を 見上げる…
「笑ってくれてれば…いいな!?」
美紀も 空を 見上げた。
「…亜弥…」
私も 空を 見上げる…
その時!?
「あっ そうだ!!」
関根さんが 突然 そう 叫び
手に持った 紙袋の中から
一冊の アルバムを 出した
どこかで 見覚えのある
アルバム(表紙)に!?
私は 「あっ!!」
思わず 叫んだ!!
「この アルバム…私が 預かってたんだ…」
関根さんが…ニコリと 笑ってそう言う
これは…亜弥が あの日
(宝物だよ!!)そう言って
見せてくれた アルバムだ
「どうして…これを 関根さんが!?」
私は 関根さんに 聞いた。
「うん…亜弥がね…まだ 写真 張ってない 余白を
埋めたい!!って 言うから… 一緒に写真…撮ってたのよ…」
「亜弥と 関根さんで!?」
私の問いに…関根さんは (コクリ)と 深く 頷いた!
「亜弥が ほとんど 撮ったのよ…私は 手助けしただけ… 出来上がったら 見せるから…それまで 隠しておいてって 言われたの…」
そして
「静江さんに 本来なら 先見せなくちゃ いけないんだけど あんた達にも 十分見る権利 有るからね~」
そう言って アルバムを
私に 渡し…
「静江さんに 挨拶してくるわ!」
片手を 振り 建物の方へと歩いて行った。
「ここじゃ…雨に 濡れちゃう…ね…」
美紀と私は 軒下に身を寄せ…
アルバムを めくった。
10話『雨と涙…そして…夢!』
直ぐに 駆けつけた
医師と 関根さんが…
病室のドアを 開け…
中に 入っていった!!
私の手から…
ポタポタと 床に 零れ落ちる
水滴…
(亜弥!!)
(嫌だよ!!!!)
(行かないで!!!)
私は 廊下に 立ちつくしたまま…
天井を 見上げた!!
どの位 時間が 経ったのだろう?
病室の中から…
「残念ですが…ご臨終です…」
廊下に居る 私にも
そんな 医師の声が
聞こえた…
「なんでぇー!!!!いやぁぁぁぁ!!!!」
再び… 聞こえた…
美紀の 悲痛な 叫び声!!
その時!!
(ガラッ!!)
病室のドアが 開いた
うつ向きながら… 去って行く 医師の後から…
関根さんが…出て来た
関根さんは…私を 見ると
「亜弥ちゃんに、会ってらっしゃい!!」
そう言って 私の手を引き
病室の 入り口に 立たせると
(ドンッ) と 背中を 押した!!
よろけながら…
病室に 入ると
私は 一歩 一歩 ゆっくりと
亜弥のベッドに 近ずいた
「いやぁぁ~ あぁぁ…」
美紀の 泣き声が 聞こえる…
仕切りのカーテンを 開けると…
床に 倒れ込んで 泣き崩れる 美紀の横で
静かに…亜弥を 見詰める静江さんの 姿が あった。
私は 仕切りのカーテンを掴んだまま…
亜弥を 直ぐには 直視する事は 出来ず…
亜弥の横にある くまのぬいぐるみ(ピュア)に 目を 滑らせた。
(このくまちゃん!魔法のくまちゃんなの!?)
初めて 出会った日
そう言って 目を 丸くする亜弥が いた…
(サンタさんに…友達が 欲しいって 頼んだの… )
そう言って うつ向いた
亜弥…
(大丈夫よ 赤い…お鼻は 今日も 隠れてるから…)
あの日の 亜弥の 可愛い
笑顔…
私の 鼻にちょこんと 触れた
亜弥の 小さな 小さな…
人差し指!!
私は 亜弥を 見た…
本当に… 眠っている様な 死に顔で
今にも 起きて
「トナカイさん!!」
そう… 又 私を 呼んで
くれそうな… そんな…
そんな…
ってか
嘘だろ!!
亜弥!!!!
