真実のノート -30ページ目

第12話『父の想い…母の気持ち…』

「行ってらっしゃい!!」


母と梅に 見送られ…玄関の扉を開けると!?
日中は暖かいのだが…
4月の(キーン)と 冷えた 朝の風が 頬に…冷たくあたる…


看護学校迄は 電車で 30分…駅の改札口で 私は 入学してから 美紀と 待ち合わせをして、学校に向かう…

電車は 朝の 通勤ラッシュで いつも 満員だ

だから、美紀とも 電車の中では ろくに 話しも出来ない!

この 満員電車に これから3年間 乗って 通わなければ ならないのかと 思うと

正直! うんざりする!!







看護学校の授業は

基礎科目 専門基礎科目
専門科目 の講義が 中心になる!


まぁ~ はっきり言って

かなり 難しい!!

しかも… 一年間を 前後期に 分けて 単位認定試験が行われる。

それに、合格しなければ 落第してしまうのだ!


まさに… 1に勉強 2に勉強!3 4 がなくて 5に 勉強!!


そんな 感じだ!!





看護学校の 合格通知が 届いた日 私は 美紀と 一緒に 亜弥のお墓に 報告を しに 行った。


そこで、何と 偶然にも

関根さんに 会った。


関根さんに 私達は 看護学校の 合格通知を 見せた。

関根さんは ビックリすると 思ったのに

「やっぱりね 看護師 目指すと 予想してた!!」

そう言って 笑った!


そこで、私は 関根さんから とても 大切な事を 教えて貰った。


『TLC』と 言う 言葉だ


Tは…tender(優しさ)


Lは…Love(愛)


Cは…care(世話…看護)


と 言う 意味らしい…

看護(技術)より 愛と優しさが 上にくる 看護師で あって欲しいと 関根さん自身も 学生時代 実習で 先輩看護師に 言われたらしい…


当時を 懐かしむ様に

関根さんは 私達に 語って
くれた。

そして… 私と美紀の肩を抱いて…


「あんた達が 来るのを 楽しみに…待ってる!!」


そう言って くれた!



強くて…パワフルで 何より、優しい人


今の私にとっては まさに憧れの女性であり

関根さんのような 看護師になりたい!!

心から そう思う。



帰り道…私が そう 美紀に熱く語ると!?


美紀は

「私も 同じ 気持ちよ… ……でも…」


と言い…


「美しさでは 私の方が 上だけどね…」


そう言って 苦笑いをして見せた!



「アハハハ…」


私は 笑って ごまかしたけど…



(正直…負け惜しみだな…)


そう思った


けれど… 叩かれるから

美紀には 口が 裂けても

言えない(笑)










授業を 終え



家に…帰ると…



私は 携帯を 開き 奴に


メールを 打つ…



気が付けば 奴とメル友に
なって 1年と ちょっとの
月日が 流れていた。




いつも 私は 奴に 今日 あった事の 報告をする


奴は 私の報告を


「そうか…で どうした?」


と 興味深く 聞いてくれるが!?


私の方は 奴を『奴』と 呼ぶ 以外には


正直…何も 知らない…


何をしているのか?


仕事をしているのか?


学生なのか?


年は 何歳なのか?


何処に 住んでるのか?


もっと前に 聞くべきだったんだろうけど…


余りに 近い存在に 感じ過ぎていたせいか?


聞くのを 忘れていた


と 言うより 興味が 無かった と 言った方が 話しは はやいのかな!?



今頃になって 何故 興味を持ったのか?



自分でも 良く…分からない!


だけど…ここまで メル友が 長く 続くなら 会って見たい様な 気持ちもあり


なんか… 複雑だ…



明日あたり 思いきって

聞いてみようか?


「うん!そうしよう!!」


私は ベッドの上で

そんな 1人言を 呟きながら


眠りについた。

11話『卒業』

そして…



今日… 私は この学校を


卒業する・・・



それぞれ…別々の道へと

進んでゆく…


クラスメイト達



私は 1人 1人と 握手を

交した。



そして…


正門の前で 麻子 香奈枝
麻弥 美紀達と 一緒に

筒に入った 卒業証書を

片手に じゃれあって


何枚も 写真を 撮りまくった!