次の瞬間!!
何の 前触れもなく
膝が (ガクッ)っと 床に 崩れ落ちた!!
掴んでいた 仕切りの カーテンが
パチン!! パチン!!
と 音をたて はがれ落ちる!!
「うっ あぁぁっ!!」
私は 漏れそうになった
嗚咽を 慌てて 両手で 止めた!!
「うっ!! ぐぅっ」
押さえても 押さえても
両手の 隙間から もれる声
私は 床に 崩れ落ちた!!
(嘘だろ!! なぁ!?)
(信じらんねーよ!!!!)
元気になって 学校 行けよ!!
友達作って
遊んでくれよ!!
何でだよ!!!!
亜弥!! 亜弥!! 亜弥!!
心が 狂った様に 叫びだす!!
「わぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私は 床に 頭を 打ちつけ
半狂乱に 泣き続けた!!
医師と 関根さんが…
病室のドアを 開け…
中に 入っていった!!
私の手から…
ポタポタと 床に 零れ落ちる
水滴…
(亜弥!!)
(嫌だよ!!!!)
(行かないで!!!)
私は 廊下に 立ちつくしたまま…
天井を 見上げた!!
どの位 時間が 経ったのだろう?
病室の中から…
「残念ですが…ご臨終です…」
廊下に居る 私にも
そんな 医師の声が
聞こえた…
「なんでぇー!!!!いやぁぁぁぁ!!!!」
再び… 聞こえた…
美紀の 悲痛な 叫び声!!
その時!!
(ガラッ!!)
病室のドアが 開いた
うつ向きながら… 去って行く 医師の後から…
関根さんが…出て来た
関根さんは…私を 見ると
「亜弥ちゃんに、会ってらっしゃい!!」
そう言って 私の手を引き
病室の 入り口に 立たせると
(ドンッ) と 背中を 押した!!
よろけながら…
病室に 入ると
私は 一歩 一歩 ゆっくりと
亜弥のベッドに 近ずいた
「いやぁぁ~ あぁぁ…」
美紀の 泣き声が 聞こえる…
仕切りのカーテンを 開けると…
床に 倒れ込んで 泣き崩れる 美紀の横で
静かに…亜弥を 見詰める静江さんの 姿が あった。
私は 仕切りのカーテンを掴んだまま…
亜弥を 直ぐには 直視する事は 出来ず…
亜弥の横にある くまのぬいぐるみ(ピュア)に 目を 滑らせた。
(このくまちゃん!魔法のくまちゃんなの!?)
初めて 出会った日
そう言って 目を 丸くする亜弥が いた…
(サンタさんに…友達が 欲しいって 頼んだの… )
そう言って うつ向いた
亜弥…
(大丈夫よ 赤い…お鼻は 今日も 隠れてるから…)
あの日の 亜弥の 可愛い
笑顔…
私の 鼻にちょこんと 触れた
亜弥の 小さな 小さな…
人差し指!!
私は 亜弥を 見た…
本当に… 眠っている様な 死に顔で
今にも 起きて
「トナカイさん!!」
そう… 又 私を 呼んで
くれそうな… そんな…
そんな…
ってか
嘘だろ!!
亜弥!!!!
次の瞬間!!
何の 前触れもなく
膝が (ガクッ)っと 床に 崩れ落ちた!!
掴んでいた 仕切りの カーテンが
パチン!! パチン!!
と 音をたて はがれ落ちる!!
「うっ あぁぁっ!!」
私は 漏れそうになった
嗚咽を 慌てて 両手で 止めた!!
「うっ!! ぐぅっ」
押さえても 押さえても
両手の 隙間から もれる声
私は 床に 崩れ落ちた!!
(嘘だろ!! なぁ!?)
(信じらんねーよ!!!!)
元気になって 学校 行けよ!!
友達作って
遊んでくれよ!!
何でだよ!!!!
亜弥!! 亜弥!! 亜弥!!
心が 狂った様に 叫びだす!!
「わぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私は 床に 頭を 打ちつけ
半狂乱に 泣き続けた!!
10話『雨と涙…そして…夢!』
学校が 終わると
私と美紀は 駆け足で 病院に…向かった!
病院の自動ドアを 抜けると!?
「ちょっと!!あんた達!!」
関根さんが 私達に 走り寄って来た。
(ハァハァ…)
荒い息を 整えると…
関根さんは 「亜弥ちゃんの 容態が 良くないわ! 今日は バイトは いいから早く 亜弥ちゃんの病室に行きなさい!」
そう言った!
「そんな…」
美紀は 途端に 青ざめた 表情で 私を見た。
(亜弥…)
心臓が… (トクンッ)と 一回
波を、打つ!!
階段を一気に…駆け上がると
美紀は 亜弥の側にいたいと…
病室のドアを 開け…
中に 入っていった…
私は 中から…微かに…
(ピッピッ)と 聞こえる 機械の音を 聞きながら…
亜弥の病室の前に たたずんでいた…
私には…亜弥の死を 直視する事は 出来ないし…
まだ…認められない
(亜弥…貴方は これから…何処に…行こうとしてるの?)
私は 廊下の窓を 少しだけ開けると…
先程から…ポツポツ 降りだした 雨の中に
片手を 伸ばした…
次第に
徐々に…
濡れてゆく…手のひら…
(亜弥… 私ね 命の 重さっての… 初めて 亜弥… あんたに…教えられたよ…)
高1の頃…
もう…死にたいなんて
屋上から… 飛び降り様とした自分が…
恥ずかしいよ
亜弥…
あんたは… こんな 私より
数倍…大人だ
だけど…
亜弥
私は 弱いから…
どうしても…
諦めきれないんだよ…
亜弥 私…
あんたに
生きて…
ほし…い…
私は雨に濡れた手のひらを(ギュッ)っと、握り締めた!!
その時!!
病室の中から
「いやぁぁぁぁ!!!!」
美紀の 悲痛な 叫び声が 聞こえた!!
私と美紀は 駆け足で 病院に…向かった!
病院の自動ドアを 抜けると!?
「ちょっと!!あんた達!!」
関根さんが 私達に 走り寄って来た。
(ハァハァ…)
荒い息を 整えると…
関根さんは 「亜弥ちゃんの 容態が 良くないわ! 今日は バイトは いいから早く 亜弥ちゃんの病室に行きなさい!」
そう言った!
「そんな…」
美紀は 途端に 青ざめた 表情で 私を見た。
(亜弥…)
心臓が… (トクンッ)と 一回
波を、打つ!!
階段を一気に…駆け上がると
美紀は 亜弥の側にいたいと…
病室のドアを 開け…
中に 入っていった…
私は 中から…微かに…
(ピッピッ)と 聞こえる 機械の音を 聞きながら…
亜弥の病室の前に たたずんでいた…
私には…亜弥の死を 直視する事は 出来ないし…
まだ…認められない
(亜弥…貴方は これから…何処に…行こうとしてるの?)
私は 廊下の窓を 少しだけ開けると…
先程から…ポツポツ 降りだした 雨の中に
片手を 伸ばした…
次第に
徐々に…
濡れてゆく…手のひら…
(亜弥… 私ね 命の 重さっての… 初めて 亜弥… あんたに…教えられたよ…)
高1の頃…
もう…死にたいなんて
屋上から… 飛び降り様とした自分が…
恥ずかしいよ
亜弥…
あんたは… こんな 私より
数倍…大人だ
だけど…
亜弥
私は 弱いから…
どうしても…
諦めきれないんだよ…
亜弥 私…
あんたに
生きて…
ほし…い…
私は雨に濡れた手のひらを(ギュッ)っと、握り締めた!!
その時!!
病室の中から
「いやぁぁぁぁ!!!!」
美紀の 悲痛な 叫び声が 聞こえた!!