思えば… 入学式の日



同じ 桜の下で 私は


「何が…めでたいんだか!?」


そんな事を 呟きながら

風船ガムを 膨らませていた。


あの日の私が 懐かしく

今 頭の中に 蘇る…


けれど… 私は この学校で
かけがえの無い時間を

過ごした。


また、 大切な時間なんだと 言う事に 気が付く事が出来た。



ふと、横を 見ると


美紀が 卒業証書の入った筒で

「何 見てんのよぉ~!!」

そう言いながら 私の頭を
(コツンッ)と 軽く 叩いた!

そして…


「アハハハ…」


みんなと 一緒に 大声で

笑う!!



照れくさくて、言葉には

出せないけれど…


美紀 お前は 私にとって

かけがえの無い 友達だ


私は この学校に 入って
大切な親友(美紀)と 知り合った


けれど…


それと、同時に…


私に初めて 恋する事を 教えてくれた


誠を 失った…


あの日 この正門から


タクシーに 乗り込んで

去って行く 誠を 私は 必死に 追いかけた。



(誠… 貴方は 今、どうしていますか?)


瞼を閉じ… 私は 誠に 語りかけてみる…





その時!?

(…♪)

ポケットの中の携帯から

メール音が 鳴った。



開くと!? 奴からだ…


「卒業…おめでとう!! 今度は、看護学生だな!!」



(クスッ)



私は にっこり笑い


「はい!看護学校 一年生です!!」


そう 返事を返し…


ピースサインを した!!



すると、美紀も 横で 奴のメールに 目線を 落とし ニコリと 微笑んでいた。













そして・・ 4月



舞い散る 桜吹雪の中



私と 美紀は 県内の 看護学校の 一年生に なった。

11話『卒業…』

看護学校には 一次試験と
二次試験が 有る


一次試験は 学科と小論文
二次試験は 面接



今まで 勉強を おろそかにしてきた 私に

神様からの 天罰が 下る!!

進路を決めてからの 私の毎日は まさに…受験地獄

睡眠時間を ギリギリまで削っての 勉強の日々が

始まった。



けれど…


不思議と 辛くは 無かった

私の目の前には いつも

同じ問題で 頭を 悩ます

美紀が いたからだ!




「私…看護師になる!!」


亜弥の葬儀の帰り道…


美紀は 私に そう…言った。


正直! 私も 決意を 固めてたから…

同じ事を 考えてた 美紀に

ビックリした。


でも 直ぐに…美紀と 同じ道を 歩ける事に


喜びを 感じた。


「私も…実はさぁ~」


そう…切り出して 看護師を 目指す意思を 美紀に 伝えたら…


美紀も ビックリして


だけど…直ぐに


「やっぱり、私達 離れられない運命なんだよぉ~」

そう…言って 笑ってくれた。



私達は ちょっと前に

美容室に行って 長かった、髪を バッサリ、切り落とした。


そして… 黒い色に 戻した

(もう…半端は しない!!)

ちょっとした 決意の表れだ(笑)


だけど… 美容室を 出た後

お互いの 余りの変わり様に

顔を 見合せ 爆笑した!!


そして… 重いカバンを 抱え、図書館に 向かう!







その夜…



久々に 帰って来た


パパは 私の髪を見て

静かに…微笑んだ。


そして…私は


「看護師に 成りたい」と

パパに 告げた。


ママには その前に 告げていたので


ママは パパの横で 静かに
見守っていた。


パパは


「そうか… お前が 決意した事なら 頑張りなさい!」


そう言って 肩を抱いて くれた。






奴との メールの やり取りは 相変わらずで


最近は 勉強の話しが ほとんどだ


解けない難問題を メールで 質問すると!?


奴は かなり 頭が いい


直ぐに… 分かり易く 説明してくれる…


そして…


「頑張れよ!!」


そう…メールで 励ましてくれた!









そして… ふと 振り返ると

ベッドの上には


いつも 私を 見守ってくれる


亜弥(ピュア)が いる…



私は 時々、ピュアに 振り返ると…


(ニコリッ)と 微笑み


「さてと!! やりますか!!」


両手で 頬を(ピシャリッ!!)と

叩き!


勉強机に 向かった!!







日々は 刻々と




過ぎてゆく…





そして…





季節は…





寒い冬から…







桜の咲きほこる…






春へと…





変わった